
戦後80年にあたる昨年は国内外に“慰霊の旅”に出かけられ、万博やデフリンピックなど、国際的な行事も目白押しだった雅子さま。こうした奮闘ぶりには“頑張り過ぎでは”との心配の声も上がるが、今春にはかつての“心残り”がにじむ地に降り立つことになる。天皇家という特別な環境で手を取り歩んできた、母と娘の絆とは──。【前後編の後編】
愛子さまに支えられながら、激動の1年を走り抜かれた雅子さまは昨年、ご公務だけでなく“家計”の面でも、国民と苦楽をともにするというご覚悟を示された。天皇家の私的費用であり、衣服やお食事、宮中祭祀を担う職員の給与やご静養などに使用される「内廷費」。昨年末、その増額が30年ぶりに検討されていたものの、物価高に直面する国民生活の現状を踏まえて見送られたことが、宮内庁から発表された。
「内廷費の引き上げは物価や公務員給与の上昇幅が一定の基準に達した場合に検討されます。前回増額された1996年と比較すると物価は約13%上昇。これまでの30年間、内廷費は年間3億2400万円で据え置きの状態が続いていました。この間の物価や人件費の上昇幅を踏まえると、現状のままでは約4000万円足りない状態なのです」(皇室ジャーナリスト)
天皇家にも物価高が直撃する中、引き上げが見送られた背景には、両陛下の強いご意向があったという。
「内廷費は天皇家のポケットマネーとされますが、宮中祭祀や諸処のお祝い金など支出の機会は多岐にわたります。宮内庁としては実質的に1割以上目減りしている状況を早期に解決すべく、両陛下に増額を進言しましたが、物価高騰によって多くの国民が苦しんでいることから、お二人は首を縦に振りませんでした。国民に寄り添うという矜持を貫かれたのです」(前出・皇室ジャーナリスト)
そんな雅子さまは、3月に発災から15年の節目を迎える東日本大震災の被災地訪問に臨まれる。両陛下が復興状況の視察を主目的として東北3県を訪問されるのは、即位後初めてのこと。被災地訪問には愛子さまも両陛下に同行することを強く希望されているという。

「愛子さまは日本赤十字社でボランティアの育成に携わりながら、災害関連の行事や能登半島地震の被災地訪問などに臨んでこられました。成年会見でも、皇室の重要な務めについて“被災地に心を寄せ続けること”と語っておられます。ご体調不安がくすぶる雅子さまを支え、被災地鎮魂に臨まれる覚悟を深められているはずです。そして愛子さまはいま、15年前の“雪辱”を果たそうという思いを強められているのかもしれません」(宮内庁関係者)
振り返れば、2011年当時の雅子さまは病気のため思うようにご公務に臨むことができない状態が続いていた。
「震災発生から約1か月が経過した4月上旬、雅子さまは福島の原発事故による避難者の一時避難所となっていた東京都調布市の味の素スタジアムを訪問されました。雅子さまにとって、それが半年ぶりとなるご公務。被災者との交流を20分間とするなど、ご体調への配慮がなされていました。
現地に到着された雅子さまは、出迎えた人たちに手を振られる余裕もお持ちではなかったといいます」(別の皇室ジャーナリスト)
その後も、雅子さまのご体調不良のために被災地訪問の日程が延期されることもあった。
「その頃は精力的に活動される紀子さまと比較されることも多く、“皇族としての役割を果たしていない”と、心ないバッシングにさらされることもありました。雅子さまにとって“被災地に寄り添いたい”という思いに反し、体がついていかなかった当時の状況は、つらい記憶であり、大きな心残りとなっているようです」(前出・別の皇室ジャーナリスト)