
信じたくなかった訃報がついに届いてしまった。7月17日、遠野なぎこさんのブログを親族が更新、遠野さんが45才で亡くなったことを明かした。「遠野なぎこ 親族一同」名義で、遠野さんが亡くなったこと、そして「故人の名誉のため、死因についてもご説明申し上げます。現在、警察の見解によりますと、事故によるものであり、自死ではございません」とした。
遠野さんについては、7月3日、都内の自宅兼事務所で女性の遺体が発見されていたが、その時点で死後数日経っており、腐敗も進んでいたことからDNA鑑定が行われることとなっていた。ある捜査関係者によれば、「DNA鑑定に時間がかかることはあるが、2週間もかかることはめずらしい。親族が発表までいろいろと準備をされていたのかもしれない」と語った。
遠野産の公式インスタグラムでは、毎日のように愛猫や自炊料理の写真を投稿されていたが、6月には心身の不調と摂食障害や睡眠障害に苦しむ現状を告白。激やせした様子をコメント欄で指摘されることへの辛さも吐露して、同月下旬には訪問看護を受けることを表明。6月26日の投稿では、そのための事前オンライン診療を受けたところ「私、うつ病なんだって」と、辛い診断を下されて、ショックを受けながらも処方箋をもらったことを明かしていた
「シンドイけど、前向きにいきましょっ!! それしかないじゃんっ」などと、自らを奮い立たせるような書き込みを続けて、「(愛猫の愁くんには)ニャン生を遠慮なく謳歌して欲しいから。あたしゃ、まだまだ生きるぞ」と、笑顔のスタンプやハートマークを交えて、必死に前向きになっている様子が、文面からも伝わっていた。
最後の投稿となったのは、6月27日。
「みなさん、こんばんは、遠野なぎこです。今、鳥もも肉の照り焼きを作っております。おいしそう。明日これをね、サンドウィッチに入れたいんだよね。おいしそうだよね、照り照り。本当はハチミツを入れたかったんだけど、ハチミツのビンが空かなくって、ふたが。う~ん、お砂糖にしました、しょうがないね。じゃあ、みなさんゆっくり休んでね~、バイバイ」
卵焼き用のフライパンで、たった3切れだけの鳥もも肉を調理して、か細い声を絞り出しながら、最後は自分のピースサインを映した動画だった。そこから約1週間も投稿がストップしたために、ファンからは「なぎちゃん、大丈夫かな? とても心配しています」、「投稿ないですが大丈夫ですか」などと、身を案じるコメントが届いていた。

遠野さんは、1985年に6才で子役としてデビュー。1995年のTBS系ドラマ『未成年』で注目を浴び、19才だった1999年のNHK朝の連続テレビ小説『すずらん』のヒロイン役で、有名女優の仲間入りを果たした。
ただ、華やかな経歴の裏には、壮絶な現実があった。幼少期から両親に児童虐待を受け、母親には育児放棄もされて、中学校でもいじめに遭っていた。15才ごろからは摂食障害を発症して、16才で自殺未遂を図るなど、苦しみ続けた半生について、2013年と2014年の自伝本で告白していた。
成人してからも、アルコール依存症や強迫性障害を患い、結婚も2009年、2014年、2023年と3回経験。しかし、いずれも、わずか72日、55日、14日間で離婚と、幸せをつかむことはかなわなかった。2022年には、長く絶縁していた実母が亡くなったと明かした。自分も苦難続きで、パブリックイメージでも“恋多き女優”、“心身の不安定さ”が定着してしまっていた。
その行く末を案じていたはずの愛猫を残しての孤独死で、人生の幕を閉じてしまった。あまりにさびしい結末に、遠野を知るあるバラエティー番組の関係者は「シニカルで変わり者と捉えられていた遠野さんでしたが、“人生がうまくいかない人間”の代弁者でもあった。ご自身の日々の苦しみを包み隠さず明らかにされていたので、それを生きるエネルギーにも変えられているものと思っていました。だからこそ、志半ばで逝かれてしまったであろうことが、本当に悔やまれます」と肩を落とした。
遺体発見直後から、遠野さんの無事を祈っていた彼女のインスタグラムのフォロワーたちも悲しみに暮れている。
「インスタのフォロワーには、遠野さんに共感していた人たちが多く、嘆きのコメントが書き込まれています。猫ちゃんが無事に保護されていたことはせめてもの救いです」(前出・バラエティー番組関係者)
もしも、死してなお魂が存在するならば、天国の遠野さんは今、どんな思いで下界を見やっているのだろうか。






