姿勢がいいと素敵に見えるだけでなく、実はスタイルアップにもつながるんです。
そうは言われても、なかなか姿勢を改善するのは簡単にできないものですよね。そこで、『体が硬くてもラクにできる!1分おしり筋を伸ばすだけで劇的くびれ・美脚!』(学研プラス)の著者で、骨盤矯正パーソナルトレーナーのNaokoさんに、美しい姿勢を意識できる「おしり歩き」について教えてもらいました。
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姿勢が悪いと脚が太くなる
前から見ると足の筋肉ががっしり、後ろから見ると下半身のシルエットがだらけて見えて、ボトムスやタイトなスカートが似合わなくなってきた…。なぜそうなってしまうのでしょうか。
脚の内側・後ろ側の筋肉が弱る歩き方
足の筋肉は、前側と外側が使われやすいようにできているんです。そのため、意識していないと前側と外側ばかりが鍛えられ、筋肉が張って太く見えるようになります。特に猫背の人は、歩くときに前側に体重がかかりやすいです。
また、体の軸を安定させる体幹を使えていないと歩くときに体がブレてしまい、バランスをとるために外側の筋肉を使う歩き方になります。中でもヒールをよく履く人は筋肉を大きく使わない小股歩きになりがちで、重心も左右にブレやすいです。
脚の前側・外側の筋肉を使い、内側や後ろ側の筋肉や体幹がサボればサボるほど、スタイルが悪くなったり、不調が出たりします。
せっかく階段を使っても、姿勢が悪いと逆効果
階段をのぼる動きは、お尻の筋肉を使って足を連動して蹴り上げるので、本来はヒップアップ効果があります。ですが、階段をのぼったあとに太ももの前側がパンパンになってしまう人は、前重心で前太ももばかり使っているのが原因です。
なので、「今日は階段で」と思ったときには、お尻の筋肉を使ってかかとを引き上げ、登るようにしましょう。そうすれば基礎代謝も上がっていきますよ。
だらけた体をにスイッチを入れる「おしり歩き」
とはいえ、姿勢を改善するのは難しいですよね。そこで、お尻に手を当てて歩く「おしり歩き」がおすすめです。
「おしり歩き」で脚の内側の筋肉を使う
自然と背筋が伸びて、脚の内側の筋肉・内転筋(ないてんきん)を使う大股歩きができるようになりますよ。きれいな姿勢になるので、まずは鏡の前でやってみて、普段の歩き方にも活かしてくださいね。
「おしり歩き」のやり方
お尻に手を当て、大股で歩きます。前足はかかとから着地して、後ろ足は蹴り上げるようにしましょう。後ろ足を蹴り上げるとき、お尻の筋肉が縮んでいることを意識すると、内ももの筋肉である内転筋が躍動します。お尻に押されるイメージで前に進んでみてください。
「おしり歩き」のコツ
歩くときのコツは2つあります。1つは、腰幅の2本のライン状を歩くこと。1本のライン状を歩くモデルのようなウォーキングはたしかにきれいですが、内転筋が強くないとひざを痛める恐れがあります。なので最初は、腰幅に引かれた2本のライン状を歩くことをイメージするといいですよ。できるようになったら、1本線に近づけましょう。
もう1つのコツは、つま先の開きを15度にすることです。かかと、小指の付け根、親指の付け根の順で着地し、足の裏全体を使って歩きます。かかとと親指の付け根が同じライン上になり、つま先の開きは15度が理想です。これができると、自然とひざがまっすぐ進行方向を向くので、足の外側も内側もまんべんなく使えて、筋肉のつき方がきれいになりますよ。
「おしり歩き」にはうれしい効果がたくさん
手が体より前にくると、猫背になりがち。そこで、「おしり歩き」は手をお尻に当てることがポイントになっています。腕を後ろに回す動きは、日常ではなかなかしないもの。そのため、美姿勢になるだけでなく、二の腕痩せにも効果が期待できますよ。
ウォーキングで足やお尻の筋肉を鍛えてから有酸素運動を
ジョギングなどの有酸素運動もダイエットや体形キープに効果的ですが、筋肉がきちんと使える状態でしなければ、けがをする恐れもあります。有酸素運動をするなら、まずはウォーキングで足やお尻の筋肉を鍛えるのがおすすめです。
◆教えてくれたのは:Naokoさん
なおこ。骨盤矯正パーソナルトレーナー。NaokoBodyworks(http://www.naokobodyworks.com/)代表。20代の頃より、肥満をはじめ、肩こり、腰痛、外反母趾など多くの不調に悩まされ、ボディメンテナンスの分野に深く興味を持つ。出産を機にヨガ、ピラティス、整体、エステ手技などを学び、独自のメソッドを開発し、14kgの減量に成功。現在は3人の子供の育児を行いながら、1万人以上の女性にボディメイクやメンタルケアを行うほか、後継者の育成指導や企業とのタイアップ商品の開発を手がけるなど広く活動中。Naokoさんのインスタグラム