地震・豪雨・火災…被災したときに「もらえるお金」「借りられるお金」リスト 第一歩は“罹災証明書”の発行、災害救助法が適用されれば医療費の自己負担が免除・猶予に

いつどこで地震、台風、豪雨など“想定外”の災害に遭うかは誰にもわからない。日本では被災時の支援が充実しているといわれるが、支援の存在を知らなければ受けることはできない。もしもの事態から元の暮らしに戻る第一歩は「どうすれば、どんな支援を受けられるか」を知ることだ。
7月末の熊本地震に続き、8月には千葉県や北陸地方で「予測が非常に難しい線状降水帯」が発生し、9月8日には東海地方で新幹線が一時運転を見合わせるほどの豪雨に見舞われた。千葉豪雨では住宅被害7000棟超、東海地方の豪雨では名古屋市内で200台の車が浸水して立ち往生した。
いざ災害に遭ったときに一日も早く日常を取り戻すには、自宅をはじめとする生活の基盤を立て直すためのお金が必要。そのためには、「もらえる」「借りられる」お金の制度を知っておくことは不可欠だ。
安全が確保できたら「被害状況がわかりやすい写真」の撮影を
熊本県には、これまで全国の自治体からのべ2万8000人超の職員が派遣され、多くが「罹災証明書」の受付・発行にあたっている。ファイナンシャルプランナーの清水香さんは「罹災証明書は、被災時のさまざまな支援を受ける第一歩になる」と話す。
「罹災証明書は、災害によって住宅がどれだけ壊れたかを証明する書類です。全壊から一部損壊まで6区分に分けられ、それによって、どのような公的支援を受けられるかが決まります」
罹災証明書がないと、被災状況によって最大300万円までもらえる「被災者生活再建支援金」や、最大350万円まで借りられる「災害援護資金」といった支援が受けられなくなるだけでなく、仮設住宅・みなし仮設住宅への入居まで遅れる可能性もある。
だが現在、熊本では申請されたうちの半分ほどしか罹災証明書の発行が進んでいないのが現状だ。
「発行の遅れは東日本大震災でも起きていました。ですが、役所自体が被災したり、審査・発行する役所の職員も被災者だったりするかもしれません。申込期限を遅らせるなどの対応が図られるのではないでしょうか」(清水さん)

少しでもスムーズな発行のためには、被害状況がわかりやすい写真を撮ることだ。防災アドバイザーでファイナンシャルプランナーの岡部梨恵子さんが言う。
「家の片づけや修理を始める前に、被害状況を写真に撮っておくこと。でないと、後から被害状況を充分に確認できなくなる可能性があります。正面だけでなく4方向から外観と壊れた部分をアップで撮りましょう。家の中も部屋全体がわかるものと、壊れた部分のアップを。水害の場合は、メジャーなどをあてて浸水した高さがわかるように撮ってください。
ただし、安全が最優先。家が傾いていたり、余震が続いていたりする場合は、無理に家の中に入ってはいけません」
その上で、すみやかに市区町村に罹災証明書の申請を。再調査の場合もあるので、申請後も写真や資料を残しておくことが大切だ。