健康・医療

高血糖を防ぐには「早歩き」を! 糖尿病改善のために“3分でできる方法”を解説

肥満やつらい生活習慣病の原因になるのが、血液中のブドウ糖の濃度が高い「高血糖」状態。これは、糖質を多く摂取すると高くなりやすいと言われている。

糖質を含む食品
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そこでダイエットや糖尿病の改善のために、糖質オフダイエットに励む人も多いだろう。

ただ、改善策は「糖質オフ」だけではない。本記事では、より効率的に体質改善するために、高血糖の仕組みをおさらいしつつ、糖質オフダイエットより継続しやすい方法を紹介したい。教えてくれたのは、近著『高血糖の9割は早歩きだけで治る!』(宝島社)が話題のダイエット専門医・工藤孝文さんだ。

糖質を多く摂ると肥満につながる理由

まずは、血糖値の仕組みからおさらいしよう。前述の通り、血液中のブドウ糖の濃度が高い状態が「高血糖」。それがなぜ肥満や病気につながるのか。

◆すい臓から分泌されるインスリンが関係

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「まず、白米やパンなど糖質が含まれるものを食べると、その糖質はブドウ糖などに分解されて小腸から吸収されます。ブドウ糖は血液によって全身に運ばれ、エネルギー源として消費されたり脂肪として体内に蓄積されます。

この過程で、食事を通して届けられたブドウ糖の量が適正であれば、細胞がエネルギーとして消費するため、血糖値は正常です。ところが血液中のブドウ糖が適正量より多い場合、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、ブドウ糖を脂肪に変えて脂肪細胞として体内に蓄えられます。このとき必要以上に脂肪が蓄えられると肥満につながるのです」(工藤さん・以下同)

高血糖ななぜ心筋梗塞や脳卒中を引き起こすのか?

高血糖の状態が続くのが糖尿病で、さまざまな病気を引き起こすため、注意が必要になる。

◆ブドウ糖がたんぱく質と結びつく

「血液中のブドウ糖が多い状態が続くと、糖を脂肪に変えるインスリンの働きも追いつかなくなり、血管内にブドウ糖が滞留してしまいます。滞留したブドウ糖はやがてたんぱく質と結びつき、血管の内側の壁を傷つけたり、血管を詰まらせたりします。動脈の内壁が傷ついてしまうと、かさぶたのような血管内に塊ができ、心筋梗塞や脳卒中などの命にかかわる脳血管事故を起こすこともあります」

高血糖は、肥満や糖尿病だけでなく、重大な病気を招く諸悪の根源なのだ。

血糖値が正常かどうかを調べる方法

そもそも、自分の血糖値が警戒レベルかどうか、知らない人もいるだろう。

「調べ方は、医療機関等で検査を受けて、血液中のブドウ糖の濃度=血糖値を出してもらうことです。数値が出ると、『糖尿病型』、『正常型』、そのどちらにも属さない『境界型』のいずれかに判定され、自分が注意すべき高血糖状態なのかどうかがわかります」

血圧計のイメージ
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◆血糖値の量を正確に知るなら「ヘモグロビンA1c」の量を調べる

ただし、この検査は前後の生活で血糖値が変動しやすい。より正確に普段の血糖値を知るためには「ヘモグロビンA1c」の量を測る検査がおすすめだ。

「ヘモグロビンA1cとは、血液中のブドウ糖が赤血球のたんぱく質と結びついた物質。数値の変動が少ないため、計測前2~3か月の血糖値の状況が把握でき、生活ぶりを推測しやすいのが特徴です。この数値が6%未満だと正常値、6~6.4%が糖尿病の疑いがあり、6.5%以上が糖尿病の可能性が高いとされています」

血糖値が高いとどうなるかは、前述の通り。一方ヘモグロビンA1cが高いと、次のような影響が出る。

「ヘモグロビンA1cは、毛細血管のような細い血管を傷つけます。細胞に酸素や栄養素を届ける血管が切れたり血行の流れが悪くなったりすると、糖尿病になりかねない。その糖尿病も進行すると、最悪の場合、壊疽(えそ)を起こし、足を切断せざるを得ないこともある糖尿病性神経障害などにつながる恐れもあります」

高血糖を防ぐためにまずやるべきこと

そうならないためには、必要以上に糖質を摂りすぎないこと。あるいは、糖質を効率よく消費することが肝心だ。

◆食事療法で糖質量をコントロール→運動で脂肪を消費

「ファーストステップとしてできることは、食事療法で糖質の摂取量をコントールしつつ、運動療法で脂肪を消費すること。それでも改善されなければ、血糖を下げる薬の服用や、外からインスリンを補うインスリン注射を受ける治療が必要になります」

といっても、難しいことをする必要はない。工藤さんは、日々の生活に3分程度の「早歩き」を取り入れることを推奨している。この方法なら、過度な食事制限も激しい運動も不要になる。