
だしの旨みとしょうゆのコクが絶妙にブレンドされた万能調味料・めんつゆ。味の概念を覆す変化球も登場するなど、各メーカーがしのぎを削る逸品の中から“本当においしい品”を、こだわり派のプロが厳選した。そうめん研究家のソーメン二郎さんが選んだ、変わり種めんつゆのベストバイを9品紹介する。
味の概念を覆すめんつゆ界の変化球
「めんつゆはしょうゆをベースにして作るので、しょうゆ蔵の数だけめんつゆも存在するんです。全国のしょうゆメーカーはおよそ1020。いろいろ試して、自分好みの1本を見つけるのも醍醐味ですよ」(ソーメン二郎さん・以下同)
【そうめん流し発祥の地】唐船峡食品「唐船峡 めんつゆ」(ストレート)
鹿児島ならではの甘めのしょうゆが印象的。

「日本で初めて “そうめん流し”が行われた場所として知られる、鹿児島県指宿市にある渓谷・唐船峡。その地の名前がついたストレートつゆは、鹿児島では定番。家庭でそうめんを楽しむ際も、このめんつゆを使えば、風情あるひとときが過ごせること間違いなしです!」
【しいたけだし】ヤマエ食品工業「高千穂峡つゆ しいたけ味」(ストレート)
地元ではド定番!しいたけの旨みが主役のめんつゆ。

「しいたけだしのコク深い味わいが濃厚すぎて、初めて食べる人は驚くかもしれません。はちみつが入っているため食べた瞬間は甘さが際立ちますが、後味は意外とさっぱり」
【ゆず梅味】湯浅醤油「濃縮 柚子梅つゆ」(3倍濃縮)
普通のつゆに飽きたら試したい1本。

和歌山県名産の梅とゆずを使っためんつゆ。
「梅の酸味とゆずの香りが効いた、すっきりとした味わいで、薬味なしでもいけます。ぜひ、冷しゃぶをのせたそうめんでゆず梅味を楽しんでみてください」
【白えびだし】ヤマゲン醸造「富山湾の白えびつゆ」(4倍濃縮)
素干しえびのだしは味わいまろやか。

「富山県の名産品・白えびの旨みが際立つだし。天ぷらのつけつゆにしてもおいしいですよ」
【揖保乃糸専用】はりま製麺「揖保乃糸めんつゆ」(ストレート)
そうめん・揖保乃糸をよりおいしく食べるためのつゆ。

「思い出の中にある、“夏定番の味わい”が楽しめるめんつゆです」
揖保乃糸とセットで贈るのも、粋。
【ごまみそ】ポールスタア「胡麻香るごまみそつゆ」(2倍濃縮)
ソースメーカーが作るごまとみその濃厚めんつゆ。

信州みそを使用した濃厚なごまみそ風味。
「普通に食べるには、濃厚すぎるくらいかも(笑い)。冷奴にかけたり、あじやさば、大葉を加えた冷や汁にしたりするのもおすすめ」
【鮎だし】三輪山勝製麺「鮎だし入りめんつゆ」(2倍濃縮)
京都の老舗料亭御用達。魚好きにハマる味。

「マイルドで品のある味わいの中に鮎特有の苦みも感じられる、ひねりのある一品。そうめんつゆとして食べるなら、大葉、山椒、みょうがなどの薬味を加えて、鮎の香りを楽しむといいですよ」
【鯛だし】来島開発「海峡つゆ」(濃縮タイプ)
みりんや砂糖を加えて甘さを足せば今治の味に。

ベースは珍しい鯛だし。瀬戸内の海の幸のエキスが詰まっためんつゆ。
【濃厚だし】テンヨ「ビミサン」(5倍濃縮)
山梨生まれのロングセラーだしつゆ。

「かつおだしが効いた濃厚つゆ。容量に対して比較的リーズナブルなので、日常使いにぴったりです」
◆セレクトしたのは:そうめん研究家 ソーメン二郎さん

そうめん復権活動として、全国のそうめんを食べ歩き紹介する、そうめんのプロ。著書に『ラク旨! 無限そうめんレシピ』(扶桑社)他
撮影/玉井幹郎 調理・スタイリング/綱渕礼子 取材・文/番匠郁
※女性セブン2025年5月29日号