朝晩はめっきり涼しくなり、うっかり部屋の窓を開けて寝たら朝方肌寒くて目が覚めた、昼間の日差しでかいた汗が引いて体が冷えたなど、この時期特有の気温差に体調を脅かされているのでは?
そろそろ風邪やインフルエンザの流行も気になる季節。ウイルスや菌に負けない体を作っておきたい!ということで、「マラソン界のシンデレラ」と呼ばれた最強美人ランナー市橋有里(いちはし・あり)さんに、免疫力を高め、風邪などの予防に役立つレシピを直撃!
日毎の気温差に体も気持ちもついていけないライターFが徹底レポートします!
栄養たっぷり!斬新な組み合わせが楽しいフルーツサラダ
――春菊と柿! なかなかない組み合わせですね。
有里:最近、桃や梨などを使ったフルーツサラダはいろいろありますけど、柿はちょっと新鮮ですよね。
――はい。それに、春菊をサラダでというのも新鮮です。
有里:そうですね。私は、現役の頃から春菊の独特の苦味が好きだったのですが、実家では、すき焼きのときくらいしか食卓にのぼらなくて。
自分で料理をするようになってから、初めて春菊を生で食べたのですが、その味をすっかり気に入ってしまい、それ以来、よくサラダに使っています。
――有里さんを虜にした春菊の生の味わい、気になります。あと柿との相性も!
有里:春菊の苦味と柿の甘みとのコントラストが絶妙で、くせになるおいしさですよ! 春菊は栄養豊富な食材ですが、旬の柿と合わせることで、カリウムやビタミンCもさらにアップしますしね。
――シンプルなのに、これ1品でしっかり栄養を摂れそうですね。
有里:それはもう、栄養たっぷり! 丈夫で美しい体作りに欠かせない栄養素が詰まったヘルシーサラダです。
――季節を味わうヘルシーサラダ、楽しみです。
《材料》(2人分)
春菊…1袋 柿…1/2個 お好みのシーザードレッシング…適量 こしょう…少々 くるみ…5個
《作り方》
【1】 春菊は葉の部分だけをちぎり、柿は皮をむいて、いちょう切りにする。
【2】 ボウルに【1】を入れ、シーザードレッシングをかけ、よく混ぜる。仕上げにこしょうを振り、くるみをトッピングする。
すき焼きだけじゃもったいない!春菊が「食べる風邪薬」と言われる理由
――春菊は独特な苦味のある味わいが、いかにも体によさそうな気はしますけど、実際のところどうなのでしょうか?
有里:春菊は、漢方では「食べる風邪薬」と言われていて、痰や咳を鎮めたり、消化を促進したり、のどや肺を守るはたらきもあると言われています。
――本当に風邪薬みたい!
有里:そう。春菊は、抗酸化作用のあるβ-カロテンが豊富なので、それが体内でビタミンAに変わって、呼吸器を守ったり、粘膜や皮膚を健康に保ったりしてくれるというわけです。
――すごい効能があるんですね。
有里:それだけじゃなく、春菊の独特の香り成分には、自律神経を落ち着かせて咳や痰などの風邪の症状を和らげたり、胃もたれを解消したりする効果もあるんですよ。
――ちょっと風邪をひいたような気がするけど、薬を飲むほどじゃないっていうときには、春菊を食べるとよさそうですね。
有里:そうですね。それに、β-カロテンには免疫力を高める効果もあるので、症状への対策だけでなく、風邪の予防のためにも春菊を食べるのはおすすめですよ。
――なるほど! 未然に病気を防げるのがベストですよね。
有里:そう。春菊はミネラルも豊富で、健康な体作りに必要な栄養が本当に充実しています。
サラダに使わなかった芯の部分は、さっと茹でてごま和えにしたり、アヒージョにしたりしてもおいしいので、ぜひ、鍋のとき以外にも食べてみてくださいね。
――はい!
まるで天然のビタミン剤!旬の柿で免疫力アップ
――この前、住宅街を歩いていたら、大きな木に色づいた柿がたくさん実っているのを見かけました。
有里:柿は、まさに今が旬ですね。春菊が「食べる風邪薬」なら、柿は「天然のビタミン剤」といっていいくらいビタミンが豊富なんですよ。
――そうなんですか?
有里:柿には、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンB1、B2が含まれていて、なんと、ビタミンCの含有量はかんきつ類の約2倍と言われています。
――かんきつ類よりビタミンCが豊富なんて、意外!
有里:さらに、抗酸化作用のあるポリフェノールや、皮膚や粘膜を強化する働きのあるビタミンAも豊富なので、美容にも風邪予防にも効果的です。
――すごい! 春菊と柿は、この時期に最強の組み合わせですね。
有里:はい。どちらも漢方に使われるくらい効能がある食材なので、普段の食生活から風邪をひきにくい体を作りたい、ちょっと風邪気味だから、しっかり栄養を補給したい、というときなどにピッタリです!
――最初は意外な組み合わせに感じられましたけど、シーザードレッシングとの味わいも、ハマりそうなおいしさです。
有里:それはよかった! シーザードレッシングに飽きたり、切らしたりしたときには、ごまドレッシングやホワイトバルサミコとオリーブオイル、塩、こしょうで食べてもおいしいですよ。くるみなどのナッツ類をトッピングすると、これからの季節の乾燥対策にもなりますね。
――その食べ方もやってみたいと思います!
有里:ぜひ! 1つ注意が必要なのが、柿にはカリウムやタンニンが含まれていて。それらには体を冷やす効果があるので、温かいお茶やスープと一緒にこのサラダを食べると、もっと体にうれしい食事になるかと思います。
――なるほど。せっかくなら、柿の葉のお茶を合わせてみるのもいいかもしれませんね。このサラダがあれば、気温差や乾燥に悩まされがちな季節も、体も肌も元気に過ごせそうです。有里さん、今回もステキなレシピをありがとうございました!
有里:こちらこそ。秋は行楽シーズンで、何かとイベントも多い季節。体調や肌荒れなどに悩まされずに楽しみたいですよね。体を強くしてくれるビタミンが豊富で、抗酸化作用も高い春菊と柿を一度においしく食べられるサラダは、体調を崩しやすい季節の風邪予防と美肌対策に“アリ”だと思います!
* * *
天然の風邪薬やビタミン剤といってもいいほど栄養価が高く、漢方にも用いられている春菊と柿。症状が出てから薬で対策をするのではなく、普段の食生活から免疫力を高め、丈夫な体を作っていけたら理想的ですね。
手軽に作れる秋のシーザーサラダで、季節を感じながらしっかり栄養補給をして、深まり行く秋を健やかに過ごしましょう。
レシピ考案:市橋有里
いちはし・あり。1977年11月22日、徳島県生まれ。アスリートフードマイスター・料理研究家・ランニングアドバイザー。1999年、世界選手権セビリア大会銀メダル獲得。2000年、シドニーオリンピック日本代表。「マラソン界のシンデレラ」とも呼ばれ、現在はランニングアドバイザーとして女性誌でランニングモデルをしたり、料理イベントをするなど、活躍の場を広げている。
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