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《加藤ローサの離婚告白で注目》夫による“静かなパワハラ”問題 暴力・暴言はなくても存在そのものが相手を支配、“自分はできる夫”と思っているからこその厄介さ

バラエティー番組で離婚を告白した加藤ローサ
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家事や育児に協力的で、妻思いの“いい夫”──周囲からそう評判の夫に何か違和感を覚えることはないだろうか。ハラスメントは暴力や暴言を伴わなくても成立する。加藤ローサ(40才)の決意に共感したあなた、夫の“静かなるモラハラ”に遭っているかもしれません。

「先に言った方がいいかなって思って」。8月17日放送のバラエティー番組の冒頭で加藤ローサがそう口を開き、紡いだ言葉は、夫であるサッカー元日本代表・松井大輔(44才)との離婚報告だった。「いまは籍を抜いていて」「離婚してて」「(夫婦の)関係性が変わっていったって感じかなぁ?『カタチが変わっちゃったねぇ』みたいな感じですかね?」と淡々と話し、「2人の共通の思いで、やっぱり『お父さんっていう役割と、お母さんという役割は果たしたいね』」という気持ちから、現在は同居を続けているものの、「永久的に一緒に住むことはないと思う」と今後についてきっぱりと語った。

世間を驚かせたのは離婚という事実そのものではない。その後にVTR出演で登場した松井の「紙(離婚届)の問題だけ」「自分としては変わらない」という無自覚さ、そして次々明らかになる松井の“天然すぎるモラハラ”ぶりだ。

相手の感情を理解しない自己満足型モラハラ

リアルタイムで番組を見ていたAさん(50才・女性)が話す。

「加藤さんは番組で“彼は自分の好きなことだけを追いかけているタイプで、ずっと変わらない”“籍が入っているといい妻でいないとと思っちゃう”と話していて、あれ、と思ったんです。なんだか私も一緒だなって。別に夫から“いい妻でいてほしい”とか、“ああしろこうしろ”と言われているわけじゃないのに、なぜかいつも気が張っていて。友人からは、稼いでくれて家族の時間も大事にするいい旦那さんと言われているけど、夫にはいつも、私の本当の気持ちが伝わらないなって思ってしまうんです。

その後のニュースやSNSで、松井さんが“モラハラ”って言われているのを見て、私もモラハラを受けているのかも?とざわざわしています」

夫婦問題研究家の岡野あつこさんが語る。

「モラハラは一般的には、暴言を吐くとか物に当たるとか、そういうイメージを持たれがちですが、実際は“静かなモラハラ”も多いんです。例えば、“俺が稼いでいるから俺の方が立派だ”という不遜な態度で、相手の気持ちを無視したり、自分の思うように仕立て上げてしまう。暴力や暴言はなくても、存在そのものが相手を支配する構図になっているケースです。松井さんは番組で“紙(離婚届)の問題だけ”と言っていましたが、これは相手の感情を理解しようとしない、相手が離婚を思い詰めて離婚届に判を押したっていう、相手の感情を理解してない無神経さが垣間見えてしまう。無理解、無関心はモラハラのグレーゾーンです。

でもそれは、本人としてはまったくもってそんなつもりはなくて、むしろ家事をしたり育児をしたりしていることも多く、“できる夫”とすら思っているから厄介なんです」

指輪をアピールするも表情は物憂げだ(インスタグラムより)
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実際、加藤の離婚発表後、過去のインタビューなどで出た2人の言葉が話題だ。

《『ママがやればいいじゃん。俺たちの世話をするのは当然でしょ』みたいな、家庭内の序列が低いのを変えていかないと(笑)》(2021年・加藤)

《とにかく“俺様”な人なので。一緒に住んでみて、想像以上に俺様だった》

(2022年・加藤)

《(料理上手な加藤を褒め)でも、僕もせっかく料理をマスターしたので、たまにやるのもいいですね。何しろ僕は『イクメン』なので。そう、『育児をするメンズ』です》(2011年・松井)

《以前「イクメン(育児をする男)」と言いましたが、その点に関しては順調です。おむつも当然のように替えてますし、お風呂に入れるのも僕の役目。ちゃんと抱っこ帯も持ってますから》(2013年・松井)

加藤は育児と仕事の両立にも悩んでいたと番組内で語っている。結婚後、夫の帯同を優先し仕事をセーブし続けてきたことも離婚の大きな要因になったのだろう。岡野さんが続ける。

「松井さんは、“自己満足型モラハラ”ともいえるかなと感じます。特徴は、家族のためと言いながら実は、自分の満足のために行動すること。例えば家族旅行でも、自分が行きたい場所に連れて行ったことを、家族孝行と思い込むとか。妻がありがとうと言わないと、感謝が足りないと責めるとか。つまり、俺がこれだけやってやった、という押し付けだったりします。

報道で、加藤さんが“つけて行くところがない”と言ったダイヤの指輪をプレゼントしたことも注目されていましたが、せっかく俺が買ったんだから、こんなに高いもの買ったんだから、毎日つければっていうふうに却下されちゃって、もうこれって結構なモラハラで、押し付けモラハラです。だけど、周囲からは高額なプレゼントもくれて、旅行にも連れて行ってくれてって思うでしょうから、なかなか違和感を理解されにくい。モヤモヤを夫に伝え続けているのに理解してくれないと悩む50~60代の女性はとても多くて、夫婦なのに孤独感や不安感をもっています。加藤さんの同居してても離婚という“反逆”は、現代の夫婦関係に風穴を開けたんじゃないかなと思いますね」

※女性セブン2025年9月25日・10月2日号

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