洗濯したにもかかわらず、衣類やタオルからイヤなにおいがする…その原因は洗濯物に繁殖する菌。そこで抗菌効果のある銀イオンを含む水で洗濯することでにおいを抑える『銀イオンホース』が登場。開発の裏側を担当者に聞きました。
今ある洗濯機につなぐだけで抗菌・防臭ができる
『銀イオンホース』は、洗濯機の給水ホースにつなぐだけで洗濯物を抗菌・防臭できるホースだ。銀の板を本体に納め、そこに電圧をかけて、抗菌効果のある銀イオンを徐々に溶かすことで洗濯槽に銀イオン水が流れ込み、洗濯物を抗菌する仕組みだ。
洗濯したにもかかわらずイヤなにおいが残ることを防ぎ、次の洗濯まで抗菌効果が持続するという。取り付け方は簡単。洗濯機用の水栓口と、洗濯機の給水ホースをつなぐだけ。シャープ製以外の洗濯機にも対応している。
◆生産終了になるも根強いファンの声を受け復活
この商品は、2004年から3年ほど商品化されていたものをリニューアルし、2020年5月に再登場した。初期モデルを使用したユーザーに非常に好評だったものの、知名度があまり上がらず、あえなく生産終了になってしまった経緯がある。
その後も「銀イオンを使った洗濯機が欲しい」という根強いファンからのリクエストが止むことはなく、今回改めて既存の洗濯機に取り付けられるホースという形で復活させることになった。そのためには使い勝手の面で、前モデルを超えることが大きな課題となった。
水が流れると自動的に電源がオン
かつての商品は電池式で電源スイッチがあったが、今回の『銀イオンホース』には電源スイッチはない。水栓から洗濯機に水が流れると自動的に電源がオンになる自動方式を採用した。
「ただでさえ手間のかかる家事。私も以前のホースを使用していて銀イオンの効果は実感していましたが、電源スイッチがあるとどうしてもONし忘れることがあるし、電池交換があるのがわずらわしいと思っていました。この商品は、いわば “ただのホース”。とにかく面倒なことをとことん解消させたかった」と、商品企画部の鈴木杏子さんは話す。
銀の板の寿命は約1年。板を溶かして銀イオン水を作る仕組みだが、板が溶けてしまうと、それだけ寿命も短くなる。なるべく板を長持ちさせるために溶け出る量はミニマムに、かつ抗菌効果が持続する量の銀が溶けるようになっている。交換用カートリッジ(※)も発売中だ。
◆口コミの影響で売り上げは1.5倍に、95%が「満足」
発売後は、洗濯機を新しく買い求めた人が量販店の販売員にすすめられる形で購入するケースを中心にじわじわと口コミが広がり、当初の計画の1.5倍を売り上げた。
使った人からは「タオルからイヤなにおいがしなくなった」「子供のサッカー用ソックスのにおいが気になり、いままでは事前に手洗いしていたが、『銀イオンホース』を使ったら手洗いなしでイヤなにおいが取れた」など、好評の声が集まった。購入者アンケートでは95%以上の人が「使って満足」という結果になった。
「新型コロナウイルスの影響で“巣ごもり”の時代となったいま、家にいる時間が増えると家事も増えるものですが、その手間を減らす『楽家事』となる商品を開発していきたい」と鈴木さんは語った。
(※)銀イオンカートリッジが寿命になる目安は、1日1回の洗濯を行った場合(タテ型、ドラム型共通。標準コースで洗濯した場合)、約1年間。
◆DATA
タテ型にもドラム型にも対応(ただし、床給水タイプの水栓には非対応)。銀イオンホース1万2800円、交換用カートリッジ4000円(編集部調べ)。https://jp.sharp/sentaku/ag/
※女性セブン2021年2月11日号
https://josei7.com/
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