健康・医療

最近太った…それ更年期太りかも? 体重増の原因と食べ方のコツなど対処法

更年期太りという言葉があるように、更年期にはいり体重が増えたという人が多いといわれています。

女性の人形を乗せたはかり
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婦人科医で成城松村クリニック院長の松村圭子さんに、更年期太りのしくみと改善法を教えてもらいました。

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なぜ更年期は太りやすい?

突然体重が増えたり、お腹が出たりする更年期太りには、女性ホルモンが大きく関わっているんです。

◆女性ホルモン減少による内臓脂肪の増加

卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンは脂質の代謝にも関わっており、内臓脂肪を貯めない働きをします。ところが更年期にはエストロゲンの分泌が減るため、内臓脂肪がつきやすくなるといえます。食べる量は変わらないのに体重が増えてしまうのは、そのせい。健康のために食生活や生活習慣を少しずつ変えていく必要はありますが、あなた自身のせいではないのです。

悪玉コレステロールが多い人の血管のイメージイラスト
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ちなみに、生活習慣病の1つである脂質異常症を調べるときの数値、LDL(悪玉)コレステロール値は、40歳代までは女性よりも男性がやや高め。ところが、閉経後は逆転して女性のほうが高くなります。これも、女性ホルモンの働きが弱くなり起こることです。

◆加齢による基礎代謝の低下

体重計の上で頭を抱える女性
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更年期に太りやすくなるもうひとつの原因は、加齢による基礎代謝の低下があります。何もしなくても消費されるエネルギーである基礎代謝は、筋肉が多いほど高くなります。ですが、残念なことに年齢とともに筋肉は落ちやすくなり、筋肉が減ると消費エネルギーも下がります。

太りやすい更年期にやるべきこと

年齢とともに落ちていく筋肉量と体形を維持するために必要なのは、やはり運動をすることと食事に気をつけることです。

◆運動習慣をつける

更年期につきやすい内臓脂肪は、運動で消費されやすいのが特徴。ですから、運動することで脂肪を燃焼させ、同時に筋肉をつけることで基礎代謝を上げるのが更年期太りに効果的といえます。

窓拭きをする女性
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仲間と一緒にスポーツするのもいいし、ひとりでコツコツ筋トレするのもいいでしょう。歯磨きをしながら足踏みをしたり、テレビを見ながらスクワットなど、すきま時間にその場で動くのもおすすめです。家事だけでも、一生懸命やれば運動になりますよ。自分に合った、楽しく続けられるやり方を見つけてみてください。

◆たんぱく質で筋肉量をアップ

太ったら食べる量を減らして体重を落としたくなりますが、それで痩せたとしても体に必要な栄養素が不足すると、筋肉量が減ってしまいます。特に、筋肉の原料となるたんぱく質を摂ることが必要です。

たんぱく質が豊富な食べ物のイメージイラスト
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おすすめの食材は、低脂肪でたんぱく質が多く含まれる鶏の胸肉、ささみ、筋肉量を増やすのに効果があるといわれる白身魚、コレステロール値を下げる働きがある大豆製品など。意識して食事に取り入れましょう。

◆イライラするときは食事の回数を増やす

体重計の上で頭を抱える女性

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自律神経が乱れてイライラしやすい更年期は、ダイエットが難しい時期でもあります。不安や気分のムラから、暴飲暴食に走りたくなることも少なくありません。そんなときは、食べ過ぎ防止のために食事の回数を増やすのが効果的です。

食事の回数が少ないほどドカ食いしやすい傾向があるので、「今日は危ないかも」と思う日は、普段の食事量を1日5回から6回に小分けして食べることをおすすめします。

◆香りを利用して食欲を抑える

クレープフルーツとオレンジ
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また、香りの効果を利用するのも有効です。たとえばオレンジの香りに含まれる「リモネン」にはリラックス作用があるといわれており、グレープフルーツの香りには食欲抑制効果が期待できる「ヌートカトン」という成分が含まれています。

我慢はつらく続きづらいですから、できるだけ自身にとって負担にならないような工夫を取り入れてみてください。

教えてくれたのは:成城松村クリニック院長・松村圭子さん

松村圭子さん
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まつむら・けいこ。1969年生まれ。日本産科婦人科学会専門医。成城松村クリニック院長。広島大学医学部卒業。広島大学附属病院などの勤務を経て、現職。若い女性の月経トラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポートする診療を心がけ、アンチエイジングにも精通している。生理日管理を中心としたアプリ「ルナルナ」の顧問医。西洋医学のほか、漢方薬やサプリメント、各種点滴療法なども積極的に治療に取り入れている。著書に『10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座』(永岡書店)、『これってホルモンのしわざだったのね』(池田書店)など多数。https://www.seijo-keikoclub.com/

構成/森冬生

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