引き出物、プレゼント、雑貨屋で一目惚れ…増えていくばかりの食器で、棚の中はひどい状態になっていませんか?
おうち時間で料理をする機会も増えた今だからこそ、食器棚をきれいに整理して使いやすくしたいもの。整理収納アドバイザーの中山真由美さんが、そのコツを教えてくれました。
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食器棚を使いやすくする整理術
食器棚を使いやすくするためには、使用頻度に合わせて食器を仕分けて置くことが大切です。使いにくかったり、ごちゃごちゃしているなと思ったら、一度思い切って整理をしてみましょう。
◆食器類を使用頻度で仕分ける
食器棚の中身をひとまず取り出したら、「毎日使う」「よく使う」「あまり使わない」と、使用頻度に応じて3つに分けます。家族で使うもの、来客時やお祝い事のときに使うものなど、使うシーンを想像するのがコツです。
◆頻度別に食器棚にしまう
使用頻度ごとに食器を分けたら、「毎日使う」ものを目線の高さと同じ“ゴールデンゾーン”にしまえば、自分の体に負担なく、日々取り出すことができます。「朝食セット」「茶碗と汁椀セット」など、使うシーンに分けてカゴにまとめるのも便利です。
毎日使うものから週2〜3回程度使う「よく使う」ものも、ゴールデンゾーンに置きましょう。コップなどはマグカップ、湯飲み、ワイングラスなど種類ごとに分けて収納すると使いやすい上に、家族が同じ種類のものがあるところに戻すようになるので、管理が楽になります。
月に1度程度使う「あまり使わない」ものや重さのあるものは棚の下部に置き、年に1回程度の「めったにつかわない」モノや軽いものは上部に置くなど、使用頻度に合わせて置き場所を決めると、それぞれ使うときにとりだしやすくなります。
収納のスペースに高さがある場合の上手な活用法として、コの字ラックを設置します。空間を区切り、棚を増やすことで収納スペースが増えますのでオススメです。
下部に高さがあって、スペースが空いているという場合は、コの字ラックを使って棚を増やし、立体的に収納すると置けるものが増えるのでおすすめです。
食器を手放すタイミングが分からないときは
食器は欠けたりヒビが入ったりしないかぎり、手放すタイミングがなかなか難しくて、いつのまにか食器棚がいっぱいに…ということになりがち。たとえば、5点セットの食器のうち、3枚割れてしまった、というときには、残りは手放すことを検討しましょう。
中皿が2枚残ったとしても、家族の人数分は足りないからと買い足すと、元からあったものと新しく買ったものとを重ねたときに違和感があったり、色の多さの情報が増えてしまったりして、食器棚がごちゃごちゃに見えてしまうんです。そうすると、収納そのものが崩れていくことがあるんですよ。
◆買うときはなるべく同じ食器で統一を
なので、なるべく同じ食器で統一できるよう、セット物が何枚か欠けてしまったときは手放すことを考えてみるのがおすすめです。同じ食器で統一すると、家族全員が同じ物がある場所に戻すようになって、管理がしやすくなります。
デザインや色で統一したり、お気に入りの食器を使ったりすれば、料理もおいしく見えます。お皿を揃えるとカフェのようになるので、コロナ禍のおウチ時間を楽しく過ごすことにもつながりますよ。
子育てが終わったら食器の数を見直して
「帰省したときに使うから」と考えて、子供が独立しても食器の数はそのまま、という人は多いです。けれど子育てが終わったタイミングで、第二の人生をスタートさせるためにも、必要な食器類をピックアップしてみることをおすすめしています。
◆思い切って書い直すのもおすすめ
食器は食べることとのつながりが深いので、愛着が湧いて生活や自分そのものとつながっている感覚になるため、どうしても手放すのが難しいんです。食器が多いことに気づいてもなかなか手放せない、という人は、まずはゴールデンゾーンにある毎日使うものの整理からしてみましょう。意外と使っていないものが多いことに気づいて、手放すきっかけになります。
第二の人生になるからと、食器を一新して、自分の手に合うものだったり、たとえば和食などの好きな食べ物に合わせたデザインにされたりするかたもいます。子育てが終わると、ライフスタイルが大きく変わるので、生活に合わせて思い切って買い直してみると、棚の中も気持ちもスッキリと整理できていいですよ。
教えてくれたのは:整理収納アドバイザー・中山真由美さん
なかやま・まゆみ。整理収納アドバイザー、お部屋と心のカウンセラー。個人宅や法人の整理収納サービス事業を立ち上げ、これまでに2000件以上の片付けのお悩みを解決。片付け業界の先駆者として、講師活動、監修など幅広く精力的に活動し、テレビやラジオにも出演。雑誌には12年間毎月欠かすことなく取り上げられ、これまでに出版した書籍は9冊にのぼる。2020年からは、自身の働き方の見直しと片付け業界の活性化を図るために、個人での活動をスタートしている。中山真由美さんのオフィシャルブログ
構成/イワイユウ