更年期など多くの人が抱えている女性ならではの悩み。薬に頼りたくないという人は、食事の内容を意識することから始めてみてはいかがでしょうか。女性の健康は、女性ホルモンによって大きく影響を受けます。年齢とともに分泌が減っていきますが、女性ホルモンのバランスを整えるには、あずきに多く含まれているイソフラボンが有効なのだそう。
そこで、医師・石原新菜さんが監修を務める『血圧・血糖値を下げる!やせる!煮あずきパワー』(宝島社)で“あずきパワー”について学びましょう。あずきなどの豆類に含まれるイソフラボンの効果や、あずきと合わせて効果アップが期待できる食材、そして、おすすめレシピを紹介します。
女性ホルモンの減少が関わる疾患などをあずきでケア
更年期障害などの婦人系疾患や、骨粗しょう症、認知症には、女性ホルモンの減少も関係しています。
女性ホルモンの代わりにイソフラボンが働く
女性ホルモンが減少すると生理不順や更年期障害などの婦人科系の疾患のほか、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ作用のあるエストロゲンの不足によって骨粗しょう症のリスクも高まります。
あずきや大豆などの豆類に多く含まれているイソフラボンは、植物性のエストロゲンとも呼ばれ、不足した女性ホルモンの働きをカバーしてくれる栄養素です。
イソフラボンは女性ホルモンの調整にも活躍
女性ホルモンが過剰になった場合は婦人科系のがんのリスクが上がりますが、イソフラボンは女性ホルモンと同様の働きをするだけではありません。
女性ホルモンのバランスを整える作用があるため、女性ホルモンの減少からくる病気には女性ホルモンの代わりになり、女性ホルモンの過剰からくる病気には女性ホルモンを減らすことで予防する働きをします。
ホルモンバランスを整える食材
あずきと組み合わせるのにおすすめの食材が、血行を促し、婦人病に効くと言われている大根の葉や婦人科系疾患を予防するのに効果的なごぼうです。ごぼうには女性ホルモンの分泌を促し、体を温める効果があります。そのほか、おからや豆腐、豆乳などの大豆製品も合わせて積極的にとるといいでしょう。
「あずきたっぷり麻婆豆腐」のレシピ
こちらは豆腐を使い大豆からもイソフラボンを摂ることができます。ほてりやのぼせの改善が期待できるレシピ。
《材料》(2人分)
塩あずき…1/4カップ 豚ひき肉…70g 白ねぎ…10cm しょうが…1かけ 絹ごし豆腐…1丁 小ねぎ…少々 ごま油…小さじ1 赤とうがらし(好みで)…1本 花椒(好みで)…小さじ1 水…1/2カップ 片栗粉…大さじ1~2(同量の水で溶く)
【A】酒…大さじ1 オイスターソース…大さじ1 しょうゆ…大さじ1
※塩あずきは、150g分の乾燥あずきをゆでたものに、小さじ1/4の塩を加えて混ぜたもの。
→塩あずきの詳しい作り方はコチラ
《作り方》
【1】白ねぎとしょうがはみじん切りにする。絹ごし豆腐は軽く水気をきり、食べやすい大きさに切る。
【2】フライパンにごま油を熱し、中強火で白ねぎとしょうがを炒める。香りがたったら豚ひき肉を入れ、全体をほぐしながら肉の端がカリッと焼けて香ばしい香りがしてくるまで炒める。辛いのが好きなかたは、種をとった赤とうがらし、花椒も加えてよく炒める。
【3】【A】で味つけをし、水を加える。煮たったら豆腐と塩あずきを加え、ふつふつとしてきたら水溶き片栗粉でとろみをつける。器に盛り、小口切りの小ねぎを散らす。
◆教えてくれたのは:イシハラクリニック副院長・石原新菜さん
いしはら・にいな。医師。日本内科学会会員、日本東洋医学学会会員、日本温泉気候物理医学会会員。1980年生まれ。2000年帝京大学医学部に入学し、2006年の卒業後は同大学病院で2年間の研修医期間を経て、父・石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法などにより、種々の病気の治療にあたっている。著書に『病気にならない蒸しショウガ健康法』(アスコム)など。https://www.ishiharaclinic.com/
レシピ考案/田内しょうこ