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歴史深い東京・文京区にある「傳通院」で、9月10日、歌手・橋幸夫さん(享年82)の告別式が営まれた。約600人が参列し、前日の通夜と合わせて約1300人が橋さんとの別れを惜しんだ。
橋さんの所属事務所「夢グループ」の石田重廣社長が語る。
「最近、芸能界では密葬や家族葬で弔ったあとに、『お別れの会』を開くことがありますが、橋さんは“自分の葬式は、できるだけ堂々とやってもらいたい”という考えを、生前話していました。ですので、マスコミの皆さんにもオープンにし、親交のあった人にはできるだけお越しいただけるよう広く声をかけさせていただきました」
その結果、一部ものまね芸人の登場で物議を醸すことになってしまい、橋さんも天国で苦笑いしていることだろう。祭壇は静岡・熱海の自宅から見えたという富士山をイメージしたもの。何度か自宅を訪れたことのある石田社長は「橋さんはよくベランダに出て、遠くを眺めていた」と回想する。また、「道」のモチーフも祭壇で表現された。音楽関係者が明かす。
「橋さんは、書をしたためるときに『心』『愛』『道』の3文字を好んで描いていました。ファンからサインを求められたときに、色紙に書くこともありましたね。
特に『道』はお気に入りで、書くときは“太くても細くても、そこに道があり、それが人の生き方”と、どんな道でも人生を前を向いて歩むよう説いていました。その言葉に心打たれた人も多くいると思います」
歌手生活45年の間に、橋さんは多くのヒット曲を世に送り出した。だがそれ以上に、橋さんが人々の心に残した功績は計り知れない。