ダイエットのためのエクササイズといえば、ツラい筋トレ? そんなイメージをくつがえす、ダンス要素を取り入れた楽しいダイエット法に注目。そこで、俳優、ダンサーとして活躍するかたわら、ダイエットインストラクターとして活動している進藤学さんが考案した「オチョダイエット」をクローズアップ。
著書に『オチョダイエット 8の字が作りだす究極ボディ』、『オチョリズム 8の字で痩せるダンスエクササイズ』などがある進藤さんに、「オチョダイエット」について詳しく教えてもらった。
ひねる動きでインナーマッスルにアプローチ
「オチョダイエット」とは、進藤さんがラテンダンスやアルゼンチンタンゴの動きを取り入れて考案したエクササイズ 。
俳優になる前から社交ダンス、アルゼンチンタンゴのダンサーとして活躍していた進藤さんは、お酒やラーメンなどを好み、食生活には特に気をつけていなかったにもかかわらず、引き締まった体型をキープできていたそう。そこで、ダンス特有の腰をひねる動きがそのカギになっていると気づいたとか。
“オチョ”とは、スペイン語の「8」のことで、体のパーツを、8の字を描くように動かすことが「オチョダイエット」の基本となる。ダンスのステップの1つでもあるという“オチョ”だけれど、なぜこの動きが引き締めに効果的なの?
「ダンスの動きをするときはしっかりと体を支えるためにインナーマッスルを使います。インナーマッスルには、姿勢を維持するのに重要なため天然のコルセットと呼ばれる『腹横筋(ふくおうきん)』、上半身と下半身をつなぐ役割から天然のガードルと呼ばれる『大腰筋(だいようきん)』、そして脇腹から下腹部に向かって斜めに位置する『腹斜筋(ふくしゃきん)』などがあり、これらを鍛えることが全身の引き締めやくびれ作りにつながっていきます」(進藤さん・以下同)
さらに、曲げる、伸ばすなど直線的な動作は体の外側にある筋肉を使うのに対して、8の字の動きによるひねる動作は、無理なく適度な負荷で体の深層部にあるインナーマッスルにアプローチできるのだとか。それにより、効率的な引き締め効果が期待できるのだそう。
また、「オチョダイエット」特有の8の字の動きは、単一の筋肉だけではなく複数の筋肉を同時に使っていることも特徴。例えば、「オチョダイエット」のレパートリーにある「前オチョ」や「歩きオチョ」では、腹筋はもちろん、日常で使うことが少ない太もも後ろの「ハムストリングス」や、弱ると内もものたるみの原因にもなる内転筋(ないてんきん)、そしてお尻周りの筋肉なども同時に動かすことができるから、下半身デブ対策など広範囲のボディメイクにも◎。
「『オチョダイエット』で一番意識してほしいのは、姿勢。重心が外側に流れてしまうと、インナーマッスルを効果的に使うことができないので、足の母指球(足裏の親指の付け根にあるふくらみ)に体重を乗せ、頭のてっぺんから吊られているイメージで背筋を伸ばして行いましょう。正しい姿勢をキープし、使っている筋肉に意識を向けながら、あとは音楽に合わせて踊るだけ。楽しくダイエットできますよ」
我慢しすぎず、楽しく痩せる
進藤さんは、運動面だけでなく、精神面や食事についてなどトータルにダイエットを指導していきたいと思ったことから、ダイエットインストラクターの資格を取得したという。そのうえで、我慢しすぎずに楽しみながら痩せることに重点を置いていると語る。
「食生活に関しては気をつけたほうがいいに決まっていますが、食べる喜びを感じ、人生を楽しみながら理想の体を手に入れてほしいんです。だから、減量ではなくボディメイクを目的に、クライアントへ指導しています。体重に追われると、細くなっても、見た目が素敵ではなくなってしまうこともありますから」
最後に、ダイエットを続けるコツも教えてもらった。
「意識的に行っていたことが習慣として定着するには21日続ける必要があると言われているんです。違和感があることも21日続けたら、それが普通になる。だから、これまでダイエットが三日坊主で続かなかったという人は、三日坊主を7回やればいいんです。まずは3日、あと3日、と、これが習慣になれば、ダイエット成功の第一歩です」
これまでダイエットに挫折してきたという人も、「オチョダイエット」が習慣になれば、楽しく美ボディを目指すことができるかも。
撮影/生熊友博 取材・文/榎本麻紀恵
◆監修:進藤学さん
しんどう・がく。1980年1月7日、東京都生まれ。アルゼンチンタンゴダンサーとして活躍しながら、2005年に俳優デビューを果たす。俳優として活躍するかたわら、ダイエットインストラクターの資格を取得。ラテンダンス、アルゼンチンタンゴの要素を取り入れた「オチョダイエット」を考案し、インストラクターとして指導を行っている。著書に、『オチョリズム 8の字で痩せるダンスエクササイズ』『オチョダイエット 8の字が作りだす究極ボディ』(双葉社)など。