エンタメ

映画『国宝』、市川團十郎もYouTubeチャンネルで絶賛 タイパ重視のなかで上映時間3時間、“時代逆行”ヒットの底力 

吉沢亮が主演を務める映画『国宝』について語った市川團十郎
写真5枚

“今年最大の注目作”の呼び声のもと、6月6日の公開から2か月が経過しても、各地の劇場で観客たちを感嘆の渦に巻き込み続ける映画『国宝』。芸道の業と奥深さを追求した超大作は、映画史に名を刻む大台を見据える。

「8月3日の段階で、観客動員数が600万人を超え、興行収入も85億円を突破しました。国内実写映画としては、すでに興行成績トップ10入りを果たしています。今後は実写映画では『南極物語』(1983年)や『踊る大捜査線 THE MOVIE』(1998年)など過去に3作品しか達成していない、興行収入100億円の大台到達が目標です」(大手映画会社関係者)

興行成績とともに特筆すべきはその上映時間だ。

「通常、劇場で1日に上映できる回数が減ってしまうことから、長時間の作品は興行収入の面では不利だといわれますが、『国宝』の上映時間は約3時間。製作段階で、ある幹部が『いい作品だとしても、もっと上映時間を短くしないと、興行収入が上がらないのではないか』と意見したそうですが、見事に定説を打ち破りました。

タイムパフォーマンスという言葉とともに、何かと効率が重視されがちな昨今ですが、時代に逆行しながらも作品の底力で大ヒットをものにしたのです」(前出・大手映画会社関係者)

圧巻の演技をする吉沢(映画『国宝』公式インスタグラムより)
写真5枚

業界関係者もその完成度に舌を巻くが、そんな作品に魅了され、歌舞伎界の大物も“助っ人”として緊急参戦した。

「歌舞伎役者の市川團十郎さん(47才)が、自身のYouTubeチャンネルで『国宝』を絶賛したのです。團十郎さんは、歌舞伎界を代表する御曹司で、将来的には“人間国宝”を見据える存在です。彼の発信力も大いに作品を後押ししています」(芸能関係者)

原作者の吉田修一氏が3年間も歌舞伎の黒衣を経験して構築した世界観は映画でも健在だ。

「吉沢亮さん(31才)はじめ全員が本気で歌舞伎と向き合っていた」と語る團十郎は、横浜流星(28才)演じる名門の御曹司に自身のことを重ね合わせながら鑑賞したそうだ。

「彼のせりふが身にしみて『痛かった……』とまで語っていました。映画からは“歌舞伎の家に生まれたこと”と、“歌舞伎の家に生まれずにして『歌舞伎を愛する』ということ”の2つを改めて考えさせられたそうで、『子供たちにも鑑賞させたら、目の色を変えて帰ってきた』と喜んでいました」(前出・芸能関係者)

梨園からのお墨付きを得て、『国宝』は伝説を目指す。

※女性セブン2025年8月21・28日号

関連キーワード