
いまから33年前、一流デザイナーのドレスに身を包んだ雅子さまの胸には、確かな覚悟がみなぎっていた。そんな母の思いに触れた愛子さまの前には目下、新たな「展望」が開けつつあるという。皇室典範改正が目前に迫るいま、国際親善に思いを寄せるプリンセスが選ぶ道とは。
《英国の学び舎に立つ時迎へ開かれそむる世界への窓》
これは2022年、新春の「歌会始の儀」に愛子さまが寄せられた歌だ。題材は、高校2年の夏、イギリスへの短期海外研修に参加されたときの思い出である。歌に、その胸の内を託されてから4年──愛子さまはいま新たに、“世界への窓”を開かれようとしている。
7月2日、愛子さまはお住まいの御所の一室で、難解な資料を熱心に読み込まれていたという。
「おひとりで、東京大学の荒川泰彦名誉教授からご進講を受けられました。荒川教授の専門は『量子ドットレーザ』。電気信号を光信号に置き換えて情報をやり取りする最先端技術です。消費電力を抑えつつ、大容量のデータ通信が可能になるため、AIや医療分野への活用が期待されています」(皇室記者)
文学部のご出身である愛子さまが理系の世界的権威から講義を受けられたのは、1か月後のご公務に備えるためだったとされる。
「8月中旬に都内で開催される『半導体物理国際会議』の開会式に出席し、おことばを述べられる予定です。実現すれば、国際会議での愛子さまのおことばは2回目。昨年5月、初めておことばを述べられた『世界災害救急医学会』の際は、時折声がかすれる場面もあり、緊張されているようにもお見受けしました。
しかし、昨年11月のラオスご訪問では現地の首脳陣を前に2度スピーチに臨まれるなど、場数を踏んでこられた。勉強熱心な愛子さまのことですから、ご進講で得た知識を踏まえ、各国の研究者を前に堂々たるお姿を見せられるのでしょう」(皇室ジャーナリスト)
積まれた知見は、今年11月に予定されているシンガポールご訪問にもつながっていくことになりそうだ。
「シンガポールは量子研究を国家戦略として推進しており、国立の量子技術研究所では、世界トップレベルの研究が行われています。陛下は6月のベルギーご訪問で半導体の研究施設を視察されましたが、愛子さまも、現地で最先端の研究施設を視察されるかもしれません」(前出・皇室記者)
真っ白な手袋で継承と感謝を表現
次なるご公務に向け、着実に歩みを進められている愛子さま。ご進講の1週間前には、世界を股にかけて活躍した日本人女性の回顧展を鑑賞されるため、東京・六本木の国立新美術館に足を運ばれていた。
「6月25日、ファッションデザイナー・森英恵さんの生誕100年を記念した展覧会を視察されました。森さんは1993年、雅子さまがご成婚当日に着用されたローブ・デコルテのデザインを担当した縁があります。
愛子さまは約1時間かけ、きらびやかなオートクチュールの数々をじっくりとご覧に。同行した森さんの孫でタレントの森泉さんの“ハイテンション”につられたご様子で、いつもより幾分大きな声で、楽しそうに会話される場面もありました」(前出・皇室ジャーナリスト)
この日愛子さまがお召しになっていたのは、クリームイエローの気品あるツーピースだった。
「30年以上前に、森さんが雅子さまのためにデザインしたものです。展覧会に合わせ、愛子さまのサイズにお直しを施されたとのことで、愛子さまがかなり前の段階から、心を込めて準備されていたことがうかがえます。両陛下のご成婚を彩った森さんの回顧展であり、雅子さまがお出ましになってもおかしくないイベントですが、欧州歴訪のスケジュールとの兼ね合いで、愛子さまおひとりでのご鑑賞となったようです」(前出・皇室ジャーナリスト)
作品に1点1点丁寧に向き合われた愛子さまのお手元にあったのは、真っ白な手袋。ここに、愛子さまの“母の名代”としての強い思いがにじんでいたという。
「愛子さまの装いは、1994年、石川県で開催された『全国育樹祭』で雅子さまがお召しになったものと同じでした。
当時の雅子さまと同様、白い手袋を携えていらっしゃいましたが、通常、手袋は格式の高い式典などの際に使用されることが多く、展覧会のご鑑賞で持たれるのは珍しい。手袋をお持ちになったことで、雅子さまからの“継承”という意味合いがより際立っていたのです。愛子さまはあえて手袋を携え、母のご成婚に華を添えた恩人に敬意と感謝を示されたのではないでしょうか」(前出・皇室ジャーナリスト)

会場には雅子さまのローブ・デコルテについての展示もあり、愛子さまは足を止めて「すてきなデザインですね」と感嘆されていたという。
「雅子さまのローブ・デコルテのジャケットには、襟に花びらのような装飾があしらわれています。これは白いバラをイメージしてデザインされたものだそう。森さんは当時のインタビューで《雅子さまはバラの花のような方だと感じました。華やかで匂い立つような白いバラはほかの色のバラよりも匂いがさわやかです。それで、あれを思いつきましたの》と、着想の背景を語っています」(前出・皇室ジャーナリスト)
外務省で華やかなキャリアを歩んでいた雅子さま。「皇室の一員として国際親善に貢献したい」というご覚悟のもと、外交官からプリンセスへの“転身”を遂げたちょうどその日に身につけられたのが、森さんのローブ・デコルテだった。
「森さんが “白いバラ”という着想を得たのも、キャリアウーマンである雅子さまの凜とした雰囲気を感じ取ったからでしょう。愛子さまは回顧展で改めて、皇室での国際親善へと歩み出された当時の雅子さまのご覚悟を感じられたに違いありません」(前出・皇室ジャーナリスト)