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【64歳オバ記者 介護のリアル】「行きたがねぇよ!」施設入所を拒む93歳母ちゃんをどう説得するか…頭を悩ませる

“出版祝い”でしばし介護から離れる

そんなある日、幼なじみのE子が、イニシャルから今話題の男、「KK」と言ったり、少し前まで「桜川市のディカプリオ」と呼んだりしてかわいがっている11歳年下のハンサムが、拙著『で、やせたの?』の出版記念会をしてくれることになったの。本もドンと20冊、ご購入!

オバ記者と友人
お祝いの花束も
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そうしたら「お願いしま~す」と割烹寿司店『吉原寿し』の女将さんが油性ペンを持ってサインをねだってくるし、お祝いに来てくれたY子さんから花束をもらうしで、いやいや、あはは、もう、どうするのよ!

同級生Sちゃんの家はグランドピアノが部屋にマッチ
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また別の日は、E子とご近所温泉に行った帰り、ふらっと立ち寄った同級生Sくんの家で「お茶やってげよ」ということに。

古くなった実家を改装した家は、グランドピアノとお仏壇がいい感じに馴染んでいる。で、話していたら奥さんが、母ちゃんが入る予定の施設で栄養士をしていることが発覚したの。

「えーっ、山崎トシエさんの娘さんなの?!」と奥さんはビックリ。その話を帰って母ちゃんにしたら、いただいたざくろを食べながら「へぇ〜。あの先生がヒロコの同級生の奥さんが!」と驚いてる。

いただいたざくろ
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「母ちゃんはどこでも有名人だなぁ。母ちゃんのごど、よーぐ知ってだど」
「あはは。有名人だな」

そんなこんなで施設行きに気持ちが傾いてくれたらうれしいけど、まぁ、こういう時は「合意」だの「話し合い」なんてどうでもいいのかもね。母ちゃんに一応は耳に入れておくけど、いやもおうもない。娘である私の責任で入所させるでいいんだよ。万が一のことがあったら? 93歳の高齢になったらもう万が一じゃないしね。冬に極寒の家で暮らすほうがリスクあるって。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
オバ記者ことライターの野原広子
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。今年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

●【275】92歳母ちゃんのために88歳叔母を東京から茨城に連れて行ったら疲労困憊になった話

●【274】「ここから永遠に逃れられないのか…」介護ストレスの日々

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