健康・医療

《毎日続けて腸美人》便秘解消やメンタル安定、熱中症予防など「バナナ」のすごいパワーを医師が解説

バナナヨーグルト
バナナヨーグルトは定番かつ最強の組み合わせ(写真/PIXTA)
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季節を問わずいつでも手軽に買えて、包丁も使わずに食べられる。そんな便利でおいしいバナナには腸と体を整える栄養素が詰まっているという。最強の食べ物・バナナのスゴいパワーに迫る。

女性の大敵である便秘や肌荒れ、むくみ、不眠…これらの症状はすべて腸内環境の悪化が招くといわれている。腸を整えることで体の中からスッキリきれいになるために、大きく役立つのがバナナだ。まず注目したいのが「レジスタントスターチ」。これが腸を整えて腸美人を目指すうえでのカギになると言うのは、順天堂大学医学部教授で、『腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由』の著者である小林弘幸さんだ。

「腸内環境の改善のために食物繊維が大きな働きをすることは広く知られていますが、食物繊維にも種類があり、早めに消化吸収されてしまい、腸内細菌のえさにならないものもある。その点、難消化性でんぷんであるレジスタントスターチは、大腸の奥まで届いて作用します。

便のかさを増してぜん動運動を活発化させる『不溶性食物繊維』と善玉菌のえさとなる『水溶性食物繊維』の二刀流の働きをするため、『ハイパー食物繊維』ともいわれ、整腸に大きく役立ちます」

バナナが最強といわれる理由はレジスタントスターチだけではない。老化を抑制する「ポリフェノール」や、むくみの防止につながる「カリウム」、美容ビタミンとも呼ばれる「ビタミンB群」など、健康や美容にうれしい効果のある栄養素が豊富に含まれる。

「抗酸化作用の強いポリフェノールは体内の活性酸素を低下させ、シミやしわなど見た目の老化や血管の老化を防ぐことが期待できます。カリウムは余分なナトリウムを排出して、むくみを予防・改善。肌荒れ予防や美肌効果を持つビタミンB群はB、B、Bなどがバランスよく含まれています」(小林さん・以下同)

甘みが強く、カロリーも高いため食べると太ってしまうのではという心配があるが、むしろ「やせ体質」になる手助けをしてくれるという。

「レジスタントスターチをえさにして善玉菌が『短鎖脂肪酸』を生み出し、脂肪の取り込みを防いでくれます。基礎代謝を上げる働きもあり、やせやすい体づくりに適しています」

南国でも常食 夏バテにも効果的

これから夏本番を迎えるが、高齢になるとのどの渇きを感じにくく、熱中症になるリスクが高まる。命にかかわるケースも少なくないが、バナナはその予防にも効果的だという。

「水分とともに失われやすいビタミンやマグネシウムなどのミネラル、そして体内の水分バランスを整えて疲労感を抑制するカリウムも含まれています。さらにエネルギー源となる糖質も摂れるので、熱中症や夏バテに効果的です。

南国の人たちはバナナを常食することで、自律神経の調整機能を高めて体温を必要以上に上げない対策をしていると考えられます。私自身、毎日バナナを食べる生活を続けたときには、体が熱くならず、冷えた実感がありました」

バナナに含まれるスゴい成分のリスト
バナナに含まれるスゴい成分
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腸内環境の改善に加えて、メンタルの安定にもバナナが役立つという研究もある。

「順天堂大学漢方先端臨床医学研究室と小林メディカルクリニック東京の共同で実験を行った結果、1日2本のバナナを2週間食べ続けた人は腸内環境の改善、自律神経の活性化、ストレス改善、気分改善という4つの効果が見られました」

さらには、がんの予防や治療に効く可能性も秘めているという。

「帝京大学薬学部の山崎正利名誉教授のマウス研究では、バナナは免疫細胞を活性化させ、がんの予防や治療効果も期待できる物質『TNF』を増やす効果が高いという結果も発表されています。

別の実験では、腹腔内にがん細胞を移植したマウスにバナナジュースを注射して65日間観察したところ、10匹中3匹が完治。7匹にはがんの進行を遅らせる効果が観測された。人体でも効果があるとは断言できませんが、免疫機能の向上に貢献することがわかり、秘められたポテンシャルがあるのではと考えられます」

朝バナナで幸せホルモン分泌

毎日食べるうえで「朝バナナ」をすすめるのは、管理栄養士の宮野友里加さんだ。

「朝食の前に食べることで食物繊維が摂取でき、血糖値の上昇を緩やかにします。朝日を浴びることで、幸せホルモンであるセロトニンの生成が促されますが、バナナにはセロトニンの材料となるトリプトファンが豊富に含まれています。セロトニンは睡眠ホルモン・メラトニンに変化するので、夜の安眠につながります」

食べ合わせを工夫することでさらなる健康効果のアップを狙える。善玉菌とそのえさになる成分を同時に摂取する「シンバイオティクス」を念頭に置いて組み合わせるのが大事だという。

「定番ですが、ヨーグルトとはちみつと合わせるのがおすすめです。善玉菌とたんぱく質を含むヨーグルト、バナナの食物繊維、はちみつに含まれるオリゴ糖が合わさって、非常に効果的です。ヨーグルトの菌は種類によって合う合わないがあるので、いろいろな商品を試してみてください」(宮野さん・以下同)

ヨーグルトに加えて宮野さんが強く推すのは、ピュアココアだ。

「便秘に悩む人が2週間ピュアココアを飲んだことで便通が改善したという研究もあります。バナナヨーグルトにかけてもいいし、食パンに輪切りのバナナを並べてココアをかけて焼くのもおいしいです。保存袋にバナナとココアを入れて、もんで冷凍するとアイスのように食べられて、暑い季節にぴったりのスイーツに。お菓子に比べてカロリーが低いので、罪悪感なく食べられます」

いつでもどこでも安価に手に入るバナナ。秘めるパワーを見過ごすのはもったいない。

※女性セブン2026年7月2日号