健康・医療

《専門家15人が選出》脳・血管・腸の老化を止める「最強の食品」ランキング 1位「青魚」は血管の慢性炎症や血栓を抑制、2位「緑黄色野菜」は血流を改善、腸内環境を整えるのは発酵食品

老化を止める最強の食品とは(写真/PIXTA)
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 人は誰しも平等に年齢を重ね、細胞は老化して体の機能が衰えていく。しかし、その速度をゆるやかにすることや、若々しさを取り戻すことは不可能ではない。そのためには、何を食べ、どう体を動かし、どう休めばいいのか。年をとっても毎日を充実させ、楽しく過ごすためのメソッドを探った。【前後編の前編】

体の機能が衰えるスピードを遅らせることは可能

 そもそも、「老化」とは何か。ハーバード大学医学部客員教授の根来(ねごろ)秀行さんが解説する。 

「私たちの体は約30兆個の細胞からできており、酸素と食事からの栄養を使って、生きるためのエネルギーを作り出しています。しかし、エネルギーを作る過程で発生するのが活性酸素などのいわば“排気ガス”のようなものです。これが体をサビさせ、糖化や慢性炎症を引き起こして細胞を劣化させる『老化現象』の大きな原因です」

 だが、最新研究や医療によって、老化の速度は食事や生活習慣次第で遅らせることができると分かってきた。みなと芝クリニック名誉院長の川本徹さんが言う。

「近年の研究では、老化に対する遺伝の影響は約15〜25%に過ぎず、残りの75〜85%は生活習慣や環境といった後天的な要素であることがわかっています。すなわち、生活習慣を改善することで老化に抗うことができるのです」

 たけしファミリークリニック院長の北垣毅さんも声を揃える。

「食事、運動、睡眠、禁煙といった生活習慣を整えることで、血圧や血糖、脂質代謝、慢性炎症はコントロールできます。実際の年齢を若返らせることはできなくても、体の機能が衰えるスピードを遅らせることは可能です」

 目指すべき「健やかな老化」は、単に寿命を延ばすことだけではない。ちぐさ内科クリニック覚王山院長の近藤千種さんが指摘する。

「医学的には、『何才まで生きるか』という寿命だけでなく、元気に自立して生活できる『健康寿命』を延ばすことが重視されます。自分の足で歩いて、好きなことを続けられる体と脳を長く維持することこそが、『健やかな老化』です」

 まずは食生活から。専門家15人に「脳」「血管」「腸」それぞれを若々しく保つための食品を聞いた。

脳と血管を守り強くする青魚

 堂々の1位に輝いたのは「青魚」だ。特にさば、いわし、さんまを推す声が多く、脳と血管にいい食品として高い支持を集めた。糖尿病専門医の市原由美江さんも自身の1位に推す。

脳・血管・腸の老化を止める「最強の食品」
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「青魚に含まれるEPA・DHAなどオメガ3脂肪酸は、中性脂肪を減らして血管の慢性炎症や血栓を抑制します。また、DHAは脳の神経細胞膜を柔軟に保ち、情報伝達を円滑にする働きがあります」

 2位の「緑黄色野菜」では、特にほうれん草や小松菜、ブロッコリーを推す声が目立った。管理栄養士の浜本千恵さんが言う。

「緑黄色野菜にはβ-カロテン、ビタミンC、ポリフェノールなど抗酸化成分が多く含まれ、活性酸素を減らして血流を改善します」

 医学博士で管理栄養士の岩崎真宏さんは、食物繊維の持つ血糖コントロールの効果に着目する。

「血糖値の急上昇を抑えるとインスリンの効きがよくなります。その結果、血管を広げる『一酸化窒素』がスムーズに作られ、血管の柔軟性を保ちやすくなります」

 意外にもそのほかの野菜類はトップ10以下。それでも老化を遅らせる効果は充分期待できる。

「玉ねぎ」(16位)は、脳と血管の両面で積極的な摂取が推奨される。管理栄養士の清水加奈子さんが言う。

「玉ねぎに含まれる香り成分『硫化アリル』、ポリフェノールの一種『ケルセチン』は、認知機能の維持に役立つという研究があります」

 19位にランクインした「しょうが」について岩崎さんは、腸の免疫とかかわりがあると話す。

「腸の『免疫の暴走』にブレーキをかける働きが注目されています。腸には過剰な炎症を抑える『制御性T細胞』が存在しますが、しょうがはこの働きを後押しする食品の1つと考えられています」