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フジテレビ「50億円訴訟」で予想される中居正広“最悪のシナリオ” 「忖度する理由はもはやない」トラブルの全てを知る元編成部長が法廷暴露の危機 

廃業予定だった個人事務所を残している中居正広
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かつて業界の盟主だったフジテレビが、前経営陣を訴えた。元国民的アイドルにも訴訟の影がちらつき、さらには、すべてを知るかつての盟友によって、“あの日起きたこと”の全貌が白日の下に晒される可能性も浮上して──前代未聞の巨額裁判の内幕を徹底レポート。

《フジテレビの港浩一元代表取締役社長、および大多亮元専務取締役に対して、損害賠償請求訴訟を提起しましたので、お知らせいたします》

8月28日、フジテレビの親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(以下、FMH)が発表したリリースには、かつてない巨額請求の金額が躍っていた──。中居正広(53才)と元フジテレビの女性アナウンサーとの間に発生したトラブルは、想定外の法廷闘争に発展した。

「今年6月の会見で、FMHの清水賢治社長は、港氏と大多氏への法的措置を示唆していましたが、宣言通り、本当に前経営陣を訴えました。発表によると、事案の重大性を考慮すれば、両氏には事実関係の調査と専門家の助言を集める責任があり、さらに内規ではこうしたケースにおいては、コンプライアンス担当役員らによって、対策チームを設置することが想定されているそうです。

港氏らはこの義務を怠ったとされ、一連の善管注意義務違反により、フジテレビが被った損害額は、およそ453億円。訴訟ではその一部として50億円を両氏に請求しています」(フジテレビ関係者)

フジテレビに提訴された港氏(時事通信フォト)
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今回の騒動の大本、中居と元女性アナウンサーとの間でトラブルが起きたのは2023年6月のこと。その直後、元女性アナウンサーの上司や、中居に近しい局員の中にはトラブルの実態を把握していた者もいたが、当時のフジ上層部はこの一件を“プライベートな男女間のトラブル”と判断。こうした対応には局内外から批判の声が集まっていた。

「フジテレビが設置した第三者委員会が公表した調査報告書によれば、港氏と大多氏は、当時の編成局長とともに、2023年8月から9月にかけて、事態の把握と対応協議を進めたとされます。しかし、3人は一貫してプライベートの延長上のトラブルと捉え、拡散を防ぐために、コンプライアンス推進室への情報共有もしませんでした。

この点は、調査報告書の中でも《港社長ら3名の性暴力に対する無理解と人権意識の低さが見て取れる》と糾弾されています」(前出・フジテレビ関係者)

フジテレビの黄金時代を体現していた2人。元カリスマテレビマンも、最近では失意の時を過ごしていたという。

「港氏も大多氏も、退職後はフジテレビとの正式な交流はなかったようですが、賠償請求が巨額になるという温度感は感じ取っていた。自宅や財産をすべて処分しても、用意できる金額には限界がある……』と、困惑した様子で周囲に相談していたそうです」(別のフジテレビ関係者)

中居に忖度する理由はもはやない

50億円裁判の行方とともに注目を集めるのが、この裁判が中居の身にも波及するかどうか。そして、これまで明かされていない新事実があるのかということだ。

「裁判が中居さんにも飛び火して、彼が賠償請求の対象になる可能性はゼロではない。実際、清水社長は6月の段階で、中居さんへの訴訟について報道陣に聞かれると、『すべての選択肢を残したままである』と述べ、可能性を否定しませんでした。前経営陣を訴えたということは、中居さんへの法的措置が今後準備される可能性もあるということではないか」(芸能関係者)

とはいえ、フジテレビ側にもリスクはある。

「中居さんを訴えれば、中居さんにとっては“性暴力者”のレッテルを払拭するための闘いにもなる。中居さんサイドは必然的に“あの日、なにがあったのか”を明らかにするしかなく、結果として、元女性アナウンサーのプライバシーを侵害する可能性は拭いきれません」(前出・芸能関係者)

背水の中居にとって法廷闘争は、汚名返上の機会でもある。しかし、その“切り札”は彼だけのものではなく、さらに別のキーマンの存在も浮かぶ。中居のかつての盟友にして、トラブルのすべてを知る立場にいた元編成部長のA氏だ。

「関係者の間では、A氏がフジテレビ側の証人として、陳述書を提出したり、証言台に立ったりする可能性がまことしやかに語られています。4階級降格の処分を受けたとはいえ、彼は退職勧奨や懲戒解雇にはならず、会社に残る道を選んだ。現在は子会社に出向し、ニューヨーク赴任を待つ身だとか。

A氏からすれば、フジテレビに恩義を感じる一方で、芸能界を引退した中居さんに忖度する理由はもはやありません。すべてを知る人物だけに、中居さんにとって都合の悪い事実が明らかになる可能性もある。中居さんにとっては、かつての盟友による法廷暴露の危機に立たされ、まさに想定外で最悪のシナリオです」(前出・芸能関係者)

騒動以後も中居と生活を共にし、そばで支え続けるMさん(2025年1月)
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今回のFMHによる巨額賠償請求について、岡野法律事務所の伊倉秀知弁護士はこう解説する。

「損害賠償の請求というのは、まずは損害ありき。回収できるかできないかは関係ありません。一連の事案では、当時の経営陣による意思決定によって、会社に経済的な損害が出た可能性がありますので、会社としては、その責任追及をする義務があるわけです。

そもそも、会社の社長や取締役などの経営陣は、会社に対して損害を与えた場合、その賠償をする責任があります。現経営陣にとっては『責任をきちんと追及していますよ』、『過去の体制とは決別していますよ』というアピールをすることに意味がある。株主らからの追及を免れるためにも、避けられない選択だったのです」

さらに、裁判の着地点や中居への波及についてはこう続ける。

「ケースによっては和解することもありますが、いまのフジテレビでは、中途半端に和解をすると、敵対的な株主につけ込まれて攻撃される可能性もあるのではないか。また、裁判で中居さんの存在が争点になるかどうかは現段階では明らかになっておらず、いまのところは判断できません」

中居自身は、いまも表立った行動を見せていないが、前出の芸能関係者はこう語る。

「賠償となれば、中居さんのダメージも少なくない。ただ、個人名義で所有する不動産などを会社名義や、長年の恋人であるMさん名義にすれば、資産を守ることも可能です。当初は早々に廃業する予定だった個人事務所を存続させているのも、今後に向けて、中居さんも“あらゆる選択肢”を残しているからではないか」

騒動決着の先行きは、いまだ不透明だ。

※女性セブン2025年9月18日号

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