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【追悼・草間彌生さん】ポップな作風の裏にあった苦悩 鈴木京香や大野智と交友する気さくな素顔も 最後まで変わらなかった愛と反戦のメッセージ

8月14日、多臓器不全のため都内の病院で亡くなった草間彌生さん(写真/共同通信社 )
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8月14日、トレードマークの水玉模様のアート作品で知られる前衛芸術家の草間彌生さんが、多臓器不全のため都内の病院で亡くなった。97才だった。独創的かつポップな作風の裏には、知られざる苦悩が隠されていた。不世出の芸術家が過ごした人生に迫る。【前後編の後編】

“やよいちゃん”“おーちゃん”

 アメリカでは一定の評価を得ていた草間さんだが、当時の日本では“裸ハプニングの女王”“国辱ものの女性”とイロモノ扱いされていた。
 
 潮目が変わったのは1993年。“美術界のオリンピック”と呼ばれるヴェネチア・ビエンナーレに、日本代表として選ばれたのだ。

「ここで才能と実力が国内外で高く評価され、不動の地位を確立。2012年には『ルイ・ヴィトン』とのコラボも果たし、その名は一気に広まりました」(前出・美術関係者)

 芸能人にも愛された。2013年には日本テレビ系『24時間テレビ36』で、嵐の大野智(45才)とチャリティーTシャツを合作している。

「大野さんは最初、『え? 俺で大丈夫?』と不安だったそうです。でも草間さんがあまりに気さくで、すっかり意気投合。“やよいちゃん”“おーちゃん”と呼び合う仲になりました。テーマは『愛』。作ったTシャツは100万枚以上が売れ、当時の過去最高を記録しています。鈴木京香さん(58才)も草間さんファンを公言し、数億円の値がつく『INFINITY NETS』シリーズを所有しています」(芸能関係者)

香川県直島のシンボルとして親しまれる「南瓜」(時事通信フォト)
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 こうして老若男女が知る存在になった草間さん。2023年には花を描いた《A Flower》が自己最高の約15億円で落札されるなど、現代美術のアイコンとなったが、根っこにある思いは最後まで変わらなかった。

「日本で第二次世界大戦を経験し、ベトナム戦争のさなかのニューヨークで暮らした草間さんは、反戦と平和を訴え続けました。裸のハプニングも、人間の体の美しさを見せて“戦争より愛を”と叫ぶためのものでした」(別の美術関係者)

 その思いを一語に込めたのが、「Love Forever(愛はとこしえ)」だった。

「1966年、ニューヨークの個展の初日に、この言葉を刷ったバッジをお客さんに配っています。2004年から4年かけて描いた50点の連作にも同じ名をつけた。半世紀の間、ブレなかったんです。幼い頃から幻覚に苦しみ、毎日のように死が頭をよぎったそうですが、そのたびに絵が引き留めてくれた。芸術への愛が、彼女を生かしたわけです」(前出・別の美術関係者)

 80才を超えても、絵を優先して食事を抜いた。チョコレートやせんべいで済ませ、夜中まで描く。眠れなければ明け方の午前3時半まで筆を動かした。

「晩年は『死んでもなお、まだまだもっと絵を描きたい』と繰り返し、『いちばんの悩みは時間がないこと』と漏らしていました。描くことが生きることだったからこそ、最期まで絵筆を離さなかったのでしょう」(前出・別の美術関係者)

 生前、草間さんはこう語っていた。

「後世、100人見て、たったひとりの人がこれは素晴らしいと言ってくれる作品を残したい。そのほかは目じゃない」

 彼女が水玉に込めた愛は、もっとずっと多くの人に届いている。

※女性セブン2026年9月17日号

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