
MEGUMI(44才)が企画・プロデュースし、King Gnuのミュージックビデオなどを手がけてきた木村太一監督がメガホンを取った映画『FUJIKO』が公開直後から話題を呼んでいる。イタリアの映画祭で2冠に輝いた本作は、木村監督の母親をモデルとした主人公・富士子を通じて、女性のたくましさや母としての葛藤、喜びといったテーマを爽快感よく描く。「初めて監督にお会いしたときに、富士子とのマインドと自分の気持ちが似ていると伝えたら、『そういう人がほしかったんです』と言われたんです」(片山・以下同)と話す片山友希(29才)に、見どころと撮影秘話を聞いた。

姑(YOU)と義理の姉(瀬戸さおり)に娘の麻理を奪われ、義実家に母(岸本加世子)と一緒に乗り込む修羅場も。

「イタリアの映画祭ではこのシーンがすごく盛り上がりました。お茶をかけ合う大げんかでみなさんの迫力ある言葉が飛び交うんです。台本では私のせりふはなかったんですが、監督に相談したら『しゃべっていいよ』と言ってもらえて。そこで『ちょっと待ってくださいよ!』と言葉をさし込んだら、さらにブワーッと言い合うような展開になって思わずタジタジに(笑い)。岸本さんのドスの効いた声は圧巻です!」

70~80年代らしいファッションや髪形も見どころ。
「メイクさんのお家に行って2人でメイクを研究しました。それこそ岸本さんが出演するドラマを見てアイディアを出し合って、パーマをかけることにしました」

富士子の生活を助けるそば屋店主を演じるのはイッセー尾形(74)。
「イッセーさんのせりふは全部アドリブ。最後のシーンで『おう、そば食う?』という軽い一言があるのですが、富士子の葛藤や迷いをストンと解放してくれる、私の好きなシーンの1つです」

「リリー・フランキーさん(62才)とのシーンでつけているバレッタは実は私の母親の私物なんです。ほかにも賭場シーンでの赤い髪飾りやカチューシャなども昭和のリアルを求めて母親から借りました」

女性解放運動のシーンで物語が一気に動き出す。
「木村監督のお母さまにお会いした際に“暗い映画にしないで”と言葉をかけていただきました。男尊女卑が残る昭和が舞台ですが、富士子には悲劇のヒロインにならない力強さがあります」

「映像のテンポが抜群! レストランで働くシーンはお盆を置く、サンドイッチを持つ、食べるという一連の動作をリズムありきで撮影しました。完成した映像を見たら音楽がマッチして気持ちよかったです」
「そばがよく出てきますが、ご飯は富士子にとって人とつながる1つのアイテム。口に食べ物を入れながら話すなど日常のリアルもあえて表現しています」
「富士子が全力疾走するシーンは疲れました。監督は私の走り方が変だったらどうしようと悩んでいたそうですが、撮影後、“安心した”と言っていました。私、陸上部だったんです(笑い)」

「かつて、私の母親から“子供を預けるときに母親が申し訳ないと思ったら子供に伝わるから、心を鬼にして振り向かず行くんやで”と聞いたことがあったんです。劇中では、富士子が娘を託児所に預けるシーンがあって、そこで私は母の言葉を思い出しました。監督に伝えたら採用してくれて。私のリアル家族が反映されているシーンです」

『FUJIKO』にまつわる女たち
主人公・菅波富士子(片山友希)
周囲の反対を押し切りシングルマザーに。

富士子の母・菅波千代(岸本加世子)
負けん気の強い母親。富士子を支える。

託児所の園長・畑山(竹下景子)
麻理を引き受け、優しく見守る。

喫茶店の店主・奈倉瞳(MEGUMI)
富士子が働く喫茶店の店主。富士子のよき理解者。

富士子の義母・古宮敏子(YOU)
富士子の娘・麻理を強引に奪う意地悪な鬼姑。

◆映画『FUJIKO』
舞台は1977年の静岡。麻理を出産した富士子だったが、理不尽な姑と義姉に麻理を奪われてしまう。実母・千代の力を借りてなんとか麻理を取り返した富士子は、周囲の反対を押し切りシングルマザーとして麻理を育てることを決意。時代の波にもまれながらも周囲に支えられつつ、自分らしい生き方を探していく。

出演:片山友希 YOU リリー・フランキー MEGUMI うじきつよし 竹下景子 イッセー尾形 岸本加世子
映画『FUJIKO』6月5日(金)より TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中
配給:Atemo
撮影(片山友希)/矢口和也
※女性セブン2026年6月25日号