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医療保険&生命保険のお得な選び方をFPが解説 「貯蓄型」なら老後のための資産形成や相続対策に

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医療保険&生命保険のお得な選び方は?(写真/イメージマート)
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医療費は誰でも原則3割負担、たとえ高額な治療を受けても限度額以上は「高額療養費制度」で返ってくる――「世界的に見て、日本の公的医療保険制度は充実している」といわれる。だが、その制度には、多くの人が知らない“落とし穴”がある。高額療養費制度にも“改悪”が加えられようとしているいま、公的保険だけで安心できたのはもはや昔の話。「医療保険」「生命保険」を賢く使いこなして、人生100年時代のあらゆる“もしも”に備えなくてはならない。そこで、「医療保険」「生命保険」のお得な選び方について解説する。

「貯蓄型」を選べば老後のための資産形成、相続対策にも

医療保険には「掛け捨て型」が多く、月々の保険料負担が少ないうえ、結婚や出産といったライフステージごとに内容を見直せるというメリットもある。

一方で、死亡保障がついた「終身型」の生命保険と組み合わせることで、老後を見据えた資産形成にもなるのだ。

「終身保険など『貯蓄型』と呼ばれる保険は、死亡や入院など所定の状態になると保険金が給付され、何もなく解約すれば解約返戻金が受け取れます。“保障つきの資産形成”とも言えるでしょう」(ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん)

加えて、生命保険は現金や不動産よりも“確実かつ有利な相続”が可能になる。「死亡後、銀行口座はすぐに凍結されお金が引き出せなくなってしまいますが、保険は受取人を定めておけば、請求後速やかに支払われる。借金や空き家になっている実家など、負の遺産が多い場合に相続放棄しても、保険金だけは受け取りが可能です」(ファイナンシャルプランナーの松浦建二さん・以下同)

また、保険金は遺留分にも含まれず非課税枠がある。

「法定相続人1人につき、500万円までが非課税となるため、妻と子供2人が相続人の場合は1500万円まで相続税がかかりません」

病気、死亡、老後の資産形成に
病気、死亡、老後の資産形成に
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「払い込み満了」で給付金が一部還元

掛け捨て型でも、中には払込完了後に解約する際、1回分の給付金が返ってくるものもある。

「保険料が返ってこない医療保険は損」という人もいるが、入院時に受け取った給付金額によっては、プラスになるケースも多い。保険料負担を考えて終身保険は難しくても、「生存給付金付定期保険」なら一定期間ごとに「お祝い金」が受け取れる。

(イラスト/大窪史乃)
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保険は「病気」や「死亡」に備えるだけではない。人生100年時代のあらゆる不安に寄り添う「最強の武器」として活用しない手はないのだ。

※女性セブン2025年5月8・15日号

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