
遠野さんは、1985年に6才で子役としてデビュー。1995年のTBS系ドラマ『未成年』で注目を浴び、19才だった1999年のNHK朝の連続テレビ小説『すずらん』のヒロイン役で、有名女優の仲間入りを果たした。
ただ、華やかな経歴の裏には、壮絶な現実があった。幼少期から両親に児童虐待を受け、母親には育児放棄もされて、中学校でもいじめに遭っていた。15才ごろからは摂食障害を発症して、16才で自殺未遂を図るなど、苦しみ続けた半生について、2013年と2014年の自伝本で告白していた。
成人してからも、アルコール依存症や強迫性障害を患い、結婚も2009年、2014年、2023年と3回経験。しかし、いずれも、わずか72日、55日、14日間で離婚と、幸せをつかむことはかなわなかった。2022年には、長く絶縁していた実母が亡くなったと明かした。自分も苦難続きで、パブリックイメージでも“恋多き女優”、“心身の不安定さ”が定着してしまっていた。
その行く末を案じていたはずの愛猫を残しての孤独死で、人生の幕を閉じてしまった。あまりにさびしい結末に、遠野を知るあるバラエティー番組の関係者は「シニカルで変わり者と捉えられていた遠野さんでしたが、“人生がうまくいかない人間”の代弁者でもあった。ご自身の日々の苦しみを包み隠さず明らかにされていたので、それを生きるエネルギーにも変えられているものと思っていました。だからこそ、志半ばで逝かれてしまったであろうことが、本当に悔やまれます」と肩を落とした。
遺体発見直後から、遠野さんの無事を祈っていた彼女のインスタグラムのフォロワーたちも悲しみに暮れている。
「インスタのフォロワーには、遠野さんに共感していた人たちが多く、嘆きのコメントが書き込まれています。猫ちゃんが無事に保護されていたことはせめてもの救いです」(前出・バラエティー番組関係者)
もしも、死してなお魂が存在するならば、天国の遠野さんは今、どんな思いで下界を見やっているのだろうか。