
「本当にいい子でしたよ。みんなと気さくにしゃべる子で、あの子がいると、その場がパッと明るくなるんです。いまは悔しくて……怒りが湧いてきます」
神奈川県川崎市の住宅で一部が白骨化した遺体となって見つかった岡崎彩咲陽さん(享年20)の弔問に訪れた友人は、言葉をしぼり出すようにこう語った。
5月3日、彩咲陽さんの遺体を遺棄したとして、元交際相手の白井秀征容疑者(27才)が逮捕された。
「彩咲陽さんは昨年12月から行方がわからず、家族や友人らがSNSに彼女を捜すためのアカウントを開設し、情報を集めていました」(岡崎家の知人)
そんな周囲の願いも虚しく、彩咲陽さんは白井容疑者の自宅から変わり果てた姿となって発見された。彼女は生前、白井容疑者からのストーカー被害を何度も訴えていたという。

「県警の記録によると、彩咲陽さんは昨年6月に『彼氏とけんかになった』と通報。さらに9月には彩咲陽さんの父親・鉄也さんから『娘が元カレから暴力を受けた』と通報があり、被害届も受理されています」(全国紙社会部記者)
ただし、県警によると彩咲陽さんと白井容疑者は9〜12月においては復縁しており、相談については“カップルのいざこざ”と認識していたという。
「実際、9月に出された被害届は、彩咲陽さんが『事実と異なる説明をした』として取り下げたそうです。そのため警察は両者の家族とも話をするなど、『必要な措置を講じてきた』と主張しているのです。ただ、結果として彩咲陽さんは亡くなっており、県警にも責任の一端があるのは間違いない」(前出・全国紙社会部記者)
遺族はこうした警察の説明に反発。彩咲陽さんの父は支援者とともに警察署を訪れ、「事件性がない、被害実態がないとして対応してくれなかった」と猛抗議。一時は複数人が署内になだれ込む事態となった。警察と遺族との間の溝は深まるばかりだ。
「白井は顔にタトゥーを刻み、ラッパーグループの一員として活動していたこともある。彩咲陽さんと出会ったのは、建設会社でとび職として働いていた頃でした。ただ、交際が始まった当初から暴力を振るい、彩咲陽さんを激しく束縛して支配しようとしていたようです」(白井容疑者の知人)

その後、無断欠勤を繰り返して会社をクビになった白井容疑者。収入を失った彼が頼ったのが母親だった。
「最近は定職に就く様子もなく、母親に依存して暮らしていたようです。母親は白井容疑者を溺愛していたともいわれ、彩咲陽さんとのことも知っていたとみられています。実際、遺体を遺棄していたのも母親が暮らす実家。司法解剖の結果、遺体は死後1か月以上が経過しており、見つかったのは、家族が食事をする部屋の床下でした。白井容疑者の母親は長期間、遺体とともに生活していたことになります。
状況から見て、母親もなんらかの事情を知っている可能性は高いでしょう」(前出・全国紙社会部記者)
彩咲陽さんが行方不明になってから約4か月。最悪の展開を迎えた事件の背景には、神奈川県警の失態だけでなく、白井容疑者と母親との歪な関係も影響していたようだ。
※女性セブン2025年5月22日号