
写真3枚
■教科によって「遺伝率」は大きく異なる
一方で、アスリートの“二世選手”などが親と同じ道で成功を収めたりと、遺伝の影響が感じられるケースもある。遺伝は“教科”によって差があるという。
「運動神経や音楽の才能が遺伝しやすいことは、感覚的に理解しやすいと思います。実際その通りで、芸術・音楽・運動能力は70〜80%が遺伝すると言われています。実は、算数・数学も同じくらい遺伝の影響が大きい。一方、国語や外国語などの文系科目は50〜60%程度だと言われています。半分ぐらいの人は、親が文系的に優秀でも遺伝しにくいのです」
こうした遺伝子の背景を理解できず、子供に自分と同じ難関校の受験を勧める親が少なくない。まずは、自分の子供の特性を理解することが重要となる。新しいものへの好奇心や理解度の早さ、壁にぶつかった時の向き合い方——そういった総合的な振る舞いをきちんと注視していれば、子供の特性は早い段階で見えてくるはずと岡氏は言う。
■我が子の〝戦場〟を見極めよ
しかし、子供に勉強の特性がなさそうだと思ったとしても、「だからといって勉強をさせなくていいわけではない」と岡氏は話す。
「勉強を一度ぐらいは一生懸命やってみることには意味があります。自分の限界を知れるという点では有益です。そのために、どうやれば偏差値を上げられるかというゲームに参加させてみるのも悪くありません。大事なのは、子供が自分の特性に合った戦場を自分で選び取れるようになること。それもお勉強とはまた違う賢さだと思います」
子供が「できない」と感じていることを叱責する前に、親たちがまず問うべきは「この子は何が得意なのだろう」ということ。自分とは異なる遺伝子の組み合わせで生まれてきた子の個性を理解することが、過剰なプレッシャーを和らげる第一歩になる。

写真3枚