今年一番のヒット作と呼び声の高い韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』が、この５月に最終回を迎え、“ヴィンチェンツォ・ロス”のかたも多いのではないでしょうか。
今回は、そんなロスを吹き飛ばすべく、現在、東京・渋谷ヒカリエで行われている『スタジオドラゴン 韓ドラ展』を、女性週刊誌で長年、韓国エンタメを追いかけるライター・田名部知子がレポートします。
スタジオドラゴン制作ドラマから、選りすぐりの3作品をピックアップ
「スタジオドラゴン」とは、韓国のCJ ENM（エンタメと通販事業を行う大手企業）のドラマ事業本部から独立した制作会社で、コンテンツの企画、開発から資金調達、プロデュース、流通に至るまでの全過程を網羅しています。
これまで世の中に送り出した作品は、『愛の不時着』『トッケビ～君がくれた愛しい日々～』『サイコだけど大丈夫』『青春の記録』『スタートアップ：夢の扉』（以下『スタートアップ』）『女神降臨』『キム秘書は、いったいなぜ？』など大作ばかり。韓国で、いまもっとも勢いのあるコンテンツ制作会社です。
3作品の全く違う世界観を体験！
今回のイベントではそんなスタジオドラゴンの作品から、『ヴィンチェンツォ』、『スタートアップ』、『キム秘書は、いったいなぜ？』の3作が取り上げられています。
それぞれのブースにはフォトスポットがあり、全く違う世界観にどっぷり浸れるので、1人で行っても十分楽しめます。取材日には韓ドラ好きのマダムをはじめ、高校生と母親、若い女性やカップル、1人で訪れる男性など多くの韓ドラファンが訪れていて、この1～2年の韓ドラファン層の変化を物語っていると感じました。
名ゼリフのシャワーを浴びてウットリ
『ヴィンチェンツォ』のブースは黒を基調にしたノワールな世界観。まずは、巨大なスクリーンで、ソン・ジュンギ扮するヴィンチェンツォ・カサノがお出迎え。
スクリーンの正面に立ってみると、両サイドからのスピーカーによる音響も迫力満点。ドアップになったソン・ジュンギの美しさに、しばし見とれてしまいます。女優より美しい肌といわれるだけあって、巨大なスクリーンでも毛穴など見当たらず、思わず手を伸ばして、ツルツルのお肌に触れてみたい衝動にかられました。
本作では、イタリアマフィアの顧問弁護士を務めるヴィンチェンツォならではの、ジョーク交じりの秀逸なセリフに毎回ため息が出たものですが、次のブースでは、特に印象的なセリフがシャワーのように頭上から降り注がれるのです。
ソン・ジュンギの低く甘～い声が、自分一人だけの空間に降りてくる感覚はなかなかの快感。ここはフォトスポットにもなっているので、“妄想に膨らむ私”をぜひ誰かに撮ってもらってくださいね。
驚きの事実が知れるメイキングも
このイベントに来るまで、本作について気になっていたことがありました。「このコロナ禍で、いったいいつ、こんな大規模なイタリアロケに行けたのだろうか？」ということです。
その答えはブース内で流れるメイキング映像で明らかになったのですが、なんと、すべてCGによる撮影だったのです。あたかも実際にイタリアでロケをしたような世界を完璧に作り出していることには、本当に驚きました。どんなふうに撮影していたのかも見ることができるので、このメイキング映像はぜひ押さえていただきたいポイントです。
ワクワクしながら特製メモに夢をしのばせて
続く『スタートアップ』のブースでは、起業を目指す若者たちを描いた明るいドラマの世界観そのままに、そっくりのカフェブースも登場します。
壁にはブランコに乗る少女のモチーフが描かれていて、まるで韓国のシリコンバレー・ サンドボックスに遊びに来たかのような…いえいえ、サンドボックスで、自分もスタートアップを夢見る1人になったような気分にさせてくれる楽しいスポットです。
私もノリノリで、ドラマと同じサンドボックス特製メモに壮大な夢を書いて貼ってきました。
貼ってあるメモを見ると、「彼氏ができますように」「韓国語がペラペラになりますように」など千差万別で、やっていることは神社の絵馬と同じといえば同じなのですが、ドラマと同じような空間にワクワクが止まりませんでした。
“キム秘書”になりきって、とことん楽しんだ者勝ち
最後の『キム秘書はいったい、なぜ？』のコーナーはラブリーな雰囲気が満載。
あくまで私的な“観察統計”ですが、来場者の滞在時間はここが一番長いような感じがしました。というのも、3作品の体験ゾーンの中で、もっとも胸キュンできるフォトスポットが3つもあるのです。
『キム秘書～』といえば、パク・ソジュンの“キス職人”ぶりに酔うラブコメ王道作。名キスシーンがたくさん出てくるのですが、その中でも特に人気の、キム秘書の部屋での「クローゼットキス」シーンがリアルに再現されていて、実際にヨンジュン（パク・ソジュン）の膝の上に乗って見つめ合うような写真が撮れてしまいます。
取材日も、若い女性の2人組が楽しそうに撮影していました。
他にはキム秘書の十八番のネクタイ結びや、ウエディングシーンを体感しながら撮影できてしまうなんて、なんともロマンティック。
ミソのベッドルームも展示されていますが、ベッドの上にはヨンジュンからプレゼントされたぬいぐるみの“お疲れ牛”と“忘れない犬”がちょこんと座っていました。
キャストの素顔が見られるメイキング映像も必見！
各ブースには、メインキャスト2人（『スタートアップ』は3人）のサイン入り台本が展示されていたり、実際に撮影で使った衣装や小物が多数展示され、臨場感もたっぷり。
それぞれの作品のメイキングシーンも上映されているのですが、最近はドラマをDVDで視聴する機会が少なくなり、DVD購入特典のメイキングやNG映像が見られずに寂しく思っていたところなので、各作品15分程度のそれらの映像を大いに楽しむことができました。
オリジナルグッズもたっぷり
入り口では、本イベントオリジナルのグッズが販売されています。個人的に気になったのは、『スタートアップ』のコンペでドサンらが着ていた「STAFF」「MENTOR」「CEO」と書かれた3色のTシャツ（S・M・L各3000円税込・以下同）。普段使いもできるし、ドラマを知っている人が見たら、「おっ！あれはもしや…」と注目されることでしょう。一番人気は、『キム秘書～』の「おつかれ牛」（3500円）とのことでした。
とどめのソン・ジュンギをお忘れなく！
最後にこれから本イベントを観覧するかたに、ぜひお伝えしておきたいことがあります。出口ゾーンでは、各作品のメインキャストたちによる挨拶映像が流れ、来場者を送り出してくれるのですが、そのソン・ジュンギがかっこよすぎるので、絶対に彼の挨拶を見てからお帰りください。甘いベビーフェイスと独特の低い声に、さわやかなスカイブルーのシャツ！
しかもシャツは第二ボタンまではずして、ほんの少しセクシーな胸元をチラ見せしてくれるという細かい演出が、個人的にはいちばんのツボでした。
お出かけ前に各作品を見直したり、帰宅後に再度復習したり、そんな時間もとてもたのしいものとなることでしょう。大人の夏休みにはうってつけのイベントです。
撮影／黒石あみ 取材・文／田名部知子
《DATA》
『スタジオドラゴン 韓ドラ展』
会場：東京都渋谷区渋谷2丁目21−1 渋谷ヒカリエ9F「ヒカリエホール」
期間：2021年7月9日(金)〜8月28日(土)
※新型コロナウイルスの感染状況により延期、中止する可能性あり。
開館時間：10:00～20:00
※最終日の8月28日（土）は10:00～15:00（最終入場14:30）
http://kandoraten.jp
チケット料金：【平日】WEB／1700円 当日会場窓口／2100円【土日祝】WEB／1900円 当日会場窓口／2300円