消化不良で胃もたれや胸焼けする、食べると強い眠気に襲われるという悩みは、漢方で解決できるかもしれません。
漢方薬の「六君子湯（りっくんしとう）」は胃腸の働きを改善し、消化不良や胃もたれ、吐き気などへの効果が期待できる、と薬剤師の清水みゆきさん。
【第2類医薬品】「クラシエ」漢方六君子湯エキス顆粒 45包（公式HPより）
そこで、どんな体質の人に合う漢方薬なのか、どんな効果があるのか詳しく解説してもらった。
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六君子湯ってどんな漢方薬？
◆六君子湯はこんな漢方薬
六君子湯は、以下のような人におすすめの漢方薬です。
□もともと胃腸が弱い
□胃もたれや吐き気がある
□食後に眠くなる
漢方医学では、「気（生命エネルギー）」の不足や「水（血液以外の水分）」の滞りが、胃もたれや吐き気など、胃腸の不調を引き起こす原因となると考えます。また、気の不足は食後の強い眠気を引き起こします。 「六君子湯」は、気を補い水の滞りを改善することで胃腸の働きをよくするとされているため、消化不良による胃もたれや吐き気、食後の眠気などの改善が期待できる漢方薬です。
◆六君子湯に効果を感じた人の事例
40代女性に六君子湯を処方した事例を紹介します。
彼女は、もともと疲れやすくて胃腸が弱く、冷たいものや生ものを食べすぎると胃もたれや吐き気がしたり、下痢をしたりすることが多かったそうです。さらに、食後には強い眠気に襲われることが多いため、眠気覚ましに多量のコーヒーを飲んでしまい、さらに胃の調子が悪くなるという悪循環に悩まされていました。
六君子湯をのみ始めたところ、まず下痢をすることが減り、胃もたれや吐き気も改善してきたそうです。また、食後の眠気も軽減したため、無理にコーヒーを飲まなくてもすむようになったとのことでした。以前より胃腸の調子がよくなり、疲れにくくなったと喜んでいらっしゃいました。
胃腸が弱い、食べると強い眠気が出る、疲れやすいといった症状に、六君子湯の効果がしっかり出た事例です。
◆六君子湯に含まれる生薬
六君子湯には以下の8つの生薬が含まれています。
体内に停滞した余分な水分である痰を取り除く「半夏（はんげ）」と「陳皮（ちんぴ）」、水の巡りをよくする「茯苓（ぶくりょう）」と「白朮（びゃくじゅつ）」、胃腸の働きを整える「人参（にんじん）」、「大棗（たいそう）」、「生姜（しょうきょう）」、「甘草（かんぞう）」です。
半夏、生姜、茯苓は胃内に停滞した水を取り除き吐き気を止める働きもあります。また、人参、甘草、白朮は気を補い体力をつけるので、疲れやだるさの改善も期待できます。
漢方薬ってそもそも何？
漢方薬は自然の恵みである動植物や鉱物の有効成分を見出して、心身の症状の改善に役立てるために研究された薬で、医薬品としても効果と安全性が認められています。また、一般的に、西洋薬よりも副作用は少ないといわれています。
「気・血・水（き・けつ・すい）」という言葉を聞いたことがありますか？ 「気」は心と体の生命エネルギー、「血」は酸素や栄養を運ぶ血液、「水」は汗、唾液などの血液以外の体液を指します。漢方医学では、この「気・血・水」の3つが体内を過不足なくスムーズに巡ることで、心と体の健康が維持されていると考えます。
漢方薬はこの考えに基づいて生薬を組み合わせたものです。例えば、痛みだけを抑えるような治療をするのではなく、痛みを抑える以外にも、痛みの原因となる体内の気・血の滞りを解消し、必要なものが足りない場合は補うというように、根本的な不調と体質の改善を目指します。
栄養バランスのよい食事や規則正しい生活、運動を続けるのは苦手という人は、漢方薬も取り入れてみるといいかもしれません。漢方医学を日常に取り入れ、不調の無い生活を過ごしましょう！
漢方薬をのむときの注意点
漢方薬を試してみたい場合は、ドラッグストアで購入する、漢方クリニックや漢方薬局で処方してもらう、などの方法があります。
ただし、漢方薬は、自分の体質に合っていなければ、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあるため注意が必要です。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、服用するときは、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
近くに漢方について相談できる場所がないという人には、AI（人工知能）と漢方のプロフェッショナルが効く漢方薬を見極めて、手頃な価格で自宅まで配送する「オンライン個別相談・AI漢方」（https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/）などの、スマホで気軽に頼めるサービスもおすすめです。
食後の強い眠気や胃もたれ、胸焼けをすっきり改善しよう！
気を補い水の滞りを解消して、胃腸を整える働きのある「六君子湯」は、以下のような人におすすめの漢方薬です。
・もともと胃腸が弱い
・胃もたれや胸焼けを改善したい
・食後の強い眠気を改善したい
胃腸の働きがよくなると、消化器の症状だけでなく、疲れなどの不調の改善も期待できます。 漢方で毎日を元気な笑顔で過ごしていきましょう。
教えてくれた人：あんしん漢方（オンラインAI漢方）薬剤師 清水みゆきさん
しみず・みゆき。漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。
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