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新型コロナ治療のための幹細胞研究・開発でANAPラボがASメディカルサポートと業務提携

衣料の輸入・販売などの事業を行うANAP(アナップ)の子会社で、ファッション領域を中心にAI技術によるシステム開発を行ってきたANAPラボが、ASメディカルサポートとの業務提携を発表した。

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マイクをもつANAPラボ代表取締役の家高利康氏
ANAPラボ代表取締役の家高利康氏
写真2枚

今回の業務提携は、再生医療医監修のもと設立されたASメディカルサポートが行っている自己脂肪由来幹細胞のバンキング事業の拡大と、新型コロナウイルスによる急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療のための共同研究・開発が目的。

これまで画像認識でタグや最適な説明文を自動生成する「ATS(オートタギングシステム)」などを開発してきたANAPラボは、幹細胞バンキング事業のオペレーションを最適化するためにAI技術を提供するという。

幹細胞バンキング事業とは

ASメディカルサポート顧問医師の山口修司氏によると、幹細胞とは自己再生能力と、失われた組織や神経などに分化する機能である多分化機能の2つを持つ細胞のことで、強い抗炎症能力、免疫調整機能を持ち合わせており、ダメージを負った組織に集積する性質があるという。また、海外ではさまざまな論文があり、安全性についても記載されていることも紹介された。

現在、自己脂肪由来幹細胞を培養して使う自家細胞治療による再生医療が行われているのは、糖尿病、変形性関節症、非アルコール性脂肪肝炎、脳梗塞、脊髄損傷などで、他人の幹細胞を培養した他家細胞治療に比べて、拒否反応が出にくいことがメリットとして挙げられている。

そして、病気になる前に健康な幹細胞組織を採取し、-196度で冷凍した幹細胞を銀行のように保管しておくのが細胞バンキングというシステムで、これにより必要になったときに細胞を採取して培養するよりも早く治療することができるという。

新型コロナウイルスに対する活用

ASメディカルサポート代表取締役の荒尾慎太郎氏
写真2枚

通常は4~6週間かけて投与に必要な幹細胞の量を作るところ、細胞バンキングに保管する場合は3週間ほど培養してから冷凍保管するため、培養にかかる期間が短く済むのが大きなメリット。

特に、今回の新型コロナウイルスの死因の多数を占める急性呼吸窮迫症候群では、幹細胞を使った早急な治療が求められるため、細胞バンキングが必要不可欠であると考えていることが語られた。

検体を加工・保管する施設を新設

さらに、ANAPラボとASメディカルサポートの業務提携に加え、施設提供および運営をアールズメディカルサポートが担当する形で、千葉県に細胞加工施設「東日本再生医療センター(仮)」が10月に開設される予定であることが発表された。

これまでASメディカルサポートでは年間1400検体の保管・培養を行ってきたが、ANAPラボのAI技術を活用した「東日本再生医療センター(仮)」では、年間1万2000検体の保管、約10万検体の細胞バンキングが可能になるという。

【データ】
ANAPラボ
http://anaplab.com/

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