マスクをつけることが日常化する中、口を閉じる意識がおろそかになっていませんか? だらしない口元は顔の印象を下げてしまいます。そこで最新メソッド「コアフェイストレーニング」でできる口元の鍛え方を表情筋研究家の間々田佳子さんが指南してくれました。シリーズ27回目は「美しい口元を作る」です。
口角挙筋がゆるむと顔は老ける?
「口元がゆるむと、マリオネットラインが現れる、口角が下がった残念な微笑みになる。いずれも、老けた印象を与えてしまいます。口元がゆるんでしまう原因は口角を上げる口角挙筋の衰え。また、口角挙筋がしっかり上げられないということは、頬を押し上げられないことにもつながるので顔全体も垂れてしまいます。口角挙筋は小さな筋肉ですが、若々しく豊かな表情を作るためには欠かせないのです。
私も、今回紹介する『口角バタフライ』で口角挙筋がスムーズに動くようになってから、顔全体がこわばらずに動くようになりました。口角挙筋の動きに連動して、付随する小さな筋肉たちも伸縮するようになるからです。笑顔や表情をほめられるようになったのもその頃でしたね」(間々田さん・以下同)
常に意識して、口を閉じる、口角を上げる
口角挙筋を衰えさせないためには、マスク着用時にもポイントがあります。
「マスクを着けると、息苦しくて口を半開きにしてしまう人が少なくありません。ですが、口の半開きこそ口角挙筋をゆるませる一番の原因。口角挙筋が鍛えられていれば自然に口は閉じますから、マスクを着けたときほど、口元をピタっと閉じる意識を持ちましょう。できれば口角も上げてほしいですね」
キュッと上がった口角を作るエクササイズが、コアフェイストレーニングの「口角バタフライ」です。
コアフェイストレーニング「口角バタフライ」のやり方
【1】椅子に座り、座面に座骨を立て、座骨で座面を押しながら背筋を伸ばす(このとき肩が上がらないように注意)。額とあごは床に対して平行にし、首の後ろを伸ばす。
【2】唇を内側に巻き込み、口角を上げる。
【3】口角を元の位置に戻す。【2】~【3】の口角の上げ下げを10秒間繰り返す。気になる人は、3~5回繰り返す。
「口角の上下だけではなく、唇を巻き込むことがポイント。巻き込むことで、ほかの筋肉に頼ることなく、ピンポイントで口角挙筋だけが使われます。ふだん口を閉じる習慣のない人は、唇を内側に巻き込むことが難しいかもしれません。ですが、続けるうちにしっかり巻き込めるようになります。また、口角を上下するときは、口角の先端までしっかり伸ばして上下すると、負荷がかかるのでより口角挙筋が鍛えられます」
口角アップで見た目印象の格を上げる
できない人は指で口角を持ち上げましょう。
「『口角バタフライ』は必ず鏡を見ながら行いましょう。口角の先端を1mmでも、“上げよう”としてみてください。そうすれば効果も早く出ます。
また、唇は巻き込めたけど、口角の上下ができない人は、人差し指を使って口角を思いきり上げることから始めましょう。まず、口角が上がることを筋肉に教え込む。徐々に指サポートがなくてもできるようになりますから、あきらめずに続けてくださいね。自由に口角を上げ下げできるようになれば、自然な微笑みを作れるようになります」
笑顔を作るのが苦手な人こそトライしてみましょう!
◆教えてくれたのは:表情筋研究家・間々田佳子さん
コアフェイストレーニング考案者、ままだよしこメソッド株式会社代表。19歳の時にインドに渡り、顔のヨガを学ぶ。2010年フェイシャルヨガの高津文美子氏に師事し、インストラクター認定資格を取得。以後、顔ヨガブームの火付け役として美容業界を牽引。2020年より自身の新メソッド「コアフェイストレーニング」を考案し、顔の「軸」を見つけることで顔を引き締め、表情・印象をピンポイントで変えていく「顔のトレーニング」の普及を行う。講演・テレビ出演も多数。これまでに出版した著書は16冊累計57万部を突破。講座受講者は3万人を超える。主な著書に 『日めくり まいにち、顔ヨガ!』(小学館)、『ブルドッグ顔が引き上がる!5秒でできる「顔筋改革」』(PHP出版)、『間々田佳子のかんたん顔筋トレ』(KADOKAWA)がある。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』『行列のできる法律相談所』『シューイチ』『この差ってなんですか?』他、多数のメディアにも出演。https://ameblo.jp/yoshiko-mamada/
取材・文/佐々木めぐみ