
嵐としてファンの前でラストライブを開催することは、ほかの4人のメンバーとの当初からの約束でもあった。
「2017年に大野さんが嵐からの脱退を申し出て、メンバーで解散か、活動休止かの話し合いをしていたときも、議題になったのはグループとしての終止符の打ち方でした。
大野さんは事務所を退所することも考えていたそうですが、ひとりでも抜ければ嵐ではないというのがメンバーの総意。コロナ禍のため活動休止前に有観客のライブが開催できなかったことが彼らの心残りで、ラストライブで有終の美を飾ることを誓い合ったといいます」(前出・芸能関係者)
反面教師となったのは、悲劇的な終わり方をした大先輩のSMAPだ。1991年にデビューして以降、四半世紀にわたって芸能界のトップを走り続けたSMAPは、2015年に表面化したメンバーの分裂・独立騒動を経て2016年末に解散。最後に5人でライブを行うこともなく、NHK紅白歌合戦のオファーも辞退し、メンバーがバラバラになったまま、それぞれが別の道を歩んだ。

思い起こされるのが、2018年12月に中居正広(52才)が、滝沢秀明(43才)に伝えた言葉だ。当時、中居は司会を務めていたバラエティー番組『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)で、タッキー&翼の解散を控えていた滝沢に、自身の後悔を口にした。
「ぼく個人は(幕引きを)怠った人間で、『。(マル)』を打てなかった。どうか2人には、ファンの子に……。いままで応援してくれた人たちってすごく大事だから。その人たちが次に進めるように……」
当時、グループの今後について話し合っていた嵐には自分たちに向けられた言葉にも聞こえたのだろう。
「長年アイドルとして活動を続けることに限界を感じていた大野さんも、SMAPの解散には思うところがあったようです。一度は黙って引退することも考えたそうですが、SMAPの状況を見て思いを改めた。ファンを悲しませるような終わり方だけは絶対にしてはならないと5人で話し合ったそうです」(前出・芸能関係者)
(後編へ続く)
※女性セブン2025年5月29日号