
12月に入り、街はすっかりクリスマスムード。今年も残すところ1か月となるなか、「やっぱり最後はお肉でパワーチャージを!」ということで、一年の締めくくりにふさわしいNY発のステーキハウスを大紹介。ドライエイジングで乾燥熟成させ、高温で焼き上げるのが特徴のNYステーキは、今年一年のごほうびにぴったり!



※特集内の価格には、別途サービス料10%がかかります。
【1】海外セレブにも人気の名店は「2つの味」で勝負!「エンパイア ステーキハウス 六本木」
まずは、「エンパイア ステーキハウス 六本木」。ステーキハウスの老舗『ピーター・ルーガー』で、25年以上の修業を積んだ3兄弟“シナナジ・ブラザーズ”が、ニューヨーク・マンハッタンで創業。海外セレブが多数訪れ、安倍晋三元首相が来店したことでも有名で、日本には2017年に初上陸した。
店内に熟成庫を持ち、アメリカより空輸で届く、USDA(アメリカ農務省)の格付け最上級プライムグレードのブラックアンガス牛を21〜28日間、風を当てながらドライエイジング(乾燥熟成)させて旨みを凝縮する。約900℃のオーブンで表面はガリッと香ばしく、中は肉の繊細さを残して、しっとり上品に焼き上げる。
絶妙な焼き加減!フィレふすおいしさ

2つの部位を堪能できるエンペラーステーキ(2名用/3万9600円)。1頭から400〜800gしか取れない希少な最高級部位シャトーブリアン(フィレ肉)と熟成させた芳潤なサーロインを一皿で贅沢に味わえる。まさにステーキの王様!

グルメプレゼンター・橋本陽(はっしー)さんは、「表面はカリッとクリスピーに仕上げながら、中はしっとりなめらか。特にミディアムレアなフィレの焼き加減が絶妙で感動しました! サーロインはとってもジューシーで、熟成肉の力強さも堪能できます。これぞアメリカンステーキの醍醐味ですね!」とコメント。

カナダ産のロブスターや産地の異なる牡蠣を贅沢に盛りつけたシーフード プラッター(6980円)。

エンパイア サラダ(2480円)は、トマトと玉ねぎのサラダに弾力あるベーコンをゴロッとのせて。

なめらかな口当たりのマッシュポテト(1600円)とクリームスピナッチ(1700円)は、不動の組み合わせ。

脂肪分が少なめの生クリームで作るホットファッジサンデー(1500円)は甘さ控えめで口直しのデザートに◎。

「エンパイア ステーキハウス 六本木」
住所:東京都港区六本木6-7-11 カンデオホテル 1F
◆グルメプレゼンター・橋本陽(はっしー)さん
全国1万5000軒以上の店を自腹で訪問し、SNSを中心にリアルなグルメ情報を発信。Instagramのフォロワーは約29万人。YouTube『はっしーのグルメ散歩』も人気。
【番外編】プロが伝授!“おうちで失敗しない”絶品ステーキの焼き方
「エンパイア ステーキハウス 六本木」のシェフ・杉浦崚介さんが、おうちで失敗しない絶品ステーキの焼き方を教えてくれました!

「フライパンで極上ステーキが焼けます!」(杉浦さん)
【1】フォークを刺して筋繊維を断ち切る

厚さ約2cmのアメリカンビーフを使用。焼く30分前に常温に置き、フォークで全体に穴を空ける。筋繊維を断ち切ることで柔らかく仕上がる。
【2】硬い“鬼筋”を取り除く

ステーキ肉の脂身の上部辺りにある“鬼筋”(硬い筋のこと)を包丁で切り落とす。とても硬い筋なので、先に取り除いておいた方が食べやすい。
【3】塩・こしょうを片面に振る

味付けに使うのは、塩、こしょう、にんにく、バター(有塩)、ローズマリー。有塩バターを使うので、塩・こしょうは片面に適量振ればOK!
【4】強火で1分、弱火で1分焼く

フライパンを強火で熱し、バター10gと潰したにんにく2〜3片を入れ、塩を振った面を下にして牛肉を入れる。強火で1分→弱火で1分焼く。
【5】ひっくり返して追いバターを!

片面が焼けたらひっくり返し、バター10gとローズマリー適量を加え、反対側も同様に強火で1分→弱火で1分焼く。焼く間、肉はいじらないこと。
【6】溶けたバターをたっぷりかける

バターが溶けて泡立ってきたら、スプーンですくい、肉にかける。バターの油分で肉の表面をコーティングし、旨みを閉じ込め、コクを加える。
【7】肉を押して焼き加減を確認

肉の表面を指で押して、焼き加減をチェック。今回はミディアムレアに仕上げるため、軽く押して跳ね返るような程よい弾力があればOK!
【8】アルミ箔で包み余熱で火を入れる

仕上げに側面を焼いてから取り出し、アルミ箔で包み、3〜5分置く。余熱でゆっくり火を入れることで、肉汁が溢れないよう肉を休ませる。

【9】できあがり!極上の焼き加減に

【2】大パノラマの絶景と共に味わう至福のステーキ「ウルフギャング・ステーキハウス 高輪店」
「ウルフギャング・ステーキハウス」創業者のウルフギャング・ズウィナー氏は『ピーター・ルーガー』で40年以上、ヘッドウェイターを務めて独立し、ニューヨーク・マンハッタンで2004年に創業。舌の肥えた美食家たちに人気の名店として、約20店舗を世界中で展開する。
ハワイを訪れる日本人観光客にも人気で、ワイキキ店から火がつき、日本には、2014年に東京・六本木に初上陸。たちまちNY発の高級ステーキブームを牽引した。
今年9月には高輪ゲートウェイ駅から直結の『ニュウマン高輪』の29階に新店が登場。お台場を望むダイナミックな眺望と共に味わうステーキは格別で、約3000本を備えるワインとのマリアージュもぜひ楽しんで。

アメリカで流通する牛肉の2%にも満たない、USDA最上級プライムグレードのアンガス牛を、店内にある熟成庫で28日間ゆっくりとドライエイジング。プライム ステーキ(2名用/3万800円)は、熟成によって得られる旨みを活かしながら、約900℃のオーブンで皿ごと豪快に焼き上げる。

ステーキとの相性抜群のマッシュポテト(1760円)とクリームスピナッチ(1760円)。新鮮な生野菜を使ってシンプルに作るため、濃厚な旨みが際立つ。


アシスタントゼネラルマネージャーJSA認定シニアソムリエ・川部正秀さんは「熟成肉には熟成したワインを」、シェフ・石毛薫さんは「塩と澄ましバターでシンプルに味付け」と。

「ウルフギャング・ステーキハウス 高輪店」
住所:東京都港区高輪2-21-1ニュウマン高輪 LINKPILLER1 LUFTBAUM 29F
【3】フレンチビストロの雰囲気を感じる名店「BLT STEAK ROPPONGI」
「BLT STEAK ROPPONGI」の「BLT」は、「ビストロ・ローラン・トゥーロンデル(フランス人シェフの名前)」の頭文字に由来する。
2014年に東京・六本木に日本初出店。他のNY発のクラシックなステーキハウスとは一線を画し、フレンチの流れを汲んだ、モダンで繊細なビストロの雰囲気を融合。最高級の熟成肉に岩塩とこしょうをたっぷり振り、約900℃のオーブンで焦がす直前まで香ばしく焼くのがBLT流だ。

肩ロースとサーロインの間の希少部位・リブアイを骨付きのまま焼いたトマホーク(600g/2万4000円)は、ハーブバターとにんにくのローストを添えて。フランス製『ストウブ』の鉄板で提供する。パクチーとビネガーの効いたチミチュリソースなど7種のソースから2つ選べる。

厚く切った玉ねぎをカラッと揚げたオニオンリング(1400円)は、衣がほんのり甘くてふわふわ。

コーポレートシェフ・羽渕光太郎さんは「塩・こしょうはしっかり。外側はガリッと香ばしく!」と。

「BLT STEAK ROPPONGI」
住所:東京都港区六本木1-6-1泉ガーデン 5F
【4】クラシックなNYスタイルを守り続ける「ベンジャミンステーキハウス 六本木」
「ベンジャミンステーキハウス」は、『ピーター・ルーガー』で働いていたベンジャミン氏が、2006年にニューヨーク・マンハッタンで創業。2017年に東京・六本木に出店し、本店と同じ内装にこだわった店内は、海外客にも大人気。
アメリカより届くUSDA認定のプライムビーフは、栄養価の高いトウモロコシで肥育されるネブラスカ州の牛肉を指名買いする。

店内に熟成庫があり、季節に合わせて湿度や水分量などを調節しながら、シェフが厳しい目で管理。強い風を当て、28日間以上熟成させる。USDAプライム ポーターハウスステーキ(2名用/3万500円)は、ジューシーで力強い肉の旨みをたっぷり味わえる。

ポテトを揚げ焼きしてから、オーブンで外側をカリッと焼いたベンジャミンホームフライ(1760円)。

クリームチーズをたっぷり使用。ねっとりと濃厚な味でヤミツキに。ニューヨークチーズケーキ(1650円)。

エグゼクティブシェフ・一ノ宮義孝さんは「肉1切れは3カットで食べるのがおすすめ!」と。

「ベンジャミンステーキハウス 六本木」
東京都港区六本木7-14-4レム六本木ビル B1F
【5】これぞ王者の貫禄!NYステーキの歴史をつなぐパイオニア「ピーター・ルーガー・ステーキハウス 東京」
135年以上の歴史を持つ『ピーター・ルーガー』は、NYステーキのスタイルを確立した老舗のひとつだが、日本に初上陸したのは2021年のこと。後発ながらその評判は絶大で、瞬く間に高級ステーキブームを再度巻き起こした。
本店と同じドライエイジング、焼き方にこだわるステーキはもちろんのこと、重厚感のある内装や親しみやすい接客も魅力で、非日常を味わえる。

4人のオーナーファミリーが自ら厳選した牛肉が、チルドで空輸される。USDAが定める最上級のプライムビーフを門外不出の方法で28日以上熟成させている。外はパリッと、中はジューシーで、そのコントラストが絶品。噛むほどに旨みが溶け出す。写真は、STEAK FOR TWO(2名用/時価3万8000円 ※2025年12月時点)

クリームドスピナッチ(2000円)とルーガーズ スペシャル ジャーマン フライドポテト(1900円)は鉄板のサイドメニュー。この組み合わせも元祖!

セールスマネージャー・勝田尚樹さんは「特別な日のお祝いにぜひ!」と。

「ピーター・ルーガー・ステーキハウス 東京」
住所:東京都渋谷区恵比寿4-19-19
【番外編】NYステーキの歴史はここから始まった
1887年にニューヨーク・ブルックリンで創業した『ピーター・ルーガー・ステーキハウス』は、アメリカで最も古い歴史を持つステーキハウスの1軒で、現在のアメリカンステーキのスタイルの始まりと言っても過言ではない。

そのひとつが「ドライエイジング」だ。サシが多く入った和牛とは異なり、アメリカの牛肉は赤身で硬い。おいしく食べる方法として、風を当てながら熟成させるドライエイジング(乾燥熟成)の手法を独自に編み出した。熟成させることで肉のタンパク質がアミノ酸に変わり、旨みが増して柔らかくなる仕組みだ。

また、現在は定番となっている、サーロインとフィレ肉を同時に提供する「Tボーンステーキ」もピーター発。皿ごと約500℃の高熱ブロイラーで肉の外側をカリッと焼き、塩と澄ましバターで味付けし、ジューッという音と香りと共に提供するライブ感溢れるスタイルも同店のアイデアだ。
ニューヨークには『ピーター・ルーガー』から独立した新店も多いが、同店は現在も家族経営にこだわり、仕入れから熟成まで、そのおいしさの秘密を大切に守り続けている。
取材・文/岸綾香
※女性セブン2025年12月25日・2026年1月1日号