食費の節約というと、安いもやしばかり食べたり、食事の回数を減らしたり…なんてことを考える人もいるかもしれませんが、そんな無理な節約は長続きしないもの。そこで、1か月の食費は家族4人で4万円以内という、時短節約家のくぅちゃんさんに節約におすすめの食材や調理のコツをうかがいました。6年で1000万円貯めたという達人のワザとは？
鶏むね肉、豚ひき肉を使い回しておいしく節約
節約をしているからといってさびしい食卓は嫌だけど、お肉を使ったメインのおかずは出費もかさむ…と節約主婦の悩みは尽きません。そんなときにくぅちゃんさんが実践しているのが、豚ひき肉や鶏むね肉といった比較的お手頃な肉の使い回しです。
「肉好きの家族に満足してもらうために豚ひき肉や鶏むね肉は欠かせません。調理法や味付けを変えると食べ飽きず、うちは家族が4人なので肉が安いスーパーでまとめ買いして使い切っています。牛肉は高いですしお店で食べるほうがおいしいと思うので、誕生日などのイベント以外ではあまり食べません」
洗い物を減らせば、時間と水道・光熱費が節約に
くぅちゃんさんの節約術のポイントは、「いかにラクして効率よく支出を減らすか」ということ。洗い物を減らす工夫をすることで時間も水道・光熱費も節約できるそうです。
「例えば、ひき肉をトレーの上でこねて、サイコロステーキにすると、洗い物が出ないですよね。ハンバーグも、フライパンの中でこねてそのまま焼きます。ボウルでこねると肉の脂がすごくて洗うのも大変だし、フライパンでこねればその脂でハンバーグが焼けるから油も不要です。
最初は料理があまり得意じゃなかったので、お湯を沸かして何かを茹でたら、またお湯を沸かして何かを茹でる。フライパンを使って洗ったら、またフライパンを使うとかがあって。そうすると作るのも面倒だし時間も水も無駄。主婦はみんな忙しいから、なるべく洗い物を出さないように最初に段取りを考えることが大切です」
野菜は茹でる順番を工夫して時短＆節約
野菜は1回沸かしたお湯を使い回せば、何度も沸かす手間を省くことが可能です。ポイントはアクや茹で汁のにごりが少ない野菜から順番に茹でること。
「アクがお湯に溶け出したり、お湯がにごると、次に茹でる野菜がおいしくありません。また、基本的に根ものは水から、葉物はお湯から茹でるので、何種類かの野菜を茹でる場合は最初に茹でる順番を考えておくと、何度もお湯を沸かす手間が省け、ガス代、水道代も節約になりますよ」
調理前に段取りを考えれば時短調理が可能に
仕事や子育て、家事に追われながらも節約を実践してきたくぅちゃんさんがたどり着いた結論は、調理前には段取りを決めること。ときには紙に段取りを書いて視覚化することもあるそうです。
「お湯が必要なら鍋をコンロにかける、まな板が汚れない野菜から切ってまな板を洗う回数を減らす、フライパンを洗わず使い回せる順番を考えるといった具合です。それで、お湯を沸かしている間にきゅうりの塩もみして、お湯が沸いたらもやしを茹でて、最後にニオイのつく玉ねぎを切ってなど、順番を書き出します。特にたくさん調理をする場合は、それを見ながら調理するとかなりの時短になりますよ。
また、大量に作り置きを作る場合は、フライパンで作るものばかりを考えるとそこで“渋滞”が起きるので、ほったらかしておける電子レンジや電気圧力鍋で作れるものも組み合わせて考えるのがおすすめです」
段取りを考えるのは面倒だと思いがちですが、いざ実践してみると調理がぐんとラクに。時短になれば水道・光熱費の節約になる上に、自分の時間も増えるので節約中でも心にゆとりが持てそうです。
◆教えてくれたのは：時短節約家・くぅちゃんさん
会社員の夫、2人の息子の4人家族。看護師専門学校を卒業後、看護師に。結婚、出産で2回の転職を経て18年間、看護師を務める。共働きにも関わらずお金がたまらず、子供の教育費など将来に不安を感じ始め、節約に目覚める。節約に手間も時間もかけない「時短節約家」として注目を集め、テレビや雑誌に多数登場。著書に『節約主婦の今すぐ真似できる1000万円貯蓄』（KADOKAWA）がある。Instagram（@megum.
撮影／黒石あみ 取材・文／青山貴子
●浪費家だった主婦はなぜ6年間で1000万円を貯めることができたのか？