
家事や育児、仕事に介護、常に何かに追われているだけでなく、年を重ねると足腰の痛みで外出も億劫に。それでも、体の不調には抗えず、薬が必要なシーンは増えるばかり。そんな中、買いに行くひと手間が省けると話題のオンライン薬局、どうやって使えばいいのだろうか? 仕組みを解説する。
薬を手に入れるのが大変に…
2020年12月に発覚したジェネリック医薬品メーカーの品質不正問題が発端となった医薬品の供給不足は、いまも続いている。
「薬を手に入れるのが本当に大変になった」とため息をつくのは、神奈川県在住のパート勤務・Aさん(54才)だ。

「私は高血圧で病院にかかっていますが、この前、近所の薬局に行くといつもの薬が在庫切れで、翌日にならないと入荷しないと言われました。別メーカーのジェネリックならあったのですが、いきなり薬を変えるのは怖いですよね。仕事の予定も詰まっていたので、その日のうちにほかの薬局を3軒回って手に入れました。時間も労力もかかり、ぐったりしましたよ」
日々忙しい女性にとって、薬局に行く手間さえ省きたいもの。母の薬を管理しているという、都内在住の会社員・Bさん(50才)もこう言う。

「近所でひとり暮らしをしている77才の母は、糖尿病と心臓の持病があって、数か月おきに大学病院に通院しています。まだ足腰は元気なのでひとりで通院しているものの、診察が終わると疲れ果てて、もらった薬を自宅に帰るまでになくしてしまうことも。最近は、私が代わりに処方箋を薬局に持っていき、薬を届けています。でも正直、母から処方箋を受け取って薬局に行くのって、面倒です…」
自宅でも職場でも薬が受け取れる
薬局に行かなくても薬を受け取りたい――そんな悩みを解消してくれると注目されているのが「オンライン薬局」だ。薬剤師の三上彰貴子さんが解説する。
「直接薬局に行かなくても、薬剤師からビデオ通話で服薬指導を受けることで配達で薬を受け取れるサービスです。病院を受診した際に薬局へ処方箋を送信してもらったり、電子処方箋を利用することで、自宅や職場など指定の場所で薬を受け取ることができます。便利なので、私自身も子供の慢性疾患の薬を受け取るときに、時々利用しています」

オンライン薬局のメリットは、薬局に足を運ばなくていいこと。
「自宅だけではなく職場など希望の場所で受け取ることができるので、何より時短につながります。定期的にもらっている薬の量が多くて、持ち帰るのが大変だという高齢者にもうれしいシステムです。もちろん自分の薬だけでなく、家族の薬でも対応してもらえることもあります」(三上さん・以下同)

休日・深夜加算など時間外加算を避けられるのもポイント。
「一般的な薬局では、8~18時以外や土日に処方箋を受けつけると、一定の時間外加算がかかります。病院の診察が終わって18時を過ぎてしまったときは、翌日にオンラインで処方箋を送れば、わざわざ薬局に行かなくても時間外加算なしで薬をもらうことができます。運営会社によっては休日加算だけのことも。送料無料サービスがあるオンライン薬局なら、患者が負担する金額は変わりません」
専用サイトに登録 最短当日発送も
薬の受け取りに必要な薬剤師の服薬指導は、ビデオ通話で受けることになる。
「時間は事前に予約で決めて、忙しい人は外出中でも対応することもできます。薬剤師と1対1で話すことができるので、対面での服薬指導とほとんど変わりません。また一時的に在庫がない薬がある場合は、“入荷したら自宅に送ってもらえますか”と相談すれば、対応してもらえることもあります」
尿漏れや頻尿、痔など、女性に多いのに“人にはあまり知られたくない”病気の薬も、自宅で受け取れるなら人の目が気にならない。

そのオンライン薬局で話題になっているのが、今年3月にサービの利便性を向上して新生スタートしたGMOヘルステックの「薬局24 byGMO」だ。
使い方は以下の通り簡単で、まずは専用サイト「GMOクリニック・マップ」にアカウントを登録する。医療機関で交付される電子処方箋をもとに「オンライン服薬指導」を受けて支払いを終えれば、最短当日発送で薬が発送される。利用料・送料は無料だ。
ただし、オンライン薬局は、服薬指導から薬の受け取りまでタイムラグがあるので、急な発熱や痛みなど急性期の疾患には不向き。目的に応じて「オンライン薬局」を賢く使い分けよう。




※女性セブン2025年5月1日号