健康・医療

《春先の不調を乗り切るために…》免疫力を高める習慣「起きたらすぐ日光を浴びる」「朝の軽い運動」「温かい飲み物で体を温める」「腸活を意識」…医師が解説

免疫力を高める習慣とは(写真/PIXTA)
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 本格的な春の訪れを感じる季節になったが、昼夜の寒暖差や日々の気温変動が大きい花冷えの時期でもある。花だけでなく、私たちの心身にも不調が出やすいゆらぎの季節を元気に過ごすために見直したいのが、免疫力を高めるための日々の習慣だ。忙しい日常でも無理なく取り入れられる健康メソッドを紹介する。【前後編の前編】

 春先のだるさや不調の背景には、自律神経の乱れがある。ちぐさ内科クリニック覚王山院長の近藤千種さんが解説する。

「冬から春へと移り変わるこの時期に体調を崩しやすいのは、医学的に“自律神経のオーバーヒート”のような状態が起きているからです。昼夜の寒暖差が10℃以上になる日もあることから、交感神経が過剰に働いてエネルギーを消耗し、腸の機能低下や代謝の停滞が起こり、免疫力が低下します。倦怠感やむくみなどの不調も現れやすいです」

ちぐさ内科クリニック覚王山院長の近藤千種さん
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 免疫機能が衰えるとかぜなどの感染症にかかりやすくなるだけでなく、皮膚トラブルやアレルギー症状が悪化するケースもある。銀座リシェスクリニック院長の平岡美樹子さんが話す。

「春の肌荒れは『免疫力が落ちているサイン』です。花粉や紫外線量の増加、乾燥や湿度の変化などによって肌のバリア機能が低下するため、敏感肌や乾燥肌、ニキビの悪化が起こりやすくなります。ヘルペスができやすいのも、この時期の特徴です」

日光を浴びてビタミンDを生成 

 体調を崩しやすい季節は、「何をするか」よりも「どう一日を過ごすか」が体調を左右する。

 スワンクリニック銀座院長の福澤見菜子さんは、健康にいい習慣はタイミングを理解して、メリハリをつけて行うことがポイントだと話す。

スワンクリニック銀座院長の福澤見菜子さん
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「朝は『体を起こす』、夜は『体を休める』ことを意識して、自分に合ったルーティンをつくってみてください。朝は体を動かしてご飯を食べるなど、交感神経を適度に刺激する行動が適しています。

 一方、夜はリラックスできる行動に切り替えて副交感神経を優位にするように心がけると体内のバランスが整い、免疫機能の維持につながります」

 まず、多くの医師が朝の習慣に挙げるのが、「起きたらすぐに日光を浴びる」ことだ。平岡さんは、起床後5〜10分間の日光浴を欠かさないと話す。

「目から入った日光は網膜を通じて脳へ伝わり、体内時計をリセットします。これによって約14〜16時間後に睡眠ホルモン『メラトニン』の分泌が促され、自然な眠気が生じます。体内時計の乱れは免疫細胞、特に免疫の中心を担う『T細胞』や、常に体内をパトロールしてがん細胞を攻撃する『NK(ナチュラルキラー)細胞』の働きにも影響します。

 そのため、毎日決まった時間に起きて日光を浴びるリズムを保つことが、免疫機能を安定させるのです」

消化器病専門医の工藤あきさん
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 太陽の光は、免疫にかかわる栄養素の生成にも影響する。消化器病専門医の工藤あきさんも、毎朝カーテンを開けて、日光を浴びることを習慣にしている。

「体内時計が整うだけでなく、皮膚でビタミンDが生成されます。ビタミンDには免疫細胞の働きを助けたり、腸の粘膜を整えてバリア機能を高めたりする働きがあり、体にとって重要な栄養素です。

 ビタミンDが豊富なおすすめ食材は鮭。干ししいたけなどきのこ類にも豊富に含まれていますが、不足が気になる場合はサプリメントで補うのも手です」