健康・医療

高血糖を防ぐには「早歩き」を! 糖尿病改善のために“3分でできる方法”を解説

なぜ「早歩き」が血糖値をコントロールしてくれるのか

工藤さん曰く、早歩きは数分といえどもエネルギーを消費してくれるため、食べたいものも好きなだけ食べることができる。その点では、心身ともに、もっとも負荷のないやり方と言える。

走っている女性の後ろ姿
写真/アフロ
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「ダイエットの大原則として、エネルギー(カロリー)の摂取量が、消費量がよりマイナスになるか、プラスマイナスゼロになればOKとされています。つまり、食べたいものを食べても、その分体内でエネルギーの消費量を増やせばいい。いいかえれば、糖質を摂取してもそれを効率よくエネルギーに利用できるシステムを作れば、我慢する必要はないのです。糖質を効率よくエネルギーに変え、エネルギーをどんどん消費していくには、筋肉の量を増やすことがポイント。筋肉は、脂肪を燃やしてくれる働きもあります」

◆早歩きすることで筋肉量が増えていく

早歩きをすることで、筋肉は次のように変わっていく。

「早歩きはちょっときつめの運動なので、筋肉も多少傷つきます。傷ついた筋肉は、修復するときに『次回に備えて少し丈夫になっておこう』という作用が働き、結果として筋肉量が増えていくのです」

高血糖を防ぐ「早歩き」の具体的なやり方

ただ早歩きをすればいいわけではない。歩き方について工藤さんはこう解説する。

「まず、歩くときは姿勢を正してしっかり呼吸を。こうすることで、腹筋が鍛えられます。さらにその状態で90度くらいにひじを曲げ、腕を振って歩けば背筋も強化。そして、やや大股で足を大きく踏み出し、かかとから着地。前足の足裏を全部地面につけ、また後ろ足のつま先でけりだして前進。こうした足の使い方で、太ももの前側、裏側、内側などが鍛えられます」

歩道を歩く女性
写真/Getty Images
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筋肉の量は、この早歩きと普通の歩き方を3分ずつ交互に行うことで、より効率的に増えていく。例えば、近所のスーパーマーケットや駅に行くとき、早歩きと通常のゆっくり歩行を3分間ずつ繰り返したり、店内ではゆっくり歩行、店を出て家までの距離は早歩きなど、メリハリをつけるのだ。

◆「速筋」と「遅筋」、2つの筋肉を使う

「この方法は、瞬発力を出す『速筋』と、持久力を支える『遅筋』、2つの筋肉を交互に使います。前者は、筋トレやランニングなどで負荷をかけたときに鍛えられて量が増えます。対して、遅筋は鍛えることで血液中の糖を細胞に取り込み、エネルギーとして使う働きを効率よくしてくれます。この2つを繰り返し使っていくことで、疲れを感じにくくなり、早歩きも長続きしやすくなります。もちろん、代謝のいい体作りにもひと役買います。実際、この方法を取り入れた患者さんの多くが高血糖の改善、そして減量に成功しています」

早歩きは、筋トレや長時間のウォーキングなどと違い、負荷が少ないため継続しやすいことも大きなメリット。駅に行くときや買い物時など、日常的にも取り入れやすく、そのために時間を作ったり、ウェアやタオルといった準備をする必要もない。早速今日から始めてみよう。

教えてくれたのは:医師・工藤孝文さん

工藤孝文さん
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減量外来・糖尿病内科医。福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへの留学を経て、現在は福岡県みやま市の工藤内科で診療を行う。日本内科学会、日本肥満学会、日本糖尿病学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学会、小児慢性特定疾病指定医。『ガッテン!』(NHK総合)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)など、テレビ出演も多数。YouTubeチャンネル『シックスパックのイケメン医師工藤孝文先生のダイエット外来』も配信中。工藤孝文先生の公式HP

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