健康・医療

《1日たった5秒》「ひざ裏伸ばし」のスゴい効果 冷え症改善や腰痛、肩こり、片頭痛の軽減も

腕を上げているシニア
1日たった5秒のストレッチにすごい効果が(写真/Photo AC)
写真6枚

日本人の寿命は年々延びているが、最新データでは女性の平均寿命と健康寿命の差は約12年。この期間を短くして、寝たきりになるのを防ぐために重要なのが「ひざ裏伸ばし」。1日たった5秒で健康寿命を延ばすスゴいメソッドを名医が教える。

死ぬまで自分の足で歩きたい。誰もが願うことだが、年を重ねるごとに体は衰えていく。腰や背すじが曲がり、歩き方がゆがんでしまうことで、腰痛やひざ痛が起こる。痛みが原因で運動量が減り、フレイルやサルコペニア、寝たきりに―この負の連鎖を止めるためには「ひざ裏の柔軟性」を重視するべきだと指摘するのは、医師で医学博士のかわむらクリニック院長の川村明さんだ。

「加齢や病気による体の衰えは、ひざに現れます。ひざの裏が硬くなると、筋肉のバランスが崩れて、歩き方や姿勢が悪くなる。それに伴い血流が悪くなることで内臓の状態も悪化して、さまざまな体調不良につながります。

ひざ裏が柔軟になることで歩き方や姿勢、骨盤の位置が整い、内臓への血流がよくなる。深い呼吸ができるようになるため不調が改善するのです」(川村さん・以下同)

ひざ裏がやわらかくなることによる健康効果は全身に表れる。

「呼吸が深くなって筋力がつくと腹圧が強くなります。大腸や子宮、卵巣の血流がよくなり、冷え症や便秘が改善。ひざ裏伸ばしのストレッチをしただけでお腹がゴロゴロ鳴り、トイレに駆け込んだ人もいました。

代謝が上がって太りにくくなったり、姿勢が正されて腰痛や肩こり、片頭痛が軽減される効果も期待できます。歩けるようになって運動量が増えると血圧や血糖値が下がって、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などのリスクも下がる。認知症リスクの低減にも役立ち、結果的に寝たきりになる可能性が低くなるのです」

90才で四国八十八か所めぐり

多くのメリットがあるひざ裏伸ばしを最も効果的に行う運動が、川村さん考案の「壁ドンストレッチ」と「アオサギストレッチ」だ。

「『壁ドンストレッチ』は壁に両手をついて、ひざ裏とアキレス腱、ふくらはぎをぐーっと伸ばすストレッチです。加えて、上半身を真っすぐ伸ばして壁を押すことで肩甲骨もやわらかくなり、体幹の筋肉も鍛えられる。

片方の足で5〜10秒程度、両足あわせても数十秒で終わります。この1セットを毎日続けることで、まだ筋力がある人なら1〜2週間で効果を感じられると思います。けがや老化で歩くための筋力が低下しているかたでも、3か月から半年で姿勢や歩き方が整い、体調やメンタルが改善するケースは多いです。立つのが難しい人は、座ったままできる『アオサギストレッチ』をやってみてください」

もしけがや病気で一度歩けなくなったとしても、ひざ裏を伸ばすことで改善は見込めるという。

「腰が90度に曲がった80代の女性が、3か月で姿勢がよくなって楽に歩けるようになったり、車いすの利用者が自力で歩けるようになった例もあります。ひざ裏を伸ばすことを意識していたことで90才で四国八十八か所めぐりができるほど元気に歩いている人もいますので、どんな人でも遅すぎるということはありません」

毎日たった5秒であらゆる効果が得られるものの、川村さんは「毎日続けないと意味がありません」と念を押す。

「私は、毎日このストレッチをお風呂上がりに行うようにしています。入浴後は体が温まっているので筋肉が伸びやすく、ストレッチすることで副交感神経が優位になってリラックス効果が得られ、寝つきがよくなります。一日のうちいつでもいいので、タイミングを決めて行うのが続けるポイントです。

自分の足で散歩や買い物をしたい、孫と一緒にお出かけをしたい、家族や友人と旅行をしたいといった目標を定めるのもモチベーションアップになるでしょう。小さな目標でいいんです。目標を持つとストレッチを継続できる確率が大幅に上がる傾向があります」

川村さんの父は、食事や運動の自己管理を続けたことで、亡くなる3日前まで自分でトイレに行っていたという。

死ぬまで自分の足で歩くために、1日5秒のストレッチ習慣を身につけよう。

「壁ドンストレッチ」のやり方

【1】〜【4】で1セット。

真っ直ぐ立っている人
背すじを伸ばして壁の前に立つ(イラスト/sashimi)
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【1】両足を揃えて、壁に向かって立つ。首から背すじまで真っすぐ伸ばし、最後までこの状態をキープする。

壁に手をついている人
足を前後に開いて両手を伸ばして壁につく(イラスト/sashimi)
写真6枚

【2】開いた後ろ足のひざ裏は伸ばして、前足のひざは曲げる。肩の高さで両手を壁につけ、息を吸う。

壁に手をついている人
息を少しずつ吐きながら壁をリズミカルに5回押す(イラスト/sashimi)
写真6枚

【3】お腹とお尻に力を入れて、腕を曲げ、息を吐きながら5カウントに合わせて壁を押す。体幹を意識しながら、腰をぐっと前に出す。

壁に手をついている人
ひざ裏をぐーっと伸ばして息を吐きながら壁を押す(イラスト/sashimi)
写真6枚

【4】呼吸を整え、両手を伸ばして壁を押し、ひざ裏を大きく伸ばす。5秒キープする間に、息を吐ききる。背すじは伸ばし、腹筋を使いながら腰をぐっと前に出す。前後の足を替えて同様に行う。

「アオサギストレッチ」のやり方

【1】タオルを二つ折りにし、中央の部分を足の裏に当てる。

【2】タオルを引っぱってひざの裏を5秒間伸ばす。反対側の足も行い、1セットとする。

足のストレッチをしている人
「アオサギストレッチ」のやり方(イラスト/sashimi)
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《Point》

・背中は真っすぐ
・ひざを曲げない
・かかとを突き出す

※女性セブン2026年4月30日号

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