
暖かくなり薄着の季節が到来。そうなると気になるのが、肩から二の腕にかけてのたるみやぽっちゃり感…。なかなかやせにくい部分だが、正しい方法でアプローチすれば引き締まるという。その方法として、肩と腕だけ動かすエクササイズを美のプロフェッショナルが伝授する。
褐色脂肪細胞を刺激するのが細見えの秘訣
筋トレでは細くなりにくい二の腕。わきをマッサージした方が効率よくやせると言うのは、リンパケアに着目した独自メソッドを考案した美脚トレーナ・久優子さんだ。
「わきの下や肩甲骨の下などには褐色脂肪細胞があり、この部位を刺激して活性化させると代謝が上がって脂肪が燃えやすくなります」(久さん・以下同)
つまり褐色脂肪細胞がある部位をマッサージで刺激すると、やせやすくなるというわけだ。
「正しい位置を意識してもむことが大切です。今回紹介する二の腕と肩のマッサージを毎日続ければ、二の腕が引き締まるだけでなく、肩こりが解消し、フェイスラインもスッキリします」
入浴後の体が温まったときに行うとより効果的。
二の腕を細くする3つのマッサージ
褐色脂肪細胞を刺激するには、リンパ節と筋肉の表面を覆う薄い組織膜「筋膜」を押すのだが、痛い場合はリンパや血液の流れが滞っているかもしれない。
もんで・叩いて・押して細くする“久流”マッサージ
【Lesson1】わきもみ
【1】わきと肩をマッサージで刺激する

左のわきに右手の親指を差し入れて、それ以外の4本の指で肩の下あたり(押すとゴリっとして痛い部分)をしっかりとつかんで10回程度もむ。右のわきも同様に行う。
POINT:正しい位置じゃないと意味がない!

NG!ここをつかみがち
【2】わきと肩を刺激したまま腕を上下させる

右手で左のわきと肩の筋肉をつかんだまま、左ひじを曲げ、肩の高さまで腕を平行に上げる。その位置を起点にまゆげの上まで腕を上げ、元の高さに戻す。この上下を5回×2セット繰り返し、右腕も同様に行う。腕はなるべく高く上げると効果アップ。
POINT:わきに指が入らなければ横になって!

筋肉が硬く、親指がわきに入らない場合は、寝転んだ状態で、丸めたタオル(テニスボールでも可)やフォームローラーなどをわきの下に押しあてるとよい。自重によってしっかりとわきが押される。
【Lesson2】二の腕叩き
二の腕の内側を叩いて血流アップ!

左手でこぶしを作り、親指側で、右腕のわきの下からひじの内側までをまんべんなく叩く。叩くことで、血液の循環がよくなる。反対も同様に。
【Lesson3】ひじのリンパ節押し
ひじのリンパ節をしびれるほど押す

ひじのリンパ節を、指でギュッと挟んで押さえる。指の先に電気が走るようなビリビリとした感覚が走ったら指を放し、これを左右各5回程度繰り返す。リンパ節を押さえた後は、手をぶらぶらとさせて、一気に血液を流すと腕が軽くなりやすい。リンパ節を押さえたまま、ひじの曲げ伸ばしを行うとより効果的。
肩のもり上がりを解消するマッサージ
筋肉を覆う筋膜は全身でつながっている。そのため、一見関係のない足やこめかみをほぐすことで筋膜を通じて肩の筋肉がほぐされ、血流がよくなって肩のもり上がりが改善する。
【Lesson1】肩叩き
肩はもむのではなく叩く方がおすすめ。首を叩くときはやさしい力で!

【1】左肩から首の付け根に向かって、右のこぶしの小指側でトントンと叩く。リズミカルに叩くことで肩の関節が緩み、血流がよくなる。
【2】首の付け根まできたら、今度はこぶしの親指側で耳のあたりに向かって下から上へポンポンと、軽めの力でやさしく叩く。筋肉やリンパに振動が伝わって血流がよくなる。反対も同様に。「肩や首の筋肉はもみすぎると、もみ返しが起きます。叩いた方が、筋肉がまんべんなく緩むためおすすめです。ただし、首は体から脳へ神経を伝達する際の大切な通り道。やさしく叩いてください」。
【Lesson2】こめかみほぐし
肩こり、抜け毛、眼精疲労が解消!毎日少しずつほぐしていこう

耳の上からこめかみあたりをつまんで、引っ張るようにしながら上下に揺する。
「頭皮が硬い人や肩こりがひどい人はつまみにくいですが、毎日行うとできるようになります。この部位をマッサージすると、眼球を支えている6つの筋肉が緩み、肩こりが解消し、胸鎖乳突筋が柔らかくなって顔がリフトアップ。抜け毛も減ります。また、眼精疲労や老眼などで目の焦点が合いにくい人も見え方がクリアになります」
【Lesson3】足首回し
足首を柔軟にすると肩こり解消に効果的

【1】床に座り、右足のひざより少し上に左足のかかとを置く。左足の足首を左手でつかみ、足の指の間に右手の指を入れる。
【2】左足は、つま先までが一直線になるように右手で足先を手前に引く。右手指は左足指の間に入れたまま、円を描くように足首を大きく回す。回しづらい部分は何度も回してほぐす。右・左回しを各5回×3セット行ったら、反対の足も同様に行う。
POINT:手の指は、足の指の股にしっかり入れる。
POINT:老廃物がたまりやすいくるぶしのまわりを押さえる。
【Lesson4】肩甲骨回し
肩甲骨を動かして体を整える

腕をぐるぐると大きくゆっくり回して、肩甲骨を動かす。腕は上げすぎなくてOK。1分程度行う。
「肩まわりの筋肉がほぐれ、血液が一気に循環するので、肩や首が軽くなり、頭もすっきりします。いすに座ったままできるので、デスクワークの合間に行うのもおすすめです」
◆教えてくれたのは:美脚トレーナー・久 優子さん

ボディメンテナンスサロン「美・Conscious~カラダ職人~」代表。著書に『押したら、ヤセた。頑張らなくても1週間で結果が出る!』(宝島社)など多数。
取材・文/番匠郁
※女性セブン2025年5月8・15日号