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沢田亜矢子、コロナ禍で出会った“コーラス”が生きがいに「芸能人という見栄は捨てて楽しみたい一心」 歌うことは“生きている証” 

今の生きがいを語ってくれた沢田亜矢子
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人生100年といわれる時代。まだまだ長い第二の人生、せっかくなら好きなこと、一生懸命になれることを見つけて生きていきたい。自分を夢中にさせる「趣味」や「人とのつながり」は生きる活力となり、健康寿命を大きく延ばしてくれるはずだ。俳優・タレント・歌手の沢田亜矢子(76才)に、いま夢中になっている「生きがい」について聞いた。

コロナ禍でそれまでの生活が一変したのを機に、「生きていてよかったと思える趣味と出会えた」と、沢田は語る。

「コロナで仕事が全滅して人が集まるところにも行けなくなり、“これから死んでいくのみだ”と思い詰めていたとき、友人に誘われて自宅の近くにある高齢者施設に行ったんです。そこで一般のかたがたと一緒に日舞やコーラス、輪投げなどさまざまなレクリエーションをやることが楽しくなって、週に何度も通うようになりました。“私は芸能人”との見栄は捨てて、ただただ楽しみたい一心でした」(沢田・以下同)

国立音楽大学声楽科中退の沢田がとりわけ熱心に参加したのがコーラスだった。

「最高年齢90才以上、平均80代のグループで、昭和歌謡、フォーク、唱歌など何でも歌いました。まだメンバーのなかでは若い私がいろいろとお手伝いし、やがて合唱の指導や発表会の指揮者を任されるように。完全なボランティアですが、そこでのコーラスが私の生きがいになりました」

『歌声カルテット』のメンバーとともにステージに立った沢田亜矢子
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施設で活動するなか、2人のクラシック歌手とピアノ・バイオリン奏者で構成するグループ「歌声カルテット」を知ったことがまた新たな転機となった。

「何も知らずコンサートに行ったらものすごいクオリティーで、年間200公演のどれも満席と聞き圧倒されました。何度かコンサートに通ううちにメンバーと仲よくなり、CDを一緒に出すことになったんです」

6月4日に発売された『小さい花』はオリコンの週間演歌・歌謡ランキング9位に入った。思いきって若い歌手との共演に挑戦してよかったと快挙を喜ぶ。

「キャー、もう!っていう気持ちです(笑い)。33才と40才の若い歌手と一緒の舞台で足手まといにならないように熱唱すると、記憶力も声もよみがえって元気になります。ただのおばさんがコンサートに行って追っかけをしていたら、棚からぼた餅が落ちてきました」

芸能生活50周年記念にオリジナル曲のCDを自主制作。手売りに初挑戦した
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そう笑う沢田にとって、歌うことは「生きている証」だという。

「歌という趣味があると、毎日の生活で発声練習をやるようになります。昔に比べて衰えているから“ああ悲しい”と嘆きつつ、老体にむち打って過酷なスケジュールをこなしています。年齢を重ねると『明日はこれがあるから楽しみ』と言える目標を持つことが生きている証になると思う。その対象は何でもいいけど、私にとっては歌なんです」

いくつになっても目標を持って生きるために大切なのは健康にほかならない。

「年齢に限界はないと考えてはいるものの、やはり80才になったらいまのようには歌えないかもと思うこともあります。できるだけ長く、そして楽しく歌えるように健康でいなくちゃと思いますね」

【プロフィール】
沢田亜矢子(さわだ・あやこ)/1949年北海道出身。1973年『アザミの花』で歌手デビュー。今年6月にCDを発売し、歌手として精力的に活動している。

※女性セブン2025年7月3・10日号

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