この人の命をいつまで背負えばいいのか…
家に母親といるとこたえるのは年寄りのニオイだけじゃない。ここから永遠に逃げられないんじゃないか。この人の命をいつまで背負えばいいのか。そんな思いがじわじわと体に巻きついてがんじがらめになってしまった気になるの。そうなると、家を飛び出して原チャにまたがる私。
で、向かう先は農道よ。お気に入りの道が、いく筋かあって、見渡す限りのそば畑や大豆畑の間をずんずん、ずんずんと走ると……ン? 道の真ん中に蛇が長々と横たわっていたり、トカゲがシッポを伸ばしたりしていて、思わずUターン。車がまったく来ない時は、道端にしゃがんでしばらく動かないハチュウ類を見ていると、波だった気持ちが鎮まってくるんだわ。
先日は近所の沼に立ち寄ってみたら、見たことがない鳥に餌をあげている人がいたの。聞いたら黒鳥だって。まあ、その優雅な黒といったら、しばし時間を忘れちゃった。
そうそう。蛇を怖がる人って結構いるけれど、私は毒がなければ平気。青大将なら抱っこできちゃう。なんか、見かけると金運が上がりそうじゃない? といいながら相変わらずの無貯金人生だから、あんまりアテにはならないか。
12月になったら3月まで施設に入って越冬してもらうことは、私と弟の間で決まっているけど、それまでの間の辛抱だと自分に言い聞かせているけれど、それでも今は今。息抜きをしないとやってらんないんだって。
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。今年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
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