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「美容&健康」で選ぶお部屋の色|リビングは緑、寝室は青がイイのはなぜ?

「日常に色彩を上手に取り入れることで、恋愛からダイエット、快眠まで効果を上げられます」

こう話すのは、著書の『16色の色彩力があなたを変える!』(辰巳出版)で、色の持つ力を提唱する元テレビ東京アナウンサーで色彩心理研家の大平雅美さん。今回、住まいに積極的に取り込みたい色を部屋別に教えてもらった。引っ越し予定のある人、気分転換に部屋のレイアウトを変えたい人はもちろん、クッションなど小物の色を見直したい人にも参考にしてほしい。わざわざ小物を買い替えなくても、飾る花の色に気遣うだけでも効果的だという。

写真/ゲッティイメージズ
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まず、大平さんに、主要な色である赤、オレンジ、黄色、緑、青の持つ力について教えてもらった。

「暖色系でいえば、赤は、エネルギーが発散され、気分が高揚する色。オレンジ系は、気分を爽快にしてくれ、食欲を増進させます。同様に黄色系も明るくにぎやかな気分になり、淡い黄色は部屋を広く見せてくれます。

中間色の緑系は、心身をリラックスさせ、安らぎをもたらすヒーリングカラー。そして寒色系の青系は、興奮をしずめ、気持ちを落ち着かせてくれる他、集中力を高めてくれます」

この基礎知識を元に、各色を部屋にどう配置したらよいか。リビングから見ていこう。

リビングには、ビビッドカラーよりヒーリングカラーの緑が◎

ソファやランプシェードなど緑色で統一されたリビング
写真/ゲッティイメージズ
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リビングには、何色を使ったらいいか。オレンジや黄色系など楽しい気分にしてくれる色を使うのもいいが、大平さんは「くつろぎの緑色がおすすめ」と話す。

「あるご夫婦の例です。奥さまが、いつも疲れて帰ってくる旦那さんのために、気分が明るくなるようにとカーテンの色を鮮やかな黄色に替えました。すると、それ以来イライラしたり落ち着きがなくなったりして些細なことで喧嘩をするように。そこで以前のピンクベージュのカーテンに戻したら、喧嘩は収まったそうです。この場合、黄色は黄色でも鮮やかな色を使ったところがポイントです。鮮やかな黄色は『進出色』に分類される、落ち着きを失わせる側面もあります」

一方、緑色は落ち着きを与えてくれる色。

「緑はじっと見ていると毛細血管が拡張されるとされ、血液の流れが穏やかになると言われます。長時間の読書やテレビ、パソコンなどで疲れた目を休めたいときにもおすすめです」

緑の多い公園や森に行くとなぜか癒されるのは、緑色のおかげだろう。

部屋にも、グリーンの面積が大きい観葉植物を部屋の隅に2~3鉢置くのもいいし、カーテンを替えられるなら、広い面積で緑色を見られるのでくつろぎ効果は高くなるはず。

寝室には、快眠をもたらす青を

青いカバーのかかった寝具がセットされているベッドルーム
写真/アフロ
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寝室には、興奮を抑える青がおすすめだという。

「青は高ぶった神経をしずめ、精神を安定させる色と言われるので、くよくよと悩んだり緊張したりして眠れないかた、悪夢を見てうなされるかたは特に取り入れてほしい。さらに、エネルギーを蓄え、心身を回復させたいときにもおすすめです」

ただ、ややもすると寒々しい印象にもなるので、カーテンやベッドカバーなど大きい面積の場合は、パステル系や模様のあるデザインを選ぶといいかもしれない。

「赤い花、黄色のランプシェードなどを置くとより和むでしょう」

食欲や体調に応じて、花や小物の色をチョイス

木目調のダイニングテーブルにバラの入った花瓶とコーヒーカップが並んでいる
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家族のコミュニケーションに欠かせない食卓。

「ここは、テーブルや椅子、食器棚など比較的面積の広いインテリアには、ナチュラルベージュなど、リラックス効果の高い明るい木肌系が望ましいでしょう。一方、黒やガラスのテーブルなどはシックで洗練された雰囲気ながら冷たい印象にもなりがちです」

では、食器やランチョンマットなどの小物、つまりアクセントカラーはどう選ぶとよいか。

「ダイエット中のかたは、食欲を抑える青、最近食欲がなくて困っているかたは食欲をそそる赤やオレンジ色を。小物を買い替えるのが難しいなら、一輪の花を飾るといいでしょう。花であれば、そのときの体調や食欲に応じて気軽に色を替えられます」

玄関には、暖色系の花を飾ろう

玄関にあるシューズボックスにオレンジ系のチューリップが入った花瓶が置かれている
写真/アフロ
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玄関に色彩力を活用するなら、花や絵を飾るのが効果的だ。

「北向きに玄関があるご自宅なら、赤や黄色などの暖色系の花や絵を飾ると、来客を温かくもてなすことができるでしょう。仕事や育児で忙しいかたは、玄関のドアを開けた瞬間、ヒーリング効果のある緑や心がほぐれる淡いピンクのフラワーアレンジメント、花があるとほっとしますね」

美肌効果を狙うなら自然光か白熱灯

自然光の入るダイニングでテーブルセットする肌の美しい女性
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小物や花の他、照明の色にもこだわりたい。リビングでくつろぎたいときは、黄色みを帯びた照明を。

「自宅の照明は、黄色みを帯びた色が理想的です。温かくてほのぼのとしたくつろぎ感があり、和やかな空間を演出します」

ダイニングルームでは、白熱灯がおすすめという。

「白熱灯は料理をおいしく見せる効果があります。以前、テレビの実験で、白熱灯と蛍光灯で料理の印象を比べたところ、白熱灯の方がマグロの刺身が赤みが鮮やかで新鮮に見えましたが、青白い灯りの蛍光灯に照らされた刺身は黒っぽく新鮮さが欠いた印象に。酢豚などの色彩豊かなメニューでも同様でした」

そしてぜひ知りたいのが、美肌効果のある照明の色。

「肌を一番きれいに見せてくれるのは、自然光。晴れた日の屋外、あるいは自然光がよくはいるリビングですね。次に柔らかい光の白熱灯です」

白熱灯は、料理をおいしく見せてくれる上、肌もきれいに見せてくれる効果があるため、ダイニングとリビングが一体となっている部屋ではぜひ取り入れたいところ。

「難しければ、蛍光灯の全体照明はそのままにして、白熱灯のランプや照明器具をダイニングテーブルの近くに置いて、併用するのも一策です」

さて、あなたの家はどうだろうか。熟睡できない人は寝室に青い枕カバー、イライラしがちな人はリビングに観葉植物を置くなど、インテリアに「色彩力」を取り入れれば、悩ましい現状を打破できるかもしれない。

この人に聞きました:大平雅美さん

色彩心理研究家、元テレビ東京アナウンサー。アナウンサー歴30年超を活かし就職指導や社員研修、話し方トレーニング等を行う。東京商工会議所1級カラーコーディネーター(商品色彩)やカラーセラピスト資格を持ち、カラーアドバイスは政治家や文化人など約3000人の診断実績。大正大学客員准教授として「色彩と映像」などを講義。香川県出身。立教大学大学院文学研究科比較文明学専攻修了。著書多数。

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