【7】SNSから一定期間離れる
「情報が多すぎると悩みが増幅します。心が乱れているときはSNSから距離を置き、テレビも消して、心の静けさを取り戻しましょう」

【8】他人と比較する「クセ」に気づく
「他人と比較するクセに気づく」ことも、心を乱されない練習になる。
「ほとんどの悩みは人間関係だともいわれます。他人と比べて落ち込んだり怒ったりするとき、妄想が増幅している可能性を考えましょう。比較すべきは『過去の自分』。悩みがちな人は自分に厳しいので、自分の進化に気づかないことが多いのですが、『あの頃の私は○○ができなかったけれど、いまの私はできるようになっている』と進化に気づき、認めてあげること」
【9】悩みを「成長の証」と考える
どんな人にも悩みはある。それを無理に消そうとするから“負のループ”にハマってしまう。
「悩みは、裏を返せば『現状を改善したいから生まれるもの』ともいえますよね? そう考えると、悩みは成長のチャンスかもしれません。
悩み事に蓋をするのではなく、『どうしたらよくなれるだろう』と考えるようにすると、挑戦する勇気が育ちます」
【10】感謝のタネを探す
最後は「感謝のタネを探す」ことだ。
「つまり、『ありがとう』と言うクセをつけるのです。悩みが多い人はネガティブな言動が増えるので、とにかく『ありがとうと言うぞ』と決めるのです。そう考えた瞬間に、脳が『ありがとう』を言う理由を探しに行くため、思考のアンテナが感謝の方向に転換します」

「ありがとう」と言うとき、言う側も、言われる側にも幸せな感情が生まれるため、出し惜しみするのはもったいないという。
「そして、悩んでいるときこそ、人の悪口を言わないようにして。また、噂話をうのみにせず、他人の評価をしないようにしましょう」
まずは「悩んでいる自分は変化の途上だ」と受け入れてみると、心が軽くなるかもしれない。
◆河合塾KALS講師・宮川純さん
心理系大学院受験対策講座・公認心理師資格試験対策講座を担当。日本心理学会所属。近著(共著)に『こころの道具箱 臨床心理学エッセンス203』(KADOKAWA)がある。
◆教えてくれたのは:メンタルコーチ・一条佳代さん
株式会社「Vision Navigation」代表、ネクストコーチングスクール主宰。「一歩を踏み出す勇気が出る」コーチングセッションで人気。近著に『行動力神メソッド55』(三笠書房)。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2025年9月4日号