
古今東西、家族関係の悩みはなくならず、とりわけ嫁姑問題は時代が変わってもなお永遠だ。実際の事件を紐解くと、深い憎しみが、一線を越えてしまう悲劇が明らかに──。
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茨城県の閑静な住宅地の一角で、大島裕司(仮名・37才)とその母・洋子(仮名・64才)は一心不乱に自宅の庭を掘り返していた。額に汗をにじませて黙々と穴を掘り続けるわが子を見つめる洋子。その胸中には「困っている息子を助けなければ」という思いが渦巻いていた。そして、親子の足元には、暗く大きな穴が──。
それから4か月後の2018年7月、裕司と洋子は千葉県警に、死体遺棄容疑で逮捕された。
「千葉県に住む裕司の妻・理子さん(仮名・30才)が行方不明となっている事件の捜査で、裕司が理子さんを何らかの方法で殺害した可能性が浮上。洋子が暮らす裕司の実家の庭を捜索したところ、地中から身元不明の遺体が発見され、司法解剖した結果、理子さんと確認されました。腐敗は進んでいましたが、刺し傷など目立った外傷はなかったそうです」(全国紙社会部記者・以下同)
裕司は理子さんの日頃の振る舞いに不満がたまっていたという。
「裕司の供述によると、娘の子育てや理子さんの健康問題などが原因で、ふたりは日常的に衝突を繰り返していたそうです。裕司は娘のケアや妻の看病などに悩み、事件の数か月前から理子さんとの離婚について洋子に相談していました。それがいつしか殺意へと変わっていったのです」
「パパやめて、苦しい…」それでも首を締め続けた
夫婦関係に悩み、日々憔悴していく息子を見るに見かねた洋子は、“わが子のために”とその殺意を止めるどころか死体を遺棄するための穴を掘る手助けをしたのだった。
穴を掘った2日後、ついにその時が訪れる──、
裕司は千葉県の自宅で理子さんに睡眠導入剤入りのカレーを食べさせた。意識が朦朧となった理子さんを車に乗せ、路上に止めた車内で理子さんの首に手をかけ絞め上げた。
「パパやめて、苦しい…」
薬剤で抵抗できない理子さんが訴えるような言葉を絞り出すも、裕司はさらにその手に力を入れ絞め続けた。その深夜、事切れた理子さんとともに現れた裕司を茨城県の実家で迎えた洋子は、2人で掘った穴に理子さんを埋めたのだった。
殺害を自供した裕司は殺人と死体遺棄罪の容疑で起訴、洋子は死体遺棄罪と殺人ほう助で起訴された。裁判で洋子は「息子の犯行を容易にするために、ほう助をしたことはありません」と殺人ほう助については否認した。
「しかし、検察側の証拠によりLINE上で親子が殺人会議を行い、死体を遺棄する場所の提供、睡眠導入剤の入手方法などを相談していたことが発覚しました。2人で理子さんの殺害を計画していたことが明らかとなり、裁判長は洋子による手助けの程度が極めて大きいと指摘したのです」
ほかにも、母と子の“殺人会議LINE”にはこう残されていた。
《おかんは裕ちゃんのためなら悪者にも悪魔にでもなれる。役に立つなら何でもやるよ》
裕司には懲役15年、洋子には懲役7年の判決が下された。
※年齢は事件当時。
※女性セブン2026年8月13日号