「首と手のアンチエイジング」は女の永遠のテーマだ。顔のシミやしわはメイクで、体形の崩れは服で隠せても、常にむきだしの首と手は、否応なしに私たちに加齢の現実を突きつけるから。顔面より老け見えしてしまう、“浮き出た甲の血管”や“たるんだあご下のしわ”はどうにも隠しようがない…そう思い込んでいませんか?
その首と手の悩みを解決する、たった2つのストレッチ&トレーニングだけで見た目が変わる方法を伝授。クリームや道具などを使わず即効性のある方法を、今すぐ実践して若見えを実現すべし!
年齢を感じさせる老け首、老け手とは?
「どんなに若作りしても、首と手を見れば年齢がバレる」とはよくいわれるが、そもそも年齢を感じさせる“老け首”や“老け手”とは、どんな状態をいうのだろうか。
医学博士で皮膚科専門医の今泉スキンクリニック院長・今泉明子さんは、首の老化は「縦じわに出る」と指摘する。
「横じわは体質や生活習慣によって、若くてもある人はあるのですが、“ちりめんじわ”のような縦じわは、加齢によって目立ってくることが多い。そもそも人間は加齢とともに骨が萎縮しますから、首の皮膚が余っていくのは、年齢を重ねた証拠。余った皮膚がもたつくことにより、しわやたるみができるのです」(今泉さん)
◆老けて見える二重あごや「手の甲の血管」の原因は
理学療法士でヨガインストラクターの佐藤由布子さんは、“老け首”の特徴に二重あごを挙げる。
「若々しい首は、あごから首のラインがすっきりしていて、長く見えますが、老け見えする首は、短く太く見えるのが特徴。あごまわりに肉や老廃物がたまってフェイスラインがもたついていたり、姿勢が悪くて肩が上がったりしている状態です」(佐藤さん)
短く太い首は、老けて見えるだけでなく体重以上にどっしり太って見えるのもマイナスポイントだ。対して、手の老化で最も顕著なのは、甲から浮き出た血管だそう。
「もともと手の甲はコラーゲンや脂肪が少ない場所であるため、年齢とともにコラーゲンが減少して皮膚が薄くなると、自ずと血管が浮いてくるのです。次に多いのがシミやイボ、その後にくすみ、小じわ、皮膚の硬化が挙げられます」(今泉さん)
老け首と老け手の主な原因
“老け首”の原因は、同じ姿勢を長時間続ける環境や、高すぎる枕、食いしばり癖など、生活習慣によることが多い。佐藤さんが言う。
「家事やパソコン作業、スマホの操作など下を向いたまま行う動作は、首の後ろ側の筋肉が緊張状態となります。首の後ろばかりを使っていると首の前側がたるんで、二重あごになりやすく老けて見える原因になります」
◆コロナ対策のアルコール消毒も影響
一方、“老け手”のほとんどの原因は、紫外線と乾燥によるという。
「皮膚の保水力や弾力を担っているコラーゲンやエラスチンは年齢とともに減少していきますが、紫外線や乾燥など、外的刺激によっても加速して失われていきます。特にいまはコロナ禍でアルコール消毒を頻繁に行っているため、消毒による乾燥・ダメージはかなり進行しているはずです」(今泉さん)
老け首と老け手を改善するグッズ
では、どうしたら“老け首”と“老け手”を解消できるのだろうか?
「首は顔とつながっているので、顔に塗る保湿ケアは首にも行ってほしい。顔に当てる美顔器を首に当てるのもいいでしょう。夜は、熱を逃さず、かつ汗を吸ってくれるプラチナフォトン素材のネックウオーマーをして寝ると高い保湿効果を期待できる。冷房で冷えた首にもおすすめで、これからの季節、あせもができない程度に使用してみるのもいいでしょう」(今泉さん)
◆手はハンドクリームなどで保湿ケアを
保湿ケアが重要なのは手も同様だ。
「紫外線と乾燥によるダメージには、とにかく保湿ケアが重要となります。できるだけ、ハンドクリームは時間帯によって使い分けたいところ。夜はプロペトやワセリンなど、軟膏ベースのしっとりしたクリームを塗り、綿の手袋をして寝てほしい。密閉療法といって、覆うことで成分の浸透が早くなります。
日中はあまりべたつくと生活に支障が出るので、乳液のようなさらさらしたテクスチャーのクリーム、またはオールインワンジェルやスプレータイプの化粧水がおすすめです。アルコール消毒をした後は皮膚が乾燥するため、なるべくこれらのアイテムで保湿するよう心がけてほしい」(今泉さん)
即効で若返る!老け首を解消する首体操
すっきりした若々しい首を作るには、即効性の高い首のストレッチも有効だ。佐藤さんに、“老け首”を撃退するストレッチを教えてもらった。
「気にかけてほしいのは、首の前面の筋肉と側面にある胸鎖乳突筋。これらを鍛えると二重あごが解消され、美しいデコルテが手に入ります」(佐藤さん・以下同)
やり方は簡単だ。舌を上あごにつけ、下あごを突き出すように上を向くだけ。このとき鎖骨を両手で押さえても効果的だ。
「舌を動かす筋肉は首の前面についているため舌まわりの筋肉もしっかりリフティングして鍛えることがポイントです」
◆首の前面を伸ばすストレッチのやり方
これに加えて取り組みたいのが、首のたるみを取るための「四つん這いトレーニング」。まず四つん這いになり、首はまっすぐのまま下を向き、そのままキープする。慣れたら首の前面の筋肉を意識しながら頭の位置をずらさず顔をひねって左右を向く。これをゆっくり5セットほど行うといい。
◆首を鍛える四つん這いトレーニングのやり方
「首を動かし、筋肉を使うことでたるみを軽減させます」
いずれも身一つで今日からはじめられるので、ぜひ試してほしい。この夏は顔にとどまらず、「パーツアンチエイジング」に取り組みたい。
イラスト/飛鳥幸子
※女性セブン2020年8月20日・27日号
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