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《最上級のおもてなし》雅子さま「アラブ首長国連邦の大統領来日」に心尽くす 前回の中東訪問は阪神・淡路大震災直後で日程切り上げ、30年越しの心残りを晴らす好機に

1994年、サウジアラビアの「赤い砂漠」でグリーンの衣装をお召しになった雅子さま(写真/アフロ)
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 そもそも雅子さまにとって中東は、ご成婚時代の思い出が詰まった特別な地だという。

「外交官だった雅子さまは陛下のプロポーズを受け、“皇族の立場で国際親善に力を尽くしたい”と皇室入りされました。そんな雅子さまの初の海外訪問先が、UAEを含む中東7か国だったのです。

 アラブの王室は伝統的に親日的だったものの、それまでは欧州の王室と比べて皇族方の行き来が限られており、当時懸案となっていた。そこで計画されたのが、両陛下の中東歴訪でした。アラブ諸国との交流における新たな担い手として、雅子さまは大いに期待されていたのです」(皇室ジャーナリスト)

 ただ、一度に7か国を巡ることは日程的に難しく、1994年と1995年の2回に分けて訪問されることになった。

「1994年、ご成婚から1年半後の最初の中東訪問は“ハネムーン”と言われ、国民に鮮烈な印象を残しました。10日間かけて、サウジアラビアなど4か国を歴訪。雅子さまは元外交官のプリンセスとして世界的にも注目を集める存在で、通訳なしで会話される堂々としたお姿は、現地でも注目を集めました。装いも華やかで、グリーンのスーツをまとった雅子さまが砂漠を悠然と歩かれた様子はいまでも語り継がれています」(前出・皇室ジャーナリスト)

 しかし、前年に引き続いて予定されていた2度目の中東訪問は、予期せぬ事態に見舞われた。

「ご出発の3日前に、阪神・淡路大震災が発生したのです。海外訪問は相手国側の都合もあるため、簡単に中止することはできません。最終的には予定通り出発することになりましたが、雅子さまは直前の会見で、『向こうに参りましても、国内で苦しんでいる方々のことを忘れず、一刻も早く立ち直られることを日々祈りたいと思います』と絞り出すように語られました」(前出・皇室ジャーナリスト)

 災害に苦しむ国民に寄り添いたいという思いと、国際親善の担い手としての責任というジレンマに、心を痛められていた雅子さま。UAEに到着後、当時の皇太子から被災者へのお悔やみと見舞いの言葉が伝えられた。

「最終的には、最後の訪問国となったヨルダンの特別な配慮によって、日程を2日早く切り上げるという異例の訪問になりました。そうした経緯もあり、アラブ諸国との国際親善には長年、心残りもあったでしょう。年明けの国賓接遇は、雅子さまにとって悲願とも言えます。30年前に“やり残した”分も含め、心を尽くしておもてなしされるはずです」(前出・皇室ジャーナリスト)

女性セブン20251218日号

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