
「1曲目に歌ったのは言わずと知れた名曲『DESIRE—情熱—』でした。初めこそ声が小さくて表情が硬い印象を受けましたが、MCでは『生きてたぞー!』と力強く挨拶。『7月になったら還暦だ〜』とおどける場面もありました。
しゃべるうちに緊張が解けたのか、2曲目以降は“これぞ明菜”というような圧巻のパフォーマンス。中でも『愛撫』と『MOONLIGHT SHADOW〜月に吠えろ』は、リラックスした表情で歌っていました」(音楽関係者)
中森明菜(59才)が、4月19、20日に大分県で行われた野外音楽フェス「ジゴロック2025〜大分“地獄極楽”ROCK FESTIVAL〜」に出演した。ウルフルズや氷川きよし+KIINA.(47才)ら豪華アーティストが顔を揃えたこのフェスで、全4曲を熱唱し、満員の観客を魅了した。
2022年8月に活動を再開した彼女は、昨年7月には6年半ぶりに歌声を披露していたが、その舞台はファンクラブ会員限定のイベント。自身のファン以外も見つめるステージに立ったのは実に16年ぶりのことだった。
「活動再開後はほかのアーティストとの交流を増やしていて、昨年11月には香取慎吾さん(48才)とコラボしました。明菜さんは翌月に行われた香取さん主催のフェスに観客として来ていて、踊りながら口ずさむほどノリノリだったそうです。この公演にサプライズ出演するのではないかとみる声がありましたが、結局それは実現しませんでした。体調不良による入院療養でステージから長期間離れていたし、かつての歌声を取り戻すのは簡単ではないのでしょう。何より不安もあったはず」(前出・音楽関係者)

そんな彼女の背中を押してステージに引き上げたのが、ジゴロックで共演した小室哲哉(66才)だ。1980年代末から1990年代初め頃にかけて、私生活や事務所移籍にまつわるトラブルで本来の歌手活動に専念できず、気落ちしていた明菜。そのとき彼女に楽曲を提供したのが小室だった。
「彼が作曲した『愛撫』は、彼女の奥行きのある中低音の美声を引き出す曲で、ヒットを飛ばしました。彼女はこのタッグに手応えを感じていたようで、1996年頃には小室さんに『私の曲をプロデュースしてほしい』と熱烈なラブコールを送り、コラボを懇願したそうです。それで生まれたのが『MOONLIGHT〜』でした」(芸能関係者)
野外フェスは天候が読めず、音響設備が整っているとは言いがたい。そのうえジゴロックの開催地は東京から遠く離れた九州の大分。それでも彼女は、休業明け初の“公の場”としてあえてこのフェスを選んだ。
「今回、明菜さんに出演を打診したのは、小室さんでした。30年前、心身共に疲弊しきっていた自分の復活を支えてくれた恩人の誘いですから、彼のためならばと二つ返事で引き受けたそうです。
また、自身の復活が注目を浴びることは織り込み済みでしょうから、彼との共演で隠れた名曲をよみがえらせたい、という思いもあったのかもしれません。初日の公演後には、観光客でにぎわう大分市内の繁華街に“出没”し、一緒に肉料理に舌鼓を打ったそうです。今回限りの共演ではなく、今後もさらなるコラボが見られるかもしれません」(前出・芸能関係者)
希代のヒットメーカーとの再会で、昭和と平成を駆け抜けた歌姫が令和に降臨する。
※女性セブン2025年5月8・15日号