健康・医療

《腸が若くなる最強の食習慣》「エクストラバージンオリーブオイル」のオレイン酸でスッキリ、発酵食品と食物繊維を一度に摂れる「具だくさんみそ汁」で腸内環境を整える

夏バテした腸は食事でリハビリ

 秋の腸活を始めるにあたり、食事の面で気をつけたいのは「夏バテからのリハビリ」だと川本さんは話す。

「涼しくなって食欲が戻る一方、腸の消化機能はまだ“夏バテ中”というアンバランスな状態に陥りやすい。特に夏に食欲不振だった人は、食欲が戻ったからといきなり脂っこいものや生ものをたくさん食べるのではなく、消化にいいものから少しずつ胃腸を慣らして、リハビリしていくことが大切です」

 リハビリがすんだらいよいよ「腸をうるおして便通を改善してくれる」食べ物を意識したい。松生(まついけ)クリニック院長の松生恒夫さんが真っ先に挙げるのは、エクストラバージンオリーブオイル。その理由は豊富に含まれるオレイン酸にある。

「オレイン酸は小腸では完全に消化吸収されにくく、大腸にも届くので腸の動きを活性化し、便の滑りをよくして排便をスムーズにしてくれます。料理にかける、飲み物に混ぜるなど、手軽に摂りやすいのもメリットです」

 オレイン酸はオメガ9系の一価不飽和脂肪酸の一種で、悪玉コレステロールを減らす働きがあり、血液をサラサラにし、肌を乾燥から守るなど、さまざまな健康効果でも知られている。

 山いもやオクラ、モロヘイヤなど定番のネバネバ食品も欠かせない。

「水を飲むだけだと大腸に届く前に、尿などとして排出されてしまいますが、ネバネバ食品に豊富に含まれる水溶性食物繊維は保水力が高く、水分を抱え込んだまま腸まで届きます。これが腸にうるおいをもたらし、便の滑りをよくします」(石原さん)

 同じく腸の滑りをつるりとよくさせる食品として注目されるのが、杏仁豆腐などで知られる杏仁(杏の中にある白い実)だ。近年スーパーフードとしても注目され、漢方では「潤腸通便(じゅんちょうつうべん)」に効くとされる麻子仁丸(ましにんがん)や潤腸湯(じゅんちょうとう)の成分でもある。

「豊富な植物性の油分が腸管内の水分分泌を促し、腸をうるおしてお通じを改善してくれます。杏仁に甘みをつけようとして砂糖を使うと体を冷やすので、中国の調味料『チューニャン』のような米こうじで糖化させた天然の甘味料を使うといいでしょう。ただし、一般的ではないので日々の生活に取り入れるなら甘酒もおすすめ。甘酒に含まれるこうじ菌には腸内環境をよくし、腸を温める効果もあります」(川本さん)

 腸をうるおすために基本となる、「こまめな水分補給」も大切だ。脱水症状に気を配っている夏以上に、秋は水分が不足しやすいという。

具だくさんのみそ汁やスープが腸のために大切だ(写真/PIXTA)
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「特に今年の秋は要注意」と話すのは、よこはま土田メディカルクリニック院長の土田隆さんだ。

「雨の日が多く気圧の変化も大きいため、運動量が減り、水分補給を怠りがちです。水分が不足すると、腸の動きや便通も悪くなるという悪循環に陥りやすい。夏以上に意識して水分を摂りましょう」

 大西さんが「水分と発酵食品、さらには多種類の食物繊維を一度に摂れる」と推奨するのが、具だくさんのみそ汁やスープ。腸のために「発酵食品や食物繊維は毎日少量でも食べる」ことも大切だ。腸内細菌が働きやすい環境を維持するよう意識したい。

「海藻類、きのこ類、根菜、豆腐・大豆、発酵食品であるみそを組み合わせられるのがメリットです。海藻類+きのこ類+根菜というように、3種類以上の具材を目安にすれば、食物繊維も複数種類摂れます」(大西さん)

 腸を元気にさせるためには腸内細菌の活性化も重要。そのために摂るべき栄養素が「レジスタントスターチ」だ。根来さんはとりわけ、完熟する前の青いバナナを推奨する。

「レジスタントスターチは難消化性のデンプンで、大腸まで届いて善玉菌のエサとなって腸内環境を整えるのに役立ちます。食物繊維などが豊富なバナナは腸活食材の代表格ですが、熟成するとレジスタントスターチが減ってしまうので、少し青いくらいのタイミングで食べるのがおすすめです」(根来さん)

 これからの季節は食物繊維が豊富なさつまいもがおすすめだが、管理栄養士の清水加奈子さんが推す食べ方について話す。

「加熱後に冷やすことでレジスタントスターチは増えるので、焼きいもや蒸しいもにし、冷蔵庫で冷やしてから食べるのが重要。さつまいものポテトサラダもいいですね」

 食物繊維は腸を元気にさせるうえで欠かせない栄養素だが、注意も必要だ。

「腸の動きが悪いと根菜類が滞留してしまうので、食物繊維は葉物からも摂って」(土田さん)

(後編に続く)

※女性セブン2026年10月1・8日号

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