健康・医療

《家でカンタン若返り!健康寿命を延ばす》長生きに欠かせない4つの力を鍛える1回1分からできる「部屋トレ」8つ

伸びをする女性
1日1分からでOKの簡単トレーニング(写真/PIXTA)
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慢性的な運動不足は筋力や心肺機能の低下などの原因となるほか、転倒リスクを高めてしまう。そんなリスクを防ぎたい。でも外に出て運動するのは億劫。だったら家の中ですぐできるトレーニングを始めよう。

長生きには欠かせない「4つの力」を鍛える

加齢とともに体力の衰えが気になる人は多いだろう。筋力が落ちれば寝たきり、ひいては認知機能低下を招くことにつながる。「寝たきりにならず、いつまでも自分の足で歩いて、自立した生活を送るためには、4つの力(足の筋力、バランス力、柔軟性、握力)が必要です」と順天堂大学大学院医学研究科准教授の横山美帆さんは語る。

「『足の筋力』は30代をピークに徐々に衰えます。次に、『バランス力』が低下して転倒による骨折リスクが高まります。そして、筋肉や腱の『柔軟性』が失われることで関節の可動域が狭くなり、バランスを崩したり、関節痛の原因に。さらに、何かを握る、つかむ、持つために必要な『握力』が弱まると、体全体の筋肉が衰え、将来サルコペニア(※1)やフレイル(※2)につながる恐れがあるのです」(横山さん・以下同)

とはいえ、運動をするために外に出るのはハードルが高いという人も多い。

「家の中でできるカンタンな運動を続けることでも4つの力をつけることはできます。特に、生活習慣病を防ぐには、筋トレなどのレジスタンス運動とウオーキングなどの有酸素運動を組み合わせるのがベスト。これらを無理なく行えるように開発したのが、今回紹介する『部屋トレ』です」

ポイントは「やりすぎず」「適度に」だ。

「運動しすぎると体内で炎症が起こり、かえって逆効果になることがあります。理想は、息が少し上がる程度の運動を週3回(1日20分が目安)程度行うこと。ここで紹介する運動をすべて行えば、1回20分程度の運動量となります。いきなり20分の運動は難しいというかたは、できそうな運動を1つ選んで行い、慣れてきたら徐々に種類を増やしていけば、体の機能改善につながります」

※1 サルコペニアはギリシャ語の「sarx(筋肉)」と「penia(喪失)」を合わせた造語で、加齢や疾患により全身の筋肉量と筋力が減少する現象。

※2 フレイルは、加齢に伴い、筋力や心身の活力が低下した虚弱な状態。

部屋トレ効果を上げる「体ほぐし」

トレーニングを始める前に、準備体操としてこの体ほぐしを行おう。家でぼーっと座り込んでいることに気づいたときに行うだけでも、体がほぐれて動きやすくなる。

「股関節体操」相撲の四股をイメージする

《やり方》

相撲の四股を踏んでいる
股間節体操(イラスト/ひろいまきこ)
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両足を大きく開いて、両手をそれぞれの太ももの上に置き、上体を前に倒しながら、太ももを両サイドに押し出す。つま先は45度くらい外に向けることを意識しよう。

歯磨きの合間にもできる「ふくらはぎ伸ばし」

《やり方》

両足を前後に大きく開き後ろ足を伸ばす。かかとは浮かないようにし、自然な呼吸を行う。両手は腰に当てる。歯磨きしながら行うのも◎。歯ブラシを持たない方の手は腰に当てる。

鏡の前にいる女性
ふくらはぎ伸ばし(イラスト/ひろいまきこ)
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朝日を見ながら伸ばして体を目覚めさせる「側面体操」

《やり方》

「側面体操」
側面体操(イラスト/ひろいまきこ)
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頭上で両手のひらを上に向けて組み、息を吐きながら10秒伸ばす。腕とともに体の両サイドを伸ばすことができるため、起き抜けに行うことで目覚めもよくなる。

足の筋力アップ

「スクワットは下半身を効率よく鍛えられるため、仕事の合間に私もよくやっています。体力に自信がない人は、まずは椅子を使って始めましょう」(横山さん・以下同)

椅子を使ってハムストリングを強化「立ち座り運動」

《やり方》

「立ち座り運動」のやり方1
「立ち座り運動」のやり方1(イラスト/ひろいまきこ)
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【1】椅子に浅く腰かけ、腕を胸の前でクロスさせ、足は肩幅に開く。目線はまっすぐ前に向けて上半身の力を抜く。

「立ち座り運動」のやり方2
「立ち座り運動」のやり方2(イラスト/ひろいまきこ)
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【2】【1】の状態からスッと立ち上がる。このとき呼吸は自然に、背筋が丸まらないように注意する。

「立ち座り運動」のやり方3
「立ち座り運動」のやり方3(イラスト/ひろいまきこ)
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【3】3秒くらいかけてゆっくりと椅子に座る。ひざが内側に入らないようにし、ここでも呼吸は自然に。1~3を10~15回繰り返す。

柔軟力アップ

座っている時間が長いと感じたら、この運動を行うといい。

「伸ばした足のつま先はしっかり立て、上体を前に倒すときは反動をつけないこと」

テレビを見ながら固まったもも裏をほぐす「もも裏筋伸ばし」

《やり方》

「もも裏筋伸ばし」のやり方1
「もも裏筋伸ばし」のやり方1(イラスト/ひろいまきこ)
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【1】椅子に浅く腰かけ、足裏は浮かせず、床につける。上半身はリラックスさせる。手は太ももの上にのせる。

「もも裏筋伸ばし」のやり方2
「もも裏筋伸ばし」のやり方2(イラスト/ひろいまきこ)
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【2】前に出した足のつま先を立てた状態で、反動をつけず上体をゆっくり前に倒す。

「もも裏筋伸ばし」のやり方3
「もも裏筋伸ばし」のやり方3(イラスト/ひろいまきこ)
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【3】そのまま20秒キープ。伸ばした足のアキレス腱から、もも裏の筋肉がしっかり伸びていることを意識し、左右交互に2セット行う。

バランス力アップ

掃除や洗濯物を干す前などに取り入れれば体が動きやすくなる。「T字バランスは姿勢を保つために欠かせません。体幹が強くなるので50代以降の女性に必須です」(横山さん・以下同)。

家事をしながら体幹を強くする「5秒T字バランス」

《やり方》

「5秒T字バランス」のやり方1
「5秒T字バランス」のやり方1(イラスト/ひろいまきこ)
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【1】よろけても転ばないように、壁や椅子の横などで行うのが安心。靴下やスリッパは脱ぎ、素足で、足をそろえて立つ。目線は前に向け、あごを引いて左手を腰に当てる。

「5秒T字バランス」のやり方2
「5秒T字バランス」のやり方2(イラスト/ひろいまきこ)
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【2】右手を肩の高さに上げ、そのまま前に伸ばす。

「5秒T字バランス」のやり方3
「5秒T字バランス」のやり方3(イラスト/ひろいまきこ)
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【3】目線は前に向けたまま、上体を前に倒しながら左足を後ろに伸ばす。このとき、右手と左足が一直線になるように意識して5秒キープ。

「5秒T字バランス」のやり方4
「5秒T字バランス」のやり方4(イラスト/ひろいまきこ)
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【4】左右の手と足を入れ替えて、同様に5秒キープ。1~3の動作を左右交互に各5セット行う。手と足を一直線にするのが難しい場合は、できる範囲で行って。