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ヒアルロン酸、ボトックス…気になるけど心配な人に。美容医療の効果とキホン

ヒアルロン酸やボトックスなど、シワやたるみに効くという美容医療に興味があるけれど、実際どんなもの?という疑問をもっている人も多いのではないでしょうか。

ヒアルロン酸をうっている
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医学博士で銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生によれば、コンプレックスの解消のために施術を受ける人はたくさんいるそう。疑問や不安のあるかたへ向けて、施術の違いや効果、金額(銀座ケイスキンクリニックの場合)について詳しく紹介します。

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ヒアルロン酸注入のシワ治療の効果は?

ヒアルロン酸注入やボトックス注射という言葉はよく聞くようになりましたし、身近なものになりつつあります。けれど、まだよくわからないというかたも多いはず。どんな効果があるのか、お話しします。

ヒアルロン酸は費用対効果が高い

ヒアルロン酸注入はほぼすべて部位のシワや凹みに絶大な効果があり、1~2本の注入でも、施術直後から若返り効果を実感するかたが多く、個人差はありますが効果の持続期間も1~2年と長いのが特徴です。

患者さまの体質や施術する医師の技量によりますが、腫れや内出血のリスクも軽く、費用対効果、ダウンタイム対効果が高いので、美容注射治療の初心者でも試みやすい治療です。

年齢を重ねるごとに注入量が増える

シワやボリュームの少ない部分にヒアルロン酸を注入すると、体の中のヒアルロン酸と融合して、自然なふくらみをもたらし、ハリが生まれます。ほうれい線や口角下のシワ、目の下のシワや凹み、額や頬の削(そ)げを改善することで見た目が一気に若返ります。

並んでいるヒアルロン酸の瓶のイメージ
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30代前半までは1~2本と少量でも充分な効果が見込めますが、40代以降は注入を要するエリアと程度が増えるので、もっと本数が必要になります。

ヒアルロン酸は1本8万円程度

金額はクリニックによって異なりますが、当院の場合、ヒアルロン酸注入は初回トライアルで1本7万5000円~8万円です。高額に感じるかもしれませんが、顔が目に見えて若返るのでコンプレックスの解消に役立ちます。

ボトックス注射はどんなシワに効く?

ボトックス注射は、表情筋に直接注射し、シワの原因となっている筋肉の動きを一定期間弱めるもの。

シワの治療と予防に効果があるボトックス注射

今あるシワの解消だけでなく、シワが深くなってしまう前に始めても効果のある、予防と治療の2つの意味がある注射治療です。

ボトックス注射は2万5000円~

額の横ジワ、眉間の縦ジワ、目尻の笑いジワ、あごの梅干しジワなど、ボトックス注射で効果があるのは、いわゆる表情ジワです。顔の部位にもよりますが、初回トライアル価格は2万5000円~です。

トライしやすい「タイタン」&「スマスアップ」

年齢とともに、どうしても顔に出てしまうたるみも、美容医療で改善できます。まず、気軽に受けられて、顔が引き締まって見えるようにしたいということであれば、タイタンやスマスアップをおすすめします。

近赤外線のエネルギーでだぶついた脂肪をまとめる「タイタン」

「タイタン」は近赤外線のエネルギーで脂肪を形作るコラーゲンを熱収縮させ新しいコラーゲン密度を高めます。これにより、加齢でだぶついた脂肪をぎゅっとコンパクトにまとめ、輪郭がすっきりとします。

高周波(RF)でコラーゲン再生を促す「スマスアップ」

「スマスアップ」は高周波(RF)のエネルギーで真皮から筋膜まで広範囲のコラーゲンを熱で縮め再生させ顔を引き締めます。同時に電気刺激で筋肉を活性化し、衰えてきた表情筋の動きも調整します。

「スマスアップ」は2万円台、「タイタン」は4万円台から

トライアル価格でタイタンは4万8000円、スマスアップは2万4000円と、トライしやすい値段で人気です。

効果実感が高い「ウルセラリフト」「サーマクールFLX」

続いて、「ウルセラリフト」「サーマクールFLX」をご紹介します。いずれも、コラーゲン線維の収縮と再生を促すことによって、高い効果を引き出すものです。

HIFU治療のイメージ
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「ウルセラリフト」は超音波(HIFU)で顔をタイトに

しっかりたるみを引き上げたい、顔をタイトに見せたいとなると、超音波(HIFU)を用いる「ウルセラリフト」が一番信頼性が高いと言えます。

「サーマクールFLX」は高周波で強力に引き締め

また、高周波による治療の「サーマクールFLX」も加齢でたるんだ脂肪層~筋膜まで強力に引き締め、しっかりと顔を引き上げます。

30万円以上と高額な分、効果実感は高い

どちらも施術費用は30万円以上かかるので高額ですが、1年ほど持続し、効果実感は最も高い治療です。

クリニックを選ぶときの注意点

見た目に関わることなので、クリニック選びや医師の腕が非常に重要なのが美容医療です。どんなふうに選べばいいのか、どんなことに注意すべきか、解説します。

事故を避けるためのクリニック選びのポイント

ヒアルロン酸注入治療では、医師の技術不足や粗悪な製剤使用による凸凹、過剰注入による不自然な顔貌、血流障害による皮膚壊死など重大な事故も生じることがあります。医師の経験と技術力、ナチュラルに仕上げるセンスが何より問われます。

頭に指を当てる女医
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私は医師にヒアルロン酸注入を技術指導するトレーナー医師なので、当院には全国、海外からもヒアルロン酸注入希望の患者さま、他院でのヒアルロン酸注入失敗の修正希望の患者さまが集まっていらっしゃいます。最悪の場合、重大な事故につながるので、クリニック選びは慎重にしてくださいね。

ボトックス注射は筋肉に正確に注射しないとまぶたが下がる、口元がゆがむ、うまくしゃべれない、口角が下がる、表情が不自然になる、人相が変わるなどの失敗例が多い治療です。当院では他院でのボトックス注射失敗の修正治療を受けていますが、多い時は週に5~6人いらっしゃいます。解剖学的知識が深く、技術力が高い経験豊富な医師に任せるようにしましょう。

きちんと施術する医師は安売りしませんから、値段で選ばないというのがベストです。安いという理由だけで選んでしまい、悲しい思いをしないよう、十分に気をつけましょう。

たるみの治療は、実は一番医師の腕が出る

美容皮膚科で受けるお悩みの中でも、たるみが実は一番厄介なんです。皮膚よりもずっと深く、筋膜や顔面靭帯の下垂と脂肪や骨の萎縮が複雑に絡み合った構造変化の問題なので、土台からしっかり引き上げる必要があります。

カルテに書き込む女医
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老化のメカニズムを理解した医師が治療を行うと、メスを使わずともたるみが改善し、深いしわが浅くなります。もちろん顔立ちや肉付きなどで必要な施術は変わるので、まずは医師のカウンセリングを受けてください。

施術を受けたいと思ったら、比較的気軽に始められるシミの治療からスタートして、安心して施術を任せられるかどうか判断してから、たるみの治療に進んでいくのが良いと思います。

医療機関さえきちんと見極められれば、悩みは解決できますし、年齢の10%くらいなら手術しなくても若返って見せることができますよ。加齢によるコンプレックスのせいで後ろ向きな気持ちになってしまうのなら、美容医療が明るい人生を手に入れるきっかけになるかもしれません。

教えてくれたのは:皮膚科医・慶田朋子さん

慶田朋子さん
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銀座ケイスキンクリニック院長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医で医学博士。東京女子医科大学医学部医学科卒業。同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、銀座ケイスキンクリニックを開設。メスを使わないエイジングケアをモットーに医療機器や注射によるナチュラルな若返りに定評あり。食と美容、健康など幅広い知識を持ち、現在は雑誌やテレビでも活躍。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)、『365日のスキンケア』(池田書店)などがある。銀座ケイスキンクリニック

構成/イワイユウ

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