自宅を改装するなら「住宅リフォーム助成制度」を活用
【質問】高齢の親と同居しています。バリアフリー目的のリフォームなら助成金がもらえると聞いたことがありますが、どのような制度なのでしょうか(50歳・会社員)
【回答】自治体によっては、住宅のリフォームを行った住民に経費の一部を助成する「住宅リフォーム助成制度」があります。
●介護リフォームに使える「住宅リフォーム助成制度」
住宅リフォーム助成制度のなかでも広く行われているのは、介護・バリアフリーのためのリフォーム(手すりの設置、段差の解消、ホームエレベーターの設置など)でしょう。多くの自治体では、介護保険制度の要介護認定を受けていなくても高齢者と同居していれば利用することができます。
助成金に関しては、一律「5万円」などと決まっている自治体もあれば、工事内容により上限を設けている自治体などさまざまです。地域の施工業者に工事を発注することを条件としている場合もあります。細かい助成内容は、自治体によって異なるので確認しましょう。省エネ目的のリフォームやアスベストの除去工事に補助金が出ることもあります。
●「耐震補強工事の助成」で地震に備える
地震による建物の破損や倒壊を防ぐために、耐震補強工事費の助成金を支給する自治体も少なくありません。ただし多くの場合は、木造建築や1981年5月31日以前に工事着手した建物に限られています。例えば東京都中央区では旧耐震基準の木造戸建ての場合、工事費の1/2または全額で上限300万円まで助成しています。
【ポイント】
・基本的に、補助金の申請はリフォーム前に行う必要があります。
・バリアフリーのためのリフォームに関しては、同居するご家族が要介護認定を受けている場合は介護保険を利用して、上限20万円までの工事に対して最大9/10の補助金を受け取ることもできます。
・耐震補強工事に関しては、無料で簡易耐震診断を受けられる自治体もあります。
このように、知っておくと役立つ知識や制度はたくさんあります。詳細は各自治体に問い合わせてみてください。
※手続き内容をわかりやすくお伝えするため、ポイントを絞り編集しています。一部説明を簡略化している点についてはご了承ください。また、令和3年2月10日時点での内容となっています。
監修:特定社会保険労務士・小泉正典さん
こいずみ・まさのり。特定社会保険労務士。1971年生まれ、栃木県出身。明星大学人文学部経済学科卒。社会保険労務士 小泉事務所 代表、一般社団法人SRアップ21理事長・東京会会長。専門分野は労働・社会保険制度全般および、社員がイキイキと働きやすい職場作りのコンサルティング。監修書に『社会保障一覧表』(アントレックス)、『「届け出」だけでお金がもらえる制度一覧』(三笠書房)など。セミナーや講演も多数行う。https://koizumi-office.jp/
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